大学を何とか卒業してからモータージャーナリズムの世界い入り、評価・提案・ケチなど、数多くの異論を唱えてきたのだが、ケチをつけたことで親しくなった開発者もいる。その結果トップシークレットの情報を交換できるまでの信頼性を得たのも事実だ。
思い出すままに書いてみたので、あえて番号を振り、その内容を解説することにした。何回かに分かれての記事となる。
評価の悪い言い方がケチだとしたら、そうなのかも知れないが、そこに正しい評価と問題点を指摘されたことで、それをケチだと言う感覚で捕らえるとしたら、その方の進歩はそこで止まる、と思っているが、いかがなものだろうか?
ケチをつける、これそのものは良いも悪いも評価すると言うことに尽きることで、その評価は真摯に受け取らなければいけないと思う。勿論、その内容がいい加減なものであってはならないが、なぜそのようなケチ(評価)を付けたかと言う、「なぜ」「どうして」が存在したら、これは開発者として聞いていた方がいいし、出来上がったものを煮詰めていく場合に、特になるのだと思う。なぜ特になるかというと、これまで自分達が長い期間かけて開発してきたものを、一瞬にしておかしな状態を発見したわけだから、ものすごく価値があるはずだ。
バイク雑誌の編集者は大学卒業後から行ってきたが(リタイヤするまでの間に自動車のいじり系雑誌に人事異動)、現在までの間にそのクルマやバイク、更にイベントの規則に対してもレポートと共にケチをつけてきた。そのケチの内容を思い出すまま書いてみた。順番はいい加減であることをお許しいただきたい。また、その内容はかなり前になるので、その当時を思い出しながらの話となるため、途切れ途切れとなることを了承して欲しい。
数多くのバイクやクルマ、そしてイベントに対してケチをつけてきたが、そのケチを糧に改良されたものも多くある。そして、他のジャーナリストの方と違うのは、自分で手を加えて改良できそうだと判断したら、実際に行動を起こす技術力を備えていた点だろう。
ではまず始めにこんなことから・・・
1、アイドリングが安定しているのに、アクセルを少し開けた瞬間に回転が低下し、場合によってはエンジンが停止する125ccのシングルロードスポーツを借り出して試乗していたが、このような調子で楽しく試乗できない。キャブのアイドル調整をやるが結果はでない。アトマイザープレート!!!などと言う変なものを吸気通路に取り付けたからなのだろうか。何が悪いのか、エアクリーナーを外し、スロットルバルブが見える状態に、エンジンをアイドリングさせながら、スロットルバルブを指で軽く押すとエンストした。指で軽く押した状態でエンストしないようキャブを調節し、安定したアイドルからスロットルを開けるときれいに回転は上昇する。
この状態を分析すると、スロットルバルブの径が小さく、アイドリング状態ではスロットル・ストップ・スクリューに、組み込まれたリターンスプリングによってスロットルバルブが当たることで、スロットルバルブの自由度はなくなり、スロットルバルブとシリンダーにクリアランスが生じ、そこから必要以上にエアが吸われると判断した。その吸われるエアの量に合わせるためには燃料を多く供給しなければならない。しかし、スロットルを少し開けた瞬間に、スロットル・ストップ・スクリューの規制から解放されたスロットルバルブは、エンジンのバキュームによって燃焼室側に引かれるため、スロットルバルブの下を流れる空気の量が変化し、そのときにはガスが濃くなるので、不調・エンストとなる。
このバイクは1975年に発売されたCB125JXで、キャブレター製造か設計不良。スロットルバルブがスルットルシリンダーに対して、小さすぎたため、スロットルバルブとスルットルシリンダーのスライド部分から空気を吸う事で、アイドルから少しスロットルを開けたときの空然比が変わり、エンストする。
これの原因を究明した結果は、広報部を通じて開発責任者に連絡してもらった。後日、その方からお礼の連絡が届いたのはいうまでもない。