研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2019年5月3日金曜日

また、ブレーキとアクセルの踏み違いによる事故が起きた。だから、ブレーキペダルは左足で踏んだほうが良い、と言う意見が出るのだ


これまでもブログで書いたが、2ペダル(ATなど)の運転では、左足でのブレーキ操作がベターである、と言う話を何回かした。でも運転免許を管轄する警察庁がそれをOKしない。

ブレーキペダルは、絶対に右足で操作する、と言うことから他を認めていないのだ。

ま、仕方がないか、実際に混雑した中でクルマを運転しない官僚がガンバッテいるのだから。新しい考えより、自分達の立場が優先するような組織が牛耳っていれば、新しい考えに対する取り組みはしない。それこそ、どこかの国の議会のようで、新人、若い議員からの新しい意見は無視するだけではなく、そのような考え方をする人物、意見を排除するようなことをやってしまい、それが後にどのようなことになるか、考えないのと同じだ。これでは発展性が見られない。

例えば、運転免許教習所でAT限定免許を取る場合、左足でのブレーキ操作を教習すれば、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる事故は起きようがない。右足での操作か左足での操作か、教習生に自由に選ばせるようなことが重要であるのだが。(教習の途中で変更することも可能とする)

もちろん、教官が左足でのブレーキ操作が完璧で、教習生の見本とならなければ意味がないので、そのときには確実に教官への教習が必要となる。教官の教習する人物がいない、というのであるなら、左足ブレーキの操作が重要、と言う意見を持つ人物(私のその中に入るだろう)を集め、実際にどのようなものになるか、教官やお役人たちは体験すべきであると考える。

これにより、教習所の教習方法が大きく変化することを願うのだ。

TVの解説では、衝撃があって(事故などで)パニックになると、足を踏ん張ってしまうので、アクセルを踏みつけていると言う意識はなくなり、暴走に繋がると言う。

左足でのブレーキ操作も、衝撃による反応で両足で踏ん張ることになるためブレーキペダルを左足で踏んでも、アクセルが踏まれているため制動力が有効ではないと言うのだが、この解説者は、現在のクルマの構造を理解していない。

電子制御スロットルが付いた時点で、国土交通省は「左足でのブレーキ操作をする方もいるのだから、アクセルを踏んだ状態でも、ブレーキペダルを踏んだらスロットルバルブが戻ってしまう構造にするのが望ましい」と言う指針を発表した結果、今では、日本で販売する日本車の全てのクルマに、ブレーキ優先制御(ブレーキオーバーライド)と言うシステムが組み込まれている。

であるから、左足でブレーキペダルを使うことにより、パニックになったときに、暴走と言う状態にはならない。

TVで、いろいろ特集として、AT車(ATに限らないと思うが)の暴走事故を取り上げて、それに対する解説を、その筋の方にお願いするのはいいが、あまりにも構造を知らない方が多く、正しい説明、解説が出来ていない。

正しい情報を、視聴者に知ってもらわないと、それが例え間違っていても、次にくる正しい情報を「正しい」と認識するには、10年近くかかったりする現状を見ている者にとって、気になる解説内容である。

クルマだけではなく、左手でクラッチレバーの操作を必要とするバイクの運転でも、訓練と慣れによって普通に操作できるようになるし、昔の英国製バイクのように、後輪ブレーキは左足での操作をしなければならない構造であっても、慣れにより、それこそパニック(飛び出したクルマや歩行者に対して)になったとしても、後輪ブレーキを有効に使っていた経験がある。

それでは、クルマの場合、ATとMTは間違いなくどちらも運転できるようになるのだろうか、と言うと「出来ます」ということを即答する。それは、私自身がマイカーはMT車であり、試乗会で乗るクルマのほとんどがATで、仕様が変わっても普通にハンドルを握って運転しているからである。

確かに、初めて(大学生のころ)ATを運転したときには、一回だけクラッチのつもりでブレーキペダルを踏んでしまい、タイヤをロックさせた経験を持つが、それ以来、間違い操作はしていない。

ここからは経験談である。

長年、AT(右足でブレーキ)とMTを乗り続けていると、あるとき何もしていない左足のことを考え、左足でブレーキペダルを踏むようにできないか、と言う自問自答をやった。「そういえば、昔左足でのブレーキ操作を完璧にやっていた時代があったな~」と、思い出したとたん(左足ブレーキの大型バイクに乗っていた)、普通に左足でブレーキペダルを操作できてしまった。

ということから、誰でも左足を使うブレーキ操作は出来るようになると思っている。

また、その行為、つまり左足でのブレーキを使うと言うことに対して、完璧な操作が出来るようなクルマを作ったメーカーとその開発責任者の話を聞いたことがある。

その開発責任者に試乗後、私から「このクルマ、左足でのブレーキ操作がやりやすいですね」、と言ったとたん「わかりましたか~」と、身を乗り出してきた。

何のことはない、それまで数多くのジャーナリストが試乗していても、そのクルマのブレーキ性能を十分に理解した人物がいなかったと言う話である。

左足でのブレーキペダル操作を完璧とするには、これまでには考えなかった設計を取り入れなければならないと言う。

ドライバーシート左足の太ももが当たる部分のスポンジ。ブレーキペダルのペダルそのものだけではなく、アームに取り付けられるペダルの角度、アームの形状、ブレーキペダルアームピボットの位置、そして、素早く素直に立ち上がる制動力。

これが非常に重要で、左足でのブレーキ操作は、クルマの走行状態を先読みし、前方の信号が変わったときには、ブレーキペダルに足を乗せながら、ゆっくりと力を入れていく。そして、ブレーキパッドがブレーキローターに接触し、制動を発揮したところまで追いかけてのチューニングが必要であると言う。

その点が右足でのブレーキ操作と違うのだそうだ。右足だと、ブレーキペダルをいきなり踏みつける操作が普通で、ブレーキ液圧が上がり、パッドがローターに押し当てられる状態での評価、性動力となるようだが、左足であるとそれが違うと言う。

ここのチューニングが難しかったと言う。
 
ではそのクルマは何かと言うと。10年以上前に発売されたスバルレガシイ・アウトバック初代モデルである。

余計なことだが、このあたりからスバルのブレーキが良くなったように思う。