研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2020年4月29日水曜日

速度が限界近くになるといきなりハンドルが振れ出す、軽量な750ccバイク 現場でのセッティングで直せる状況ではない

バイクとクルマのジャーナリズムの世界に40年余り足を突っ込んでから、現在までにケチやアドバイスをつけた項目数10点 その②

当時としては軽量な750ccの試乗会。テストコースの試乗会なので、速度無制限。直線路の終わりぐらいにある少し出張った部分をアクセル全開(200キロ以上)で通過した瞬間にハンドルが左右にブレ始める。そのまま速度を維持していても、一向に収まる気配はない。
一度振れだすと速度を少し落としたぐらいでは収まらない。

どうやら、エアロダイナミクスが不良で、出張ったところを通過した瞬間の突き上げで、カウルの下に空気が入り込み、浮き上がるせいだと判断。

現場に居たジャーナリストで体が小さいライダーは、カウルの中にすっぽりと入り込めるため、そのようなことは起きないと言う。

そして、なぜ突き上げが発生するのか考えてみた。その結果、非常に軽量に作られていたのに、フロントフォークの減衰力がこれまでのバイクと考え方が同じ、と言う開発者からの話。これでわかった・・・圧縮側の減衰力が強すぎるのだ。バイクが軽量なのだから、それに合わせて減衰力も小さくていいはずだが、当時としては最高速度が高くなる。そして、その状態での安定性を確保したいということから、圧縮側の減衰力をこれまで同様にした。都合の悪いことにその実績もあったし。

減衰力の調整は、フロントフォークにもリヤショックにも装備されているが、我々の試乗会数日前に、海外から来たジャーナリスト達(彼らは日本の皆さんと違って、非常に走り方はエキサイティング)も、身体が大きいので私と同様な症状が出て、開発者が制止するのも振り切り、いろいろとアジャストしたが(しまいにはスプリングも交換したとか)、一向に解決しなかった、という話を欧州に住みモータージャーナリストをしている親しい日本の方から聞いた。

そのバイクは、1985年に発売されたスズキGSXーR750。初の油冷エンジンとしてデビューしたもの。その後はどのように改良したかは知らないが、欧州にも輸出したので、改良されたはずだ。


2020年4月23日木曜日

バイクとクルマのジャーナリズムの世界に40年余り足を突っ込んでから、現在までにケチやアドバイスをつけた項目数十点 その①


大学を何とか卒業してからモータージャーナリズムの世界い入り、評価・提案・ケチなど、数多くの異論を唱えてきたのだが、ケチをつけたことで親しくなった開発者もいる。その結果トップシークレットの情報を交換できるまでの信頼性を得たのも事実だ。

思い出すままに書いてみたので、あえて番号を振り、その内容を解説することにした。何回かに分かれての記事となる。

 

評価の悪い言い方がケチだとしたら、そうなのかも知れないが、そこに正しい評価と問題点を指摘されたことで、それをケチだと言う感覚で捕らえるとしたら、その方の進歩はそこで止まる、と思っているが、いかがなものだろうか?

ケチをつける、これそのものは良いも悪いも評価すると言うことに尽きることで、その評価は真摯に受け取らなければいけないと思う。勿論、その内容がいい加減なものであってはならないが、なぜそのようなケチ(評価)を付けたかと言う、「なぜ」「どうして」が存在したら、これは開発者として聞いていた方がいいし、出来上がったものを煮詰めていく場合に、特になるのだと思う。なぜ特になるかというと、これまで自分達が長い期間かけて開発してきたものを、一瞬にしておかしな状態を発見したわけだから、ものすごく価値があるはずだ。

バイク雑誌の編集者は大学卒業後から行ってきたが(リタイヤするまでの間に自動車のいじり系雑誌に人事異動)、現在までの間にそのクルマやバイク、更にイベントの規則に対してもレポートと共にケチをつけてきた。そのケチの内容を思い出すまま書いてみた。順番はいい加減であることをお許しいただきたい。また、その内容はかなり前になるので、その当時を思い出しながらの話となるため、途切れ途切れとなることを了承して欲しい。

