研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2012年2月21日火曜日

バッテリーの交換をアイドリングさせたままやる、とはとんでもないこと

絶対にやってはいけない作業

最近気になる話を聞いた。それは、バッテリー交換の際に、エンジンをアイドリングさせたまま行うと言うもの。

確かに、オルタネーターには電圧制御のレギュレーターが装備しているので(それもかなり優秀なやつ)、バルブ類が切れることはないのだが、多数あるコンピューターが不良となる可能性は大きい。

特に、電気用品の取り付けをしていると、その用品が不良となる場合もある。雑電流対策がされていないのだから当然だろう。

その原因は、電圧上昇ではなく、バッテリーが外されることで、それまで吸収(収束)していた雑電流の放出が原因と考えられる。
エンジンをアイドリングさせたままのバッテリー交換は、絶対にダメ

なぜこのようなことが行われるのだろうか。それは、バッテリーを取り外すことで、各種電気用品の設定が消えるため(純正用品も含め)、面倒な初期設定が必要となるからだ。パワーウインドウの挟み込み防止の設定も忘れてはいけない。これをやらなければ、その装置も作動しないので重要なこと。

どこからこのような邪道が行われ始めたのか考えてみると、それは、ディーラーなどでバッテリー交換をするとき、ユーザーがどのような初期設定をしているか不明のため(標準でもいろいろな電気用品を装備しているため)、元に戻す手間を考えたときに、「いいや、アイドリングさせたまま一瞬のうちにバッテリーの交換をすれば何とかなる」「後で文句を言われるのもいやだし」と言う状況があって、このようなとんでもなくリスクの多い作業をしているらしい、と聞いたことがある。

バックアップのバッテリーを接続しなさい、と言う指示があるはずだか。

これを見様見真似でバッテリー交換をユーザーがやるとき、エンジンをアイドリングさせたまま行い、とんでもないトラブルを引き起こしているようだ。
バッテリーのターミナルは、マイナス側から外す。そのほうがレンチをボディに接触させてもショートしないから。取り付けるときにはマイナス側を後にする 

初期設定を再度やるのが面倒だったら、バックアップ電源を作り(販売もしているし、ディーラーや修理工場でも使っているはず)、それをシガーライターソケットから送り込んでやればいいのだ。これで安心してバッテリーを外せる。

重要なのは、バックアップで使うバッテリーのプラス・マイナスを間違えないことと、イグニッションキーをラジオが聞けるACCの位置にしておくこと。

自作する場合、使用するバッテリーは、安全(容量)を考えて乾電池ではなく、鉛バッテリーを使いたい。

推薦するバッテリーは、完全密閉式の小型のもの。例えば、秋葉原の秋月電子で輸入販売される台湾製のLONGと言う銘柄などは、長期保存にも耐える、自己放電が非常に少ないもの。6ヶ月以上でも十分に容量が残っている。これなどお勧めだ。12V8Ahあたりを購入すればいいだろう。
完全密閉式のバッテリーをバックアップ用とする。他に使用していたものだが、性能低下が見られたので、別の用途に使っている。シガーソケットに差し込むプラグはホームセンターで購入

端子は平型の差込タイプであるが、大きな電流を流さない状態での使用であるなら、これを改造する必要はない。

バッテリーの管理としては、6~10ヶ月ごとに充電する。充電器はいらない、クルマのシガーソケットから充電すればいいのだから。普通に走りながら30分も充電すれば十分のはず。
確実に電気の接続が出来たかどうかは、イグニッションキーがOFFの位置で、ラジオやカーナビに電源が入っているかどうかで判断できる。接続不良はバックアップ不良となるので、シガーライターを使っていた場合には特に注意が必要

イグニッションキーはⅠのACC位置とすること。Ⅱのエンジン始動位置では余計な電流が流れるし、その位置とする意味がない。また、イグニッションキーの位置が0(OFF)でも、シガーソケットから電流を流すとラジオなどにも電気が流れるので、バックアップ出来たと勘違いしないこと。必ずⅠのACC位置であることを確認する

このようにしっかりとバックアップ用の電源を確保しておけば、安心してバッテリーの交換が出来るし、設定のやり直しをする必要もないので、間違いを引き起こすことがなくなる

