研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2013年7月15日月曜日

仮締めをやるとトラブルの元!!!“ヒューマンエラーを起こさないために”

クルマに限らず何かを分解、取り外しを行った瞬間から、ヒューマンエラーの可能性が、少しずつ増える。しかも、慣れれば慣れるほど見過ごしによるやり忘れが多くなるのだが、それを常に意識の中に入れて、作業を進めることでそのヒューマンエラーを防ぐことができる。

クルマで例えると、一番多いのがネジの閉め忘れである。「とりあえず落ちないように締めておいて、終了間際に本締めすればいいや」と言うやつが一番危ない。

エンジンのオーバーホールなどでは、作業の反復を常に心がけることで、確実に閉め忘れは防げる。しかし、これが意外と面倒で、ついつい部品の取り付けに集中してしまうが、そこを何とか乗り越えて、反復をするようにしたい。

また、やってしまう仮締めのトラブルとして一番多いのが、ホイールナットの締め忘れだ。

特にリジッドラックで固定した状態から、ブレーキパッドの交換などをやり、その後ホイールを取り付けるときには、当然ホイールの回転をロックできない状態なので、どうやっても仮締め状態になる。

リジッドラックから降ろしたときに、改めて締めるのは極普通だが、それを忘れることが起きる。

オートメカニック編集部にいるときに、読者のクルマいじりをサポートすると言う企画があり、それはブレーキパッドの交換だったのだが、「ホイールナットの締め付けを忘れないように、何か考えておいたほうがいいよ」、と言うアドバイスを聞かず「大丈夫です、いつもしっかりとやっていますから」・・・

さて、ブレーキパッドの交換も終わり、ホイールの取り付けも済み、リジッドラックからクルマを降ろし、「では、どうもありがとうございました」と読者は帰ろうとするが、「ほんとに全部終わったのかな~、俺だと終わっていないのだが」と言うと、さすがの読者も気が付いた「あ~ホイールナット・・・」

仮締めで走らせることにならなかったので、トラブルには発展しなかったが、同様なことはプロの世界でもかなりやっている。ひどい場合には、試乗の最中にホイールが外れ、高価なスポーツカーを台無しにするようなことも。

で、このようなことが起きないようにするにはどうするか。

ホイールキャップの付いているものでは、最後まで外したままにすれば、それとなく思い出す(でも複数で作業すると、気を利かせてホイールキャップを散りつけてしまう場合も)。では、ホイールキャップのない場合はどうするかだが、これも簡単な話。

ナットの仮締めになることは仕方がないので、仮締めかどうかを見ただけで思い出す作法を使う。
このように締め付けナットを床に放り出しておけば「何だこれ?」で、本締めしていないことに気が付く。つまり、思い出す簡単なきっかけを作っておけばいいのである。このような方法で、これまで仮締めによるトラブルを、かなり防いできた実績はある

それは、2箇所ほど取り付けずに、ナットを床に放り出しておくことである。これで、リジッドラックやリフトから降りした場合の最後になって、クルマの周りをうろうろすると、「何だこのナットは」で思い出す。

ばかばかしいアイディアであるが、見ると違和感がある状態にすることで、閉め忘れや組みつけ忘れはなくなる。

2013年7月7日日曜日

毎日が休日のシニア、日曜日の過ごし方

会社を定年退職し、何もやることがなくて、奥方から邪魔扱いされている御仁は多いだろう。しかし、その有り余る時間を有効に使っている方はいる。

例えば、これまでやりたかったのだが、家庭の事情によりやれなかったこと。でも定年退職を機にそのやれなかったことを実行した方がいる。

ここに取り上げたのは、両親を見送って、しばらく経ったある日、「以前から夢だったクラシックバイクでのレースをやりたいのだが」と女房殿に相談したら「やってもいいわよ、骨は拾ってあげるから」と、簡単にOKの許可が出た。{奥方が素晴らしいのだろうが}

それが、クラシックバイクでロードレースを楽しむ横瀬文明さん(66歳)だ。

バイクは、1964年製のホンダCB72(250cc)である。このバイクについて、詳しく知っている方は、かなりのバイクツーである。かく言う私も、このCB72/77(305cc)、92(125cc)に対しては造詣が深い。

横瀬さんは、もともとホンダサービス拠点のメカニックであり、バイクをいじることは朝飯前。特別な加工以外、全て自身の手で日夜いじり倒す。

横瀬さんが自ら改造を施した1964年式のCB72レーシング。非常に綺麗にまとめられている。自分で改造するわけだから、出来栄えには性格が現れるのだ。当時は若者の憧れのバイクであった。

クラシックバイクと言えども、ノーマル状態ではなく、確実にレーシングバイクとして改造が施されている。そして、時にはセッティングとトレーニングを兼ねて、レース場を訪れる。

この方が横瀬さん。当然メカニックなんていない。全て自分で管理する。それがまた楽しみであるし、充実した一日を送ることができる。友人達もレース観戦がてら応援に駆けつける。奥様は、そこに集まる友人たちの昼食まで心配する。なんともうらやましい限りである

もちろんレースばかりではなく、大型バイク(ホンダGL1800)でのツーリングもやるのだから、暇をもてあますなんていうことはない。

リタイヤしてから、周りに影響されて、趣味らしきものに足を突っ込んでも、長続きしない、と言うのが持論である。何故か、それは、若いうちなら湧き出す欲望、興味に対するエネルギーが、歳を取ると衰退し、惰性で行動するようになってくるからだ。こうなれば、当然「やってみるか」で始めた趣味は長続きしないのだ。

親しい友人たちが集まり、同じ趣味での行動を、リーダー格の方が積極的に仲間を振り回せば長続きするんだが。なかなかそのような組織には発展しない。

なので、生涯どっぷりと漬かっていられる趣味を、若いことから持つことは必要。会社人間で、会社の仲間ばかりと付き合っていると、そこから放り出されたときに行き場がない。その行き場となってくれるのが趣味で集まる人達だ。