研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2018年9月18日火曜日

メガーヌ ルノー・スポール こりゃこれまでのスポーティハッチバックと違うぞ


何がって、245/35R19と言う幅広いタイヤを履きながら、なんら違和感を覚えない、普通のセダン感覚の走り。更に、サスペンションの作動にストレスが無いのだろう。路面の荒れたところでも細かい振動はあるものの、ドタバタ感はない。

そして、ここまでくれば当然のことなのだろうが、走行ノイズが、また少ない。245/35R19と言うサイズのタイヤを装着していれば、パターンノイズと称する騒音が、室内まで響き渡って当然なのだが、それがないのである。

今のトレンドは5ドアのハッチバックであるということから、そのものを取り入れて開発された
 
シートを通しての上下動、細かい振動がドライバーに伝わらない(レーシングシートのようなバケットタイプを標準装着しているが)ので、年寄りドライバーが長時間、長距離高速走行をしても、疲労は驚くほど少ないだろう。(経験上)

ルノーが5ドアのハッチを具現化した背景には(これまでは3ドアだったのだが)現在のトレンドが、5ドアであると言う状況から考え方を切り替えた結果だ。

もちろん乗り味を最高のものとするため、サスペンション周りにも手が加えられている。初代メガーヌ ルノー・スポールから採用されているものを更に熟成。ダブル・アクシス・ストラット・サスペンション(DASS)と呼ばれるもので、ステアリングアクシスがストラットに頼らない構造。そのため、サスペンションの構造に制約を受けることなく、理想的な作動アライメントを引き出せる。もちろん作動中の変化も、ドライバーが必要と感じる状態で、素直にタイヤが向きを変え、更に素直なキャンバースラスト効果によって、気持ちの良い高速コーナリングが、コーナーの大小に限らず体験できるのには、完全に脱帽である。

メガーヌGTに比べてフロントを60mm、リヤを45mm広げたフェンダーは、これまでにない安定感を生み出した
 
この素晴らしいコーナリング性能には、4WS方式が大いに関係している。方式としてはルノー メガーヌGTに搭載されているもので、更に熟成度を高くしているのは当然の話。レースモードを選択しなければ、時速60キロで変化する。60キロ以下であるとリヤは逆位相になるが、それも速度によってその角度は最大1度。また、60キロ以上では同位相制御で、最大2.7度の角度変化が起きる。ステアリングホイール操作の角速度から、どのようにRSを走らせているか、走らせたいのかを検出し、作動角度を割り出すのだ。

日本でもこれまで4WSを積極的に採用(日産自動車)されていたが、特殊なクルマを除いてあまり謳い文句にしなくなった。でも、ルノー・スポールでは違う。

センター排気となっただけではなく、ディフューザー効果を最大限に発揮する形状で、ダウンフォースを高めている
 
扁平率が高いタイヤながら、その悪さを出さないための工夫として、ショックアブソーバーがある。ショックアブソーバー底部に組み込まれた機構で、そのオリフィス変化によりフルストローク時の減衰力を高くしようというもの(日本の萱場製だと聞いた)。バイクのフロントサスペンションに採用されるテレスコピックフォークの構造は正にこれで、バンプストッパーを取り付けられない構造のため、ボトム付近での減衰力を高くすることで、金属同士が当たる底突きを防いでいる。ルノー・スポールはその構造を更に高めたものであると判断した。

1.8リッターターボとなっているが、その特性と性能に不安を覚えることはない
 
そして、エンジンについても見直しが図られ、これまでの2リッターターボから、1.8リッターターボに変更。排気量が小さくなっても、パワフルで扱いやすく、必要以上に振り回されることがない。常にアクセルペダルと一体と言う感触が沸きあがる。