数多くのバイクやクルマ、そしてイベントに対してケチをつけてきたが、そのケチを糧に改良されたものも多くある。そして、他のジャーナリストの方と違うのは、自分で手を加えて改良できそうだと判断したら、実際に行動を起こす技術力を備えていた点だろう。

ではまず始めにこんなことから・・・

1、アイドリングが安定しているのに、アクセルを少し開けた瞬間に回転が低下し、場合によってはエンジンが停止する125ccのシングルロードスポーツを借り出して試乗していたが、このような調子で楽しく試乗できない。キャブのアイドル調整をやるが結果はでない。アトマイザープレート!!!などと言う変なものを吸気通路に取り付けたからなのだろうか。何が悪いのか、エアクリーナーを外し、スロットルバルブが見える状態に、エンジンをアイドリングさせながら、スロットルバルブを指で軽く押すとエンストした。指で軽く押した状態でエンストしないようキャブを調節し、安定したアイドルからスロットルを開けるときれいに回転は上昇する。

この状態を分析すると、スロットルバルブの径が小さく、アイドリング状態ではスロットル・ストップ・スクリューに、組み込まれたリターンスプリングによってスロットルバルブが当たることで、スロットルバルブの自由度はなくなり、スロットルバルブとシリンダーにクリアランスが生じ、そこから必要以上にエアが吸われると判断した。その吸われるエアの量に合わせるためには燃料を多く供給しなければならない。しかし、スロットルを少し開けた瞬間に、スロットル・ストップ・スクリューの規制から解放されたスロットルバルブは、エンジンのバキュームによって燃焼室側に引かれるため、スロットルバルブの下を流れる空気の量が変化し、そのときにはガスが濃くなるので、不調・エンストとなる。

このバイクは1975年に発売されたCB125JXで、キャブレター製造か設計不良。スロットルバルブがスルットルシリンダーに対して、小さすぎたため、スロットルバルブとスルットルシリンダーのスライド部分から空気を吸う事で、アイドルから少しスロットルを開けたときの空然比が変わり、エンストする。

これの原因を究明した結果は、広報部を通じて開発責任者に連絡してもらった。後日、その方からお礼の連絡が届いたのはいうまでもない。

 

 

2020年2月27日木曜日

新型ハスラー試乗記 新型ハスラーは旧型以上に上質な走行感を醸し出していた



新型となったスズキハスラーだが、ライバルをどこに設定したのか、なんとなく分かった。それは、ホンダNワゴン!!!?。

ターボ仕様の新型ハスラー
新エンジンが搭載されたNA仕様
なぜかと言うと、運転席に座ってドアを閉めたときに「これまでとは違う閉まり音」を聞いたからである。

ただしこれで上質に出来ているとは判断できない。次に試したのはドアのガラスを少し下げて、内部のシステムに緩みをもたせたときにどのような閉まり音を発するかである。もし、ドアガラスを完全に閉めたときと変わらないドアの閉まり音であるなら、これは素晴らしいと言うことになるのだが(あるメーカーでは軽自動車でもドアの閉まり音には特別開発時間を掛けて造っており、条件を変えても不快な音は発生しない)、残念にも運転席右後方から聴きたくない音が出る。ストライカーに接するときの音なのか不明だが、開発者にもそのことは分かっているようだった。でも、だからどうだということでもない。

NA仕様のエンジンルーム。なんとなくまとまりがいいのは、CVTの副変速機付きを変更し、それによる油圧ポンプの変更や構造物の改良などが関係しているのだろう
スズキで評価できるのはアイドリングストップからのエンジン再始動で、他社のようにセルモーターではなく、オルタネーターをアシストモーターとして使用する、マイルドハイブリッド方式を取り入れていること。ただし、少し気になることは、停止時からのエンジン再始動で、僅かに「キュルキュル」と言う音が発生することだった。これは気になり始めると・・・アシストモーター(オルタネーター)とエンジンのクランクシャフトを繋ぐVリブドベルトが、僅かにスリップすることで発生しているとしたら、耐久性が気になるところ。

