研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2012年5月31日木曜日

バッテリーの性能が低下すると燃費が悪くなる?!

バッテリーを新品にしたら燃費が良くなったということは、裏を返せば性能低下したバッテリーを使い続けると、燃費が悪くなる、と言うことになるわけだ。

実は、面白い体験をした。これまで気にもせず、気にしようとも思わなかった状況に出くわしたのだ。それは、バッテリーを新品に交換した直後の高速道路で発覚した。

せがれから譲り受けた先代のホンダフィット。そのときから高速走行での平均燃費は一度も20kmを超えたことはなかった。19.8kmが最高で、それも100km/hキープを心がけての話だ。

最近では高速道路でも平均燃費は18.5kmと言う数字が普通だから、エンジン性能が落ちてきたのかな~と思っており、ケミカル処理など何かの対策が必要かもしれない、と言う判断をしていた。

ところがである、バッテリーの性能が低下してきており、セルを回す瞬間に、一瞬遅れることが1年ほど前から頻発するようになった。何時まで持つのか少し気になりだしたのだが、近いうちに車検もあるので、この際だからと、6年使ったバッテリーを新品にした。

その状態での高速道路で目を疑う平均燃費を表示した。特別飛ばすわけでもなく、またマイペースということでもない。100km/hプラスで走るクルマを見つけ、ペースメーカーとしながら走るやり方。

何と、いとも簡単に20kmを越えて21km近くまで上昇(写真では20.4kmであるが)。高速ばかりではなく、帰りは一般道走行が70%ほどで、更に標高1500mと言う峠などの山坂を走行してきても、自宅に戻ったときでさえ20.3kmの平均燃費だったのだ。
20.4kmと言う平均燃費はその後更に上昇して21km近くまでになった。正直びっくりである。その要因は直ぐに判断できた、出かける数日前にバッテリーを新しくした。それ以外何もしていない。だったらそれだ 

何故このような現象が生まれたのか考えてみると、それは、オルタネーター(発電機)に対する負荷が少なくなった結果であると考察できる。

バッテリーの性能が低下すれば、充電量を常に確保するため発電量が増える。つまりオルタネーターの負荷が持続する。そして燃費が悪くなる。

ただし、最近のクルマでは電流センサーと言うものを取り付けて、どれだけ電気を使用したかを測り、その使用した分をバッテリーに充電する、と言う制御が加えられているので、同じような状態とはならないかもしれない。

実際に、使用していたバッテリーと新しく購入したバッテリーで、どの位オルタネーターの負荷が違うか、電流計などを装備して確かめたかったのだが、使っていたバッテリーは既に処分してしまった後だったので、残念。
新しくしたバッテリーがオルタネーターの負荷を減らし(というよりも正しくし)、その結果が燃費を本来の状態まで戻した、と言うのが正しいだろう

そういえば、バイクのバッテリーも新しくして、マフラーを抜けのいいものに交換。燃費が悪くなるはずだったが、走行条件が良くなかったのに燃費はこれまで以上ということがあった

2012年5月19日土曜日

熱海のトラック事故・原因を考える

熱海のトラック事故はブレーキが効かなくなったことからの暴走と言うのだが、その原因追求が少し不足していると感じたので、私なりの見解を述べてみたい。

まず最初にやることは、ドライバーからの聞き取りだが、ブレーキペダルを踏む感触がどのように変化したのか、或いは変化しなかったのか。それによって原因は違うからだ。

ブレーキペダルを踏む感触が普段と変わらないのに、ブレーキが効かなくなったとすると、これはブレーキの使いすぎによるフェードと言う現象で、ブレーキパッドやブレーキライニングの表面が高温となって燃え出し、炭化することで(カーボンだから摩擦が小さい)ブレーキが効かなくなる。

中型トラックではフロントにディスクブレーキを装着していると思うが、ブレーキの冷却性に優れていても、ブレーキパッドのフェードは別の話。

もし、ブレーキペダルを踏む感触がフワフワで、しっかりとした状態でないとしたら、これもブレーキの使いすぎによる、ベーパーロックと呼ばれる現象。ブレーキは使うことで、そのエネルギーは熱となるわけで、使いすぎれば放熱が間に合わなくなり、ブレーキ液が沸騰する。