文句なしのドライビングポジションは、ツーリング走行でも不満のでることはない。バケットタイプのシートはこれまた素晴らしい
 
変速機はもちろんツインクラッチ方式の6EDCでゲトラグ社との共同開発であるという。機構的に素晴らしいのは当然だろうが、問題はそれに関わる制御。このことも素晴らしく、常にドライバーの意思を繫栄させるプログラムを選び出す。更に、走行モードが5個あり(ルノーはこのようなことが好きで、それに長けているとも言える)ドライバーの好みで選べるが、コンフォーとかニュートラルで十分だ。

パドルシフトを思いのままに使用でき、つながりの良いギヤチェンジはまるでCVTを操作しているかのように反応する。もちろん自動でのギヤシフトでも十分に走行を楽しめることは確かである。



2018年9月16日日曜日

ATFの交換方法について、ややこしいがそれなりに効果のある交換方法をレポートしてみた その③ニッサン推奨方式もある


正しい量のATFが注入されていたことを確認したら、抜いた量だけを入れ替えると言うことは重要で、そのためにはニッサンがサービスマニュアルで説明していた方法も良い。それは、ATFのクーラーライン(ATFの温度管理する熱交換ライン。エンジンラジエターにビルトインしているものや、完全に空冷としたものがある)に繋がるホースを取り外す。エンジン始動で排出する側にホースを繋ぎ、それをオイルジョッキなどに入れる。

これでエンジンを始動させるとATFが排出されるが、その排出された量をレベルゲージ(ここから新油も入れる)から注入すると言うもの。完全に出し切ってしまわないことが重要。

クーラーラインにはAT内部に存在するATFの大半が通過する構造となっているので、残量が多いトルクコンバーターやバルブボディに溜まっているATFの一部は押し出されることになる(アキュムレーターはATを作動させないとATFは出て来ない)。

この方法は、排出させた分だけを同時に継ぎ足す、と言うことが重要で、排出が止まってからであると、ATF通路に空気が入り込み、新油を入れてエンジンを始動し、走行させたときにたときにその空気が圧縮され、暫くするとその空気で出来た泡が破裂し、それによってバルブボディなどの通路に溜まっているスラッジが浮き上がる。このことによって一時的にジャダーなどの発生が起きることが有る。

そのため、入れ過ぎは気にせずに、多かったら、レベルゲージの穴からホームセンターで販売されている注入器などで吸い取る方法が良い。

2018年9月14日金曜日

ATFの交換方法について、判断間違いがあるようなのでレポートしてみた その②オイルパンを取り外して内部を点検


走行距離がもう少し長い場合には、オイルパンを使用している車種なら、このオイルパンを取り外して、中の状況を見たほうが良い。見る部分はオイルパン底部に有る磁石。ここに金属粉が吸着しているのは仕方がないのでが、金属片となると話は別で、その金属片がどこからやってきたものかを確かめる必要がある。でも、その確かめはほとんど不可能だから(完全に分解しないと見極められない)、金属片が出たと言うことだけを頭に入れて使用するしかない。

更にバルブボディに取り付けられているフィルターも取り外し、フィルターの目詰まりも見る。ここにクラッチ板の破片やごみが張り付いていたら、これも要注意となる。

ホンダ車ではオイルパンの付いていない車種もあるので、その場合には、フィルターの交換や点検も出来ない(分解しないと出てこない)のであきらめるしかないのだが、そもそもそのようなホンダ車は、変速機機構が他の車種と違う。

一般的なステップATでは、遊星ギヤや湿式多バンのクラッチ、ブレーキバンドなど、各種の摩擦や高速回転するギヤなどが組み合わされており、その構造から磨耗粉が発生しても仕方がないが、オイルパンを持たないホンダ車は、遊星ギヤはなくブレーキバンドもない。

変速ギヤの方式は、遊星ギヤではなく常時かみ合い方式を持つマニュアルミッションの、シンクロ機構部分にクラッチ機構を持つと言うもので、それぞれのギヤにあるこのクラッチを制御して変速すると言う構造だから、ATFの中に磨耗粉の混入は少なくて当然。そのためオイルパンを持たないと考える。