プラットフォームはやっと乗用車らしいものに変更された。新型アルトから使用されているHEARTECTで、それにボディ剛性を高める環状骨格構造と構造用接着剤の採用である
当然のことだが、新しいハスラーを造るとき、プラットフォームは現在販売しているアルトと同じことになるのは予想できた。と言うより、もっと早くアルトと共通のプラットフォームにしないのか、疑問に感じて、関係者にも話をしていたのだが、やっとそれが実ったと言えるだろう。

なぜ、アルトと共通のプラットフォームが必要かというと、まずひとつは共通とすることで、クルマの製造コストや製造時間が短縮できる。それだけではなく、ハスラーを走らせたときの挙動に大きく関係するのである。

走行感が上質になることは、いくら軽自動車と言っても無視したのでは、ライバルたちに大きく水を開けられる。ところが、これまでのハスラーは、リヤサスペンションの構造が、エブリイなどと同じようなコイルスプリングとトレーリングアームからなり、横方向の力を抑えるため、ラテラルロッドを設ける必要があった。このラテラルロッドは、サスペンションが大きく作動すると、左右方向へボディが動く状態で、乗り心地は悪い。特に乗用車のようにサスペンションが柔らかくストロークも大きい仕様では、不愉快な走行をリヤシートに座る乗員は感じることになる。

それを一掃させたのが他のメーカーではかなり前から採用していた、トーションビームサスペンションで、左右のサスペンションをプレス構造でまとめることにより、リヤサスペンションに加わる前後・左右の動きをコントロールできる。更にスタビライザーの装着も可能となる。

これによって、乗り心地は格段に向上する。早くプラットフォームの変更をやるべきだ、と唱えていたことはここにある。勿論乗り心地ばかりではなく、コーナリング性能も一段上のものとなって、安定性は大きく向上するのは当然だ。

NAエンジンは新開発で、環境性能を高めるために変更された

こちらはターボ仕様
新型ハスラーでもNA仕様とターボ仕様がある。違いはNAか過給かの違いだけではなく、シリンダーのボア・ストロークが違うのである。

変更したのはNA仕様の方で、目的は環境、特に燃費向上を狙ったものだと言う。大きくロングストロークとし、更にインジェクターをデュアルとするシステムに変更。ロングストロークによるピストンスピードの向上と合わせ急速燃焼を実現できた。また、圧縮比を高くしたが(トルク、出力、燃費も良くなるが)ノッキングが発生する前に素早く燃焼させることで、熱効率を上げた。

NAのエンジンは新設計となったが、旧エンジンよりも出力・トルクとも下がっている。出力は52ps⇒49ps、トルクは6.4kgm⇒5.9kgmなのだが、この数字をそのまま性能差と判断してはいけない。最大トルクだがその最大値を発生する回転数が違う。4000rpm⇒5000rpmに変わったことは性能として大きい。さらに、最高出力に関しては、最大値の数値ではなく、その回転までどの位の時間で達するかが重要。例えば、100psエンジンが有ったとして、その性能を発揮するまでに10秒掛かるエンジンと、80psのエンジンは5秒でその回転まで達するとしたら、80psのほうが速いということになるわけだから、一概に数字だけで性能判断は出来ない、ということ。更に過渡特性も重要であることを付け足しておきたい。

副変速機の採用を取りやめたCVT。これにより全体としてコンパクトとなり、更に伝達効率もアップした
CVTも変更された。これまでは副変速機つきとして、ワイドレンジを売り物にしていたが、今回から、すでに昨年から発売されているニッサン三菱(NMKV)の軽自動車で採用されているもので、副変速機を取り外したことにより、伝達効率が上がり変速時の不快な感じからも開放され、スムーズに加速・減速ができる。これも上質を感じさせる一因だろう。