2012年2月19日日曜日

走行音を発生しないクルマのサウンド対策が進むのだが・・・その2

前回は、ウルトラがエンジンサウンドシステムを発売したこところまで説明したが、そのシステムは、販売価格と耐久性ということから、スピーカーに要求されることが重く、どうしてもコーンを持たない、ツイッター(高音専用スピーカー)のようなものとなり、音質としてはいいものではない。
ウルトラのエンジンサウンドシステム、価格10290円。静か過ぎるクルマに装着すると、存在をアピールすることができるが、スピーカーの関係で音質が良くない。ウルトラのHPに掲載されている音よりも、実際にはもっと高音部が強調されている

そこで、何とかならないか、それもお金を掛けないで、と言う基本理念から、数十分でやれる音質改造に取り組んでみた。

金額を無視するなら、秋葉原で低音も出る、防水型のスピーカーを購入すればすむのだが、それでは意味がない。

基本的にはどんな音がするのか、オーディオ用のスピーカーを取り付け視聴する。確かに、それなりの音が焼きこまれていることがわかった。それをどのように引き出すかである。

付属のスピーカーで同様に視聴してみると、高音部だけが強調されて、耳が痛くなる。せめてこの高音部だけでもカットできないだろうかと取り組んでみた。
バッテリーを繋いでサウンドを聞く。やはりオーディオ用のスピーカー(後方右)から流れる音とは程遠い。もちろんこれでも有効ではあるのだが・・・

スピーカーから出た音を、何かで共鳴させ、高音部を減衰させながら、中音部を強調させられればいいので、共鳴ボックスを載せてみると、納得できる音質に変化していることが判明。ただし、使ったのは紙であるし、少し大きく不細工。
何か共鳴する装置はないかと考え、薄い小さなダンボールの箱を利用。音が入るような穴を開け、ふたの片方を開放し、それを付属のスピーカー上に載せると、高音部が減衰し(音の大きさも少し小さくなったが)、耳障りな状態から開放された

そこで、飲料水が入るペットボトルを短く切り、口のほうを上にして載せると、意外にも高音部が減衰して、何とか使える音になっている。
共鳴部分を造ればいいのだろうと判断し、ペットボトルを短く切断してスピーカーの中へ入れてみると、これがなかなかいい具合。アルミのボトルや口の大きなペットボトルも試したが、普通サイズでOKとなった

アルミ製や口の大きなものも試したが、どちらも音質の改善が十分ではなかったので、ごく普通の300ミリリットル入りのものがいい。

排水用の穴も必要で、それを適当に開けてから、100円ショップで売っている水性ペイントを刷毛で塗り、乾燥したら接着剤(これも刷毛とともに100円ショップで)で接続。ただし、排水のことを考えて、下側になる部分には接着剤を塗布しないこと。
排水用の穴を開け、ボトルの口を切り取り、100円ショップで購入した水性塗料を塗る(手元に黒がなかったので・・・)。乾燥したら数箇所に接着剤を塗布して組み立てれば終わり。排水用の穴がどこにあれば有効かを考えて取り付けること

なお、音がどのように変化したか、デジカメでムービーを取ってPCで再生したが、デジカメのマイク特性やPCに内蔵しているスピーカーでは、高音部しか出ないため、音の変化を聞き取れないことが分かったので、ユーチューブにはアップしていない。

2012年2月12日日曜日

走行音を発生しないクルマのサウンド対策が進むのだが・・・その1

EV、PHV、HVなど、モーターでの走行状態では、エンジンとは違う静かな音しか発生しないため、その存在に気づかず事故となることが考えられることから、国土交通省は2010年5月10日に“静音性対策を講じたハイブリッド・EVの体験会”を東京小金井の尾久自動車学校で開催した。

どのようなものかと言うことで、事前に申し込みをし、参加したのだが、目の前を走る実験車からは、インバーターが発するような、かすかな金属音がする程度で、とてもじゃないが役に立つとは思えないもの。
高周波の金属音で役に立つとは思えない状態。また、停止するとサウンドも消えるので、それでは視覚障害の方もそこにクルマがあると判断できない