新しいATFを注入するときには、注入量がハッキリとしないので、おおよそで注入して、充分に走行させAT本体とATFを完全に暖める。その後、ATFのレベルを計るのだが、アイドリング中で、サイドブレーキをしっかりと利かせ。ATセレクターをゆっくりとPRNDⅠⅡなど、全てのポジションへ持って行った後に、レベルゲージを抜き、再度差し込んで、レベルの確認をする。以下次回

2018年9月6日木曜日

ATFの交換方法について、判断間違いがあるようなのでレポートしてみた その①


ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)は交換の必要はない、と言う開発者やオーナーが居る。確かに交換無しで20万キロ走行しても破損することは無いようだが、変速シフトの快適性については走行距離と共に低下する(つまりATFの劣化など)。快適性が失われてもかまわないと言うことであるなら、あえて交換を薦めない。

快適に最後まで使用したいのであるならATFの交換はするべきであると思う。ドレンプラグ(ついていない車種もあるがそれは除く)から排出させての交換では、走行距離としては5万キロが目安と判断している。

ただしエンジンオイルのように、エンジンが暖まっているときに排出させるのではなく、一晩経ってからドレンプラグを外すこと。その意味は、AT内部に入り込んでいるATFをオイルパンに戻る時間を稼ぐためだ。

エンジンを止めて直ぐにドレンプラグを外して排出させると、出てくる量の少なさに驚く。そして、いつまで経ってもドレンプラグの穴からタラタラ滴り落ちる。滴り落ちる量は半端ではないが、自宅ガレージに余裕があるのなら、その状態で一晩置くというのもOK。ただし、廃油受けの量は大きなものを用意しないと、翌朝・・・

さてここで交換に使うATFの選び方であるが、カーショップで販売されているATFは使うべきではない。それが例え有名石油メーカーやクルマメーカーの名前がプリントしているのもでも、購入しないこと。

この手のATFで購入・使用しても問題とならない時代もあった。それは数十年前まで当時の標準ATFでもあったディキシロンⅡやⅢというATFが使われていたころの話。しかし、制御が細かくなり、動力性能ばかりではなく燃費にも関係してくると、それを満足させるものとして、自動車メーカーと石油メーカーが共同で開発したものが絶対の位置を占める。

例えATの型式が同じであっても、そのクルマに要求されている性能を持っているかどうかがわからないので、純正を購入することに越したことはない。

これを無視して手短なところで販売するATFを使用すると、シフトショックが出たり変速パターンが変化したりする。

ではどのようなATFを購入すればいいのか、というと、自動車メーカー純正のATFである。ディーラーも危ないので、ここは自動車部品商に出向き、初年度登録年月、型式、車台番号や原動機の型式、型式指定番号、類別区分番号を伝え(全てを伝えないと購入できない)、そのクルマ、そのミッションに適合したATFを最低4リッター購入する。

一晩置いてドレンプラグから排出させた場合で、交換量は2~3リッター。ここでどの位のATFを注入するかであるが、それは、排出した量が目安。排出ATFをオイルジョッキなどに移し、おおよその分量を量って、その量をレベルゲージ穴から注入する。

その後、完全暖機の状態を作るため、しっかりと走行させること。熱による膨張率もエンジンオイルより大きいので、ここまでしっかりと条件を同じにしないといけない。また、ATFはエンジンオイルより、レベルについては微妙で、多少少ないには問題ないが、多いと(レベルゲージで2~3cm)プラネタリーギヤなどにかき回され、攪拌抵抗によりATFの温度が上昇。その結果、ブリーザープラグから泡となって噴出す。

走行中はそれでも何とかなるが、停止し一晩経って、AT本体も冷えるとATFも冷え、その結果、AT内部に溜まっているはずのATFは少なくなり、エンジン始動後にセレクターをDとしても直ぐに発進せず、暫く経ってから、と言うような現象も起きる。

もっとしっかりと交換率を高くして作業したい、と言う話は次回に