また、スタートダッシュの速さにおいても、NA仕様はこれまでにない性能を発揮した。0⇒50km/h加速を普通にアクセル踏み込みでターボ仕様と感覚的に比較しても、NAのほうが速くないか?と感じさせる節もアル。これはスズキ特有のマイルドハイブリッド効果がかなりあるようで、使用されるISGと高性能リチウムイオンバッテリ-搭載により、モーターのアシスト範囲は大幅に向上。

これまでは85km/hまでだったものが、100km/hまでに拡大したことは、運転する上で、余裕と静粛性を期待できる。

逆に、アクセルの踏み込み量より、感じる加速感は強いようで、スロットルを開く角速度制御が(電子制御スロットルは当然で、フライバイワイヤーである)少し敏感すぎる結果かもしれない。もう少し穏やかでもなんら問題はないはず。

書き忘れていたことが2点有ったので追加します。
ひとつはハンドル操作が走行中でも重さを感じること。軽快感がなくなる感じで、狭いところをスイスイ走り抜けるのは、慣れが必要。これまでのスズキ車では感じなかった点である。そのため開発者から、「ハンドリングはいかがでしたか?」と言う質問に対し、ハンドリングを確認するまでに至らなかったことを伝えた。
もう1点は、クルマの幅をこれまで以上に感じること。走りながら、何がそれを感じさせるのか検証すると、ボンネットの左先端位置だけではなく、左右バックミラーの位置や形状も関係することが分かった。この2点については開発者もなんとなく分かっていたようで、もしかすると変更されるかもしれない。

2020年2月1日土曜日

旧車のモトクロスを見に行った マシンは旧車ライダーも旧者



埼玉の川越入間川にあるモトクロス場、モトクロスビレッジでは、年に数回、主催者が違う旧車のモトクロス大会が開催されている。

このモトクロスを見に行く理由、と言うよりも魅力はと言うと、市販状態からレーサー(市販モトクロッサー)よりも、大小さまざまのバイクをモトクロス走行が出来るようオーナーが改造し、それを目一杯走らせて楽しんでいるからだ。同窓会的な意味合いもある。

改造と言っても様々で、タイヤをモトクロス用に交換し、ドライブスプロケットを小さく(或いはドリブンスプロケットを大きく)しただけで、マフラーやそのほかには一切手も加えていないバイクもある。それで十分なのだ。

小さいものだと50cc、大きいものだと1000cc近い。勿論一緒に走るわけではないので、それぞれのクラスの中で十分に楽しめる。

走る姿だけではなく、その排気音も魅力がある。特に4ストローク2気筒の大排気量バイクは、低音の腹に響く。旧者人にとってはたまらない魅力を覚えるサウンドである。

そんなモトクロスの会場で見たマシンを撮影したが、ほとんど趣味的な状態での選び方だから、全てを画像化していないことが悔やまれる。

 











2020年1月25日土曜日

発進時や駐車場内での走行は、ATならアイドリングのクリープ走行が安全なのだが



条件が同じならATに限らずMTでもアイドリング走行をした方がいいし、アクセルを踏んでいない分だけ余裕が生まれるのではないだろうか。

アイドリングで発進し(MTでもアクセルを踏まず)、余裕を持って走行することで、その後に起きる突発的な事件事故でも、パニックに陥ることは少ないと考える。MTでこれが普通に出来るようになるのは簡単ではなく、気を使ってアクセルとクラッチの操作が必要となる。エンジンが1000回転そこそこであるから、当然トルクは少なく、その回転があまり下がらないようにクラッチ操作しなければならないのだから。
 
なお僅かな上り坂での発進となれば、エンストしないように普通の操作が優先するのは当然のこと。

この、アイドリングでアクセルを踏まないでのスタートやその後の走行は、教習と言う意味合いを持つ必要はなく、教習所や周りに何もないところで何回か経験すれば、それがいとも簡単に出来ることを体験すれば、周りの歩行者やクルマ、バイク、自転車などに対する威圧的な感触は少なくなり、他人からの見た目もスマートに写るはず。