沸騰した泡がブレーキペダルからの力をダイレクトに伝えることが出来なくなり、俗に言うスポンジー状態で、ブレーキは効かない。

ブレーキ液の沸点が下がる原因は、長期に渡る使用により水分を吸着することによって起きる。そして、ブレーキ液が沸騰した形跡は、冷えることで泡が消えるため、そのままでは検証できない。使用していたブレーキ液の沸点テストをすれば判断材料となるが、断定は難しい。

ディスクブレーキをフロントに装着していれば、それなりに熱に対して強くなるが、それも確実に整備されていての話だ。

ブレーキペダルを深く踏めば何とか制動するが、普段のようなブレーキではないとすると、これはブレーキ系統のブレーキ液を送るパイプやホースに亀裂や緩みが生じて、ブレーキ液が漏れているためだ。

クルマのブレーキは、基本的に2系統であることが義務付けられており、FF車ではX配管で、例えば左前輪のブレーキパイプが破損してしまった場合、右前輪と左後輪にブレーキが作用する。トラックやFR車では前後で2系統となっている。

もちろんこの状態となると、何とか止まれる性能を残すだけで、連続した下り坂を、気にせずにブレーキペダルを踏めば、当然ブレーキは効かなくなる。

ただし、ここでの問題は、どのようにしてブレーキ液が漏れたのかと言うこと。接触事故でも起こさなければ(ブレーキ周りを岩などにぶつけるような)、配管が破損することはない。

だとすると、車検や直前の整備はどうだったのか。メカニックのヒューマンエラーはなかったのか。更にブレーキ液の交換は正しく行われていたかどうかも検証する必要がある。

ブレーキ液を交換しないで使い続けると、耐温度性能が低下し、沸点が下がりベーパーロックに繋がるからだ。かなり前の話だが、バスのブレーキが効かなくなった原因は、ブレーキ液の定期的な交換を怠ったためである、という。

また、このトラックはディーゼル車だろうから、そうなるとブレーキの助勢装置として作動させるブレーキブースターは、ガソリン車(全てではない)のように吸気管に発生する負圧を利用することが出来ないので、別にバキュームポンプを装備していたはず。

このバキュームポンプは正常だったのだろうか。

もし、ブレーキペダルを踏む感触が、まるで石を踏みつけているように硬く、ほとんど踏み込めていないとすると、バキュームポンプの不良が考えられる。

このバキュームポンプがどこに装備されていたか知らないが、小型トラックなどではオルタネーター(発電機)の後部、或いは前部。つまりオルタネーターにビルトインされている。

そのオルタネーターは、ベルトで回されるので、そのベルトが切れれば、負圧が作れず、ブレーキペダルを力いっぱい踏んでもブレーキは効かなくなる。

ガソリン車でも試しに、エンジンを停止させた状態で、ブレーキペダルを数回踏んでみると分かる。踏むたびに踏み込める量が減少し、ついにはペダルがほとんど動かなくなる。つまり、この状態ではブレーキは効いていないのだ。

2012年5月7日月曜日

充電式電動ドリル兼ドライバーのバッテリーは何故高い

バッテリーパックを分解すればバッテリーだけ・・・できるかな

便利なパワーツールと言える電動ドリル兼ドライバーは、ホームセンターで購入したときには安く使えても、年月と共にバッテリーがヘタル。そのバッテリーを単体で購入しようとすると、ディスカウントしている同様の電動ドリル兼ドライバーが買えてしまうぐらい高い。

何故なのだろうか?電気剃刀の刃と同様だな。セットだとそこそこ安いのに、一部の部品がものすごく高く、セット購入を促す作戦なのだから。

この際思い切って新しいものを・・・と言う気持ちにはならない。仕事で使っているのなら、モーター自体も効率が落ちているだろうが、年に数回使うか使わないかの状態で、新しいものを購入する気はさらさらない。バッテリーを何とかしたいのである。

