研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2020年4月29日水曜日

速度が限界近くになるといきなりハンドルが振れ出す、軽量な750ccバイク 現場でのセッティングで直せる状況ではない

バイクとクルマのジャーナリズムの世界に40年余り足を突っ込んでから、現在までにケチやアドバイスをつけた項目数10点 その②

当時としては軽量な750ccの試乗会。テストコースの試乗会なので、速度無制限。直線路の終わりぐらいにある少し出張った部分をアクセル全開(200キロ以上)で通過した瞬間にハンドルが左右にブレ始める。そのまま速度を維持していても、一向に収まる気配はない。
一度振れだすと速度を少し落としたぐらいでは収まらない。

どうやら、エアロダイナミクスが不良で、出張ったところを通過した瞬間の突き上げで、カウルの下に空気が入り込み、浮き上がるせいだと判断。

現場に居たジャーナリストで体が小さいライダーは、カウルの中にすっぽりと入り込めるため、そのようなことは起きないと言う。

そして、なぜ突き上げが発生するのか考えてみた。その結果、非常に軽量に作られていたのに、フロントフォークの減衰力がこれまでのバイクと考え方が同じ、と言う開発者からの話。これでわかった・・・圧縮側の減衰力が強すぎるのだ。バイクが軽量なのだから、それに合わせて減衰力も小さくていいはずだが、当時としては最高速度が高くなる。そして、その状態での安定性を確保したいということから、圧縮側の減衰力をこれまで同様にした。都合の悪いことにその実績もあったし。

減衰力の調整は、フロントフォークにもリヤショックにも装備されているが、我々の試乗会数日前に、海外から来たジャーナリスト達(彼らは日本の皆さんと違って、非常に走り方はエキサイティング)も、身体が大きいので私と同様な症状が出て、開発者が制止するのも振り切り、いろいろとアジャストしたが(しまいにはスプリングも交換したとか)、一向に解決しなかった、という話を欧州に住みモータージャーナリストをしている親しい日本の方から聞いた。

そのバイクは、1985年に発売されたスズキGSXーR750。初の油冷エンジンとしてデビューしたもの。その後はどのように改良したかは知らないが、欧州にも輸出したので、改良されたはずだ。