ところで、あるスーパーマーケットの駐車場で、妻が買い物をしている間に、クルマの中から周りを走るクルマを、なんとなく観察していると、一瞬緊張でビックリしするような走り方をするドライバーがいたり、穏やかで静々と走らせるクルマも見られた。

当然、穏やかに走らせているクルマのドライバーは、周りを十分に観察する能力にあふれているため、実にスムーズで周りの背景になじんでいるように見える。そのため、いきなり人がクルマの前に出てきても、びっくりして急減速をすることや、クラクションを鳴らすこともなく、周りの歩行者の動きと自然に同調している。

このように穏やかな運転を出来る人は、きっと暴走事故等には縁もないのだろう。そう考えると、駐車場内での走行の仕方で、その人の性格がわかるような感じである。これは、何も男性ドライバーに限った話ではなく、女性も同様である。

そして肝心なことは、発進時において、ブレーキペダルから足を離したとたんにアクセルを踏むと言う行為ではなく、ブレーキペダルから足を離して、クリープ走行を数秒間やってから、改めて走行するためにアクセルをゆっくり踏む、と言うことを習慣にしておけば、いきなりスタートダッシュしてパニックとなり、同時にブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違える、と言う事故が発生しにくくなるのではないだろうか。

2020年1月6日月曜日

75歳以上の高齢者は、運転免許更新時に、運転技能試験を行ってはどうか、と言う案が出始めた 大いに結構・ぜひ実現して欲しい



高齢者の運転するクルマの事故が多い、と言う話が出るたびに(実際には、年齢と運転暦、運転頻度などを係数として入れないと、正しいデータは出ないと思う)75歳以上の年齢になったら、運転技能試験を行ってはどうだろうか、と言うような話が出ている。今現在実施している高齢者講習とは違う高度なもの。

これについては大いに賛成。しかし、どのような運転技能試験を行うのだろうか。また、二輪車の場合にはどうするのか。これは正しく決まらないと、まともな運転技能試験は出来ない。教習所の卒業試験や運転免許試験所の実地試験とは違うことは当然のはず。

そこで私がこれまでに考えていた運転技能試験のやり方だが、基本的にはジムカーナに近い走行である。数本のパイロンを置いて、きめられた方向の走行を行う。パイロンスラロームではない。勿論、通過すればいいだけではなく、決められた時間内にゴールしなければならない。決められた時間と言っても素早い判断と操作が必要なだけで、コンペティションではないのだから、普通の時間を設定すれば良いだけ。

このように緊張、パニックに近い走行を要求されると、人間は本性が現れる。それによって、運転技能が分かるのではないか、と言う話。教習所や運転試験試験場の実地テストは、速度はある程度(コース上に速度標識がある)出せばよく、とにかく決められたコースを脱輪せず、ポールに接触せず走りきれば良いだけなので、それでは技能の上下が露呈しない。

実際に公道に出れば、そこで発生する決まりごとではない状況に対して、的確な操作は何も増して重要だからだ。そうすると、タイヤが多少キーキーと音を立てるようなことになるかもしれないが、それは減点の対象にしない。逆に考えると、タイヤが悲鳴を上げるような走らせ方を、冷静かつ普通に出来るような人は、評価を高くしてもいいぐらいである。

2019年12月3日火曜日

自動車教習所の救済事業?!!!に強制参加してきた



最近、年寄りの事故が多いから、と言う理由で、突如でてきたのが高齢者講習。75歳以上となると認知機能検査までやらせられる。70歳では高齢者講習だけを受けるのだが、この講習料金は5600円。自動車教習所で3時間ほど拘束される。