セットで購入するとたいていバッテリーパックは2個付属してくる。これは我が家にあるものも同様で、ひとつのバッテリーが完全にダメ状態になってしまったのだ。

不良となったバッテリーと充電式電動ドリル兼ドライバー。バッテリーパックだけを買おうと思ったら、あまりにも高価なのであきらめかけていた

メーカーのサイトで調べてびっくりの価格だったので、しばらくあきらめていたが、バッテリーひとつというのは使い勝手が悪い。

あるとき、何気なくバッテリーパックを見ると、ねじで組み立てられていることに気がつく。そこで分解。

特別ややこしいものではなく、中からバッテリー8個と本体との接続端子が取り外せた。

バッテリーパックを分解してみると、使用しているバッテリーが何であるか分かった。同じものを購入して配線を付け直せば解決だが・・・

バッテリーを調べると、ニッケル水素ではなくニッケルカドミウムである。ニッケル水素にしようと思ったが、サイズが合わないので、変更は出来ない。ちなみにサイズを測ってみると長さ42mm、直径22mm。これで選ぶとSCサイズ・KR2000SCになる。この情報は、秋葉原の秋月電子で調べ、ついでに購入する。1本250円、8本の9.6Vだから2000円だ。

購入したニッカド・バッテリー。SCサイズ・KR2000SCと言う名称だそうだ。秋葉原の秋月電子で購入。1個250円。9.6Vなので8個必要

問題は、外装がステンレスのバッテリーをどのようにして接続するかであるが(一般的にバッテリーパックの接続はステンレスプレートをスポット溶接している)、ステンレス用の糸ハンダを使えばいいのである。

使用していたバッテリーと形を比べる。間違いなさそうだ。これをハンダで配線する。ステンレスの外装であるため、専用のハンダが必要

もちろん使用するハンダごては容量の大きなもの。60~100Wを使いたい。容量が小さいと、こてを対象物に当てて置く時間が長くなり、その時間によって対象物が高温の影響を受け、不良になることもあるからだ。つまり、出来るだけ短時間でハンダ付けしたいのである。そのためには大きな容量のハンダごてが必要となる。

以前購入してあったステンレス用の糸ハンダと100Wのハンダごてを使う。電子配線用の小さなものでは役に立たない

まず最初は、購入したバッテリーのプラスとマイナス部分に、ハンダを流すことである。800番ほどの耐水ペーパーで表面の汚れを除去し、ハンダごてを当てながらステンレス(一般のハンダとしても使える)用の糸ハンダをその部分に押し当てる。すると、パチパチという音と共にバッテリーにはハンダが流れる。

まず最初は、バッテリーの接続部分にハンダを流す。しっかりとハンダが流れていれば、きれいな形になるはず

ハンダごての方にハンダを流しておいての作業はうまくいかないようだから、同時進行するべきだろう。糸ハンダに含まれるペーストが作用する状態が重要ポイントである。

バッテリー間の接続は配線コードを使う。このコードにもハンダを流しておき、そのコードをバッテリーに押し付けながら、こての先端にもハンダを流した状態にして、できるだけ短時間でハンダ付けを終了させる。

古いバッテリーからモーター側の接続端子などを取り外し、それを再利用する必要があるので、ニッパーなどにより切り剥がす。温度センサーが付いているので、これも元のような状態に接続し直す。

全ての配線をつなげたら輪ゴムでバッテリーの位置を固定してから、ケースに対してスムーズに収められる位置を探して押し込む。後は、内部ショート防止のスペーサーを入れて、ねじ止めすれば完了

組みなおしたバッテリーがズレないよう、輪ゴムなどを巻いておくと作業性がいい。この状態でバッテリーケースの中に押し込み、更に、内部ショートを防ぐスペーサーがあるので、これをしっかりと両面テープを使って固定してからねじを締めて終了。充電の開始である。

充電後に回転テスト。全て問題なく再生した。他にも同様な充電式の電動ラチェットレンチがあるので、これも再生してみたくなった