その音に対する評価者として、視覚障害者の方を数十名現場に来ていただいていたが、これが大きな間違いである、と言うことを国土交通省の方々は気がついていないようだった。

視覚障害の方は、聴覚が非常に優れており(健常者より遥かに優れる)、いくら目が見えないからと言って、その方々の意見を参考にするのは大きな間違い。

十分な音か、或いは周波数はどうか、を検証するなら80歳近いお年寄りから意見を聞くべきである。

こんな状態で製造したエンジンサウンドシステムは、使い物にならないと言うことになって、一向に広まらない。

そこで、国土交通省の指針に合わせたものを永井電子(ウルトラ)が製造した。ただし、その指針が音の範囲を狭めているのは確かだ。

指針の内容は、興味本位の音はダメ(F1の排気音など、音の大きさが変化するもの、ブリッピング、人の声)など、つまり変化しない音と言うことになる。この状態でOKとなる音はかなり難しいようだ。

また、最近気がついたことだが、アイドリングストップしていると、当然エンジン音がないわけで、よそ見をしながら歩いてくる人は、そのアイドリングストップしているクルマにぶつかる、と言う事故は起きてしまう。そう考えると、アイドリングストップするクルマにも、擬似的にエンジンサウンドを発生するようなシステムが必要ではないかと思う。

次回は、永井電子製のウルトラ・エンジンサウンドシステムを検証し、もっと音が良くなる手法はないか、実験してみるつもりだ。

2012年2月3日金曜日

トウモロコシは食べるだけではなかったんだ

トウモロコシというと、日本では家畜の飼料かおやつに食べるぐらいにしか考えていないが、実は非常に奥の深い繊維質を持った種で、これをベースにいろいろ出来あがっている。それも日本では思いも寄らない、今でも認識していないような使われ方を、数年前からアメリカやヨーロッパの国では展開している。

ひとつはアメリカでやられていること。目的は日本と同じだが、そこに使われるものがトウモロコシを加工したものか、発泡スチロールを使ったものかの違いだ。当然日本は発泡スチロール。アメリカはトウモロコシ。では何に使われるのかというと、荷物を発送するときの、隙間を埋めるパッキング材。

だいぶ前のことだが、アメリカから送られてきた品物の中に詰められていたパッキングは、なんだかうす茶色で、発泡スチロールのように弾力性は強くない。もちろんビニール(違うかも)製の袋に詰められていることは同じ。そして、その袋には何やらプリントされている。そこには「食べるな危険とか、子供の手の届かないところに置くこと」などと言うことは書かれていなかったように思う。さらに見ると「・・・コーン」とか何とか読めるが、何を言っているのか、当時の英語力では十分理解出来なかったが、コーンはトウモロコシのことであるし「どくろマーク」も付いていない。

指先でつまんでみると、プチッとつぶれて何かを発泡させたものであることがわかる。臭いをかいでみるが、よくわからない。ポップコーンではない。しかし、「・・・コーン」と書いてあるのだから、トウモロコシがベースなのであろう????

数時間後には、一粒口の中に入れていた。すると、マシュマロのごとく、クニャクニャになり、しばらくすると溶けてしまった。これどういうこと。

アッそうか、発泡スチロールでは使用後の処分で環境問題が出るけれど、トウモロコシならその辺に捨てても土の養分になるから、処理は問題ない。そしてもうひとつ気が付いた。それは、幼児の事故である。つまり、発泡スチロール製のパッキング材では、幼児がいたずらして、口に入れた場合、気管に詰まらせて窒息死することがあるのだが、トウモロコシベースのパッキング材は、前記したように、口の中で溶けるし毒性はない。さすが環境やPL法にうるさいアメリカであると思った。

さらにもうひとつ、テレビで見た光景。フランスのあるチョコレートを作る会社でのこと。丸いチョコレートとするため、ベルトコンベア上には、凹みのある型が流れている。日本であったらおそらくこの型はPP(ポリプロピレン)だろう。でもそのチョコレートメーカーは、トウモロコシをベースにして作られた型を使っていた。チョコレートメーカーが型を作っているとは思えないので、規則でそうなっているのかどうか不明であるが、それにしても、日本の環境や安全に対する考え方には、大いに疑問が残る。