70歳になると呼び出される高齢者講習状。自動車教習所で行なわれるが、講習と言う名目の内容がお粗末。何の役にも立たないというのはいいすぎだろうが・・・
 
認知機能検査は750円だから、たいした収入にはならないが、75歳以上の高齢者講習は認知機能検査の点数状況によって、教習所で行われる高齢者講習の金額も時間も違ってくる。

認知機能検査で0~48点の人は警察から後日連絡ハガキが届くので、医師の診断書の提出が求められる。

この呼び出し状が認知機能検査まで含めたもの。正直に言って、この認知機能検査だけで認知障害があるかどうかを判断するのは難しい。と言うより無理
 
49~75点の人は3時間の高齢者講習を受けなければならない。この料金は7950円。

76~100点の人は2時間の高齢者講習を受ける。この料金は5100円である。

なお、認知機能検査は何回でも受けられるということだが、その時の結果で判断されるので、前回のほうが良かったから、それにして欲しいと言う話は受け付けないそうだ。
 
無事76~100点の認知機能検査結果となっても、5100円支払って、高齢者講習を自動車教習所で受けなければならない。それまで自動車教習所に一度も行ったことがない(免許は飛び込みの一発で取る)人物でも、助手席に乗る教官の言うことを聞いて、その通りにクルマを走らせる必要がある。

でもこれって、若者の自動車離れから来る事態を考えると、自動車教習所に来る人が少なく、経営が思わしくないので、少しでも経営に手助けが出来るよう考えられたシステム??と思ってしまうのは、歳を取りすぎたからか。

自動車教習所での運転をさせるのなら、10本ほどのパイロンを置いて、そこを指定時間以上の、できるだけ速い速度で走り抜ける、と言うような運転基本操作を求める指導があってもいいのではないかと思う。

そう考えていたとき、知り合いの私より先輩の方は、パイロン走行試験をやったそうで、最初はゆっくりと指定されたように走らせ、3回目(やってもいいという了解を得た)には、タイヤを鳴かせるような限界走行をしたそうだ。

こんな教習所の考えは素晴らしい。

こんな終了証明書をくれる。これを免許更新のときに提出すれば、改めて更新時講習を受けなくてもいいらしい


2019年11月23日土曜日

RJCカーオブザイヤーはこれで決まった



私が所属しているRJCであるが、毎年カーオブザイヤーを決めている。

今年も最終テストデー(確認やノミネートされたクルマをしっかりと試乗出来なかったときにも役立つ)が、ツインリンクもてぎの外周路の一部を使って行われた。


外周路といっても、速度制限のある場所とそうでないクローズ部分があり、クローズ部分のコースでは、タイヤが悲鳴を上げるような走り方や、あえて不安定な走らせ方をして、そのクルマの素性を引き出す行為をする。

今年のピットは少し寂しい。モーターショーの関係もアルだろうが
 
とは言うものの、短時間の走行でそのクルマの素性が分かるはずもなく、ピットでの関係者から聞く話を参考にしながら評価をするのだが、その前に重要なことは、自動車メーカーやインポーターの広報活動である。カーオブザイヤー(国産、インポート、テクノロジーがある)を取りたい関係者は、それなりにアクションを起こしてくる。私は、それをロビー活動と呼んでいる。

新しいエンジンも展示されるので、それに対するテクノロジーは興味あるところ。すでにモーターショーでお披露目済みだが
 
このロビー活動は重要のようで、同種のクルマでもその採点に違いが出る。私が感じるところでは、MNよりHのほうが優れていると思うのだが、大多数の会員の意見は違うようだ。

無記名での投票を読み上げる。ノミネートは6車種なので、最高点は6となり5,4,3,2,1と続く。この配点方法は私は反対であるが・・・
 
こうしてその年のカーオブザイヤーは決まるから、テクノロジー以外はほとんど当てにならないと言うことかな~

2019年11月10日日曜日

カチンと来たこと 試乗会などでケチばかりつけるという話を小耳に挟んで・・・



ある集団の集まりに中で「こいつ(つまり私のこと)は、クルマでもバイクでも開発者にケチばかりつける、と言う話が流れてきた。そのときは、そこに大勢の関係者がいたので、その言葉に対する反論はしなかったが、後でよく考えてみると、そのことを述べた自動車メーカーに対しては、数多くの欠陥(欠点ではない)に対する問題点を指摘し、どのように改良すべきであるかと言う話をしてきたのだが、「ケチばかりをつける」と言う言葉を聞いて、本当にがっかりした。

良かれと思って発言したことを、「このやろう・・・」的な気持ちで聞いていたとしたら、がっかりと言うより、あきれるばかりであるからだ。

なので、その自動車メーカーに対しては、今後欠点・欠陥を見つけても、一切話をしないことにした。お金をもらって試乗しているわけではないし、欠陥を報告しなければいけないという義務もないからだ。

人が造る物は全てにおいてパーフェクトではない。開発の途中で時間に追われ「このあたりでよしとするか」と言う感情は自然と沸いてくるばかりではなく、人間のセンサーが研ぎ澄まされていなければ、すべての人間に対して、納得できるものは完成しない。

まして、開発では常にそのものに接しているわけで、そうなると欠点や欠陥を見誤ることも出てくる。だからリコールが花盛り???となってしまうのである。リコールとならなくてもユーザーが気が付き(欠点・欠陥を発見しても販売店では相手にしてくれなかったら・・・)その問題点はいつの間にか全ての関係者が知ることとなり、それを収集するのに時間と金が掛かる。

そのようなことから、真摯に初めて乗った人間の(勿論、性能をしっかりと出せる人物であることは最低必要条件)評価は重要だと考える。素直にその人物の話を聞いて、直ぐに対応できるものは即手を打つ。これが鉄則で、けちをつけるという感覚だとしたら、そのような人間は開発者として失格であると思う。

これまで、数多くのバイクやクルマに試乗し、瞬間の挙動や不都合を発見し、その都度開発者に意見を述べてきた。

でも最近は、試乗会に参加する機会が少なくなり、正しい判断が出来なくなってきた。また、開発の最前線にいる技術屋さんとの話をする機会も減り、それで良かったのか、少し心配でもある。

2019年9月26日木曜日

欧州でディーゼル乗用車が売れていたことの背景を、燃料の価格が安いから、と勘違いして書いている記者が多いことにあきれる



その文章がこちら

「ディーゼルはガソリン車よりも二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、燃料も軽油を使うため維持費が安い。欧州で根強い人気があったが」

CO2の排出量が少ないのは技術によって達成したことは事実だが、軽油を使うため維持費が安いと言う判断は間違い。軽油は、税金が高く日本と違うから、燃料代は高い。

では、なぜディーゼルに人気があったのかというと、それは燃費が良いからで、欧州の地域を網羅しているアウトバーンに乗ってみれば分かる。

速度が速いことは当然だが、日本のように燃料を販売するパーキングは少ない。

つまり、燃料切れをガソリン車のように気にしなくても済むことは重要である。クルマ選びの筆頭項目にもなるのだ。

アウトバーンでの、だいぶ前の燃料セルフだが、値段を見ると明らかにディーゼルは高い。写真が良くないので見にくいが、一番下の燃料がディーゼル
 

2019年9月17日火曜日

小型発電機の管理についてアクセスが多いので、この際もう一度説明しておこう 非常用のガソリン発電機は・・・



小型で使い勝手がよく、比較的安価で買える発電機。ガスボンベを使うタイプは、数年間放置しておいても、リコイルスターターを引けばエンジンは始動してくれるが、ガソリンエンジンの場合には、いつでも始動できる条件で管理していないと、始動不能となる。

点火方式はポイントレスのCDIだろうから、点火系の管理は必要ない。

問題はキャブレターである。ガソリンタンクの燃料は、基本的に空の状態がベスト。残しておくと、ガソリンの成分が異物となって残り、燃料の流入を阻害することもある。でも最近のガソリンは精製度が高く、添加剤の量も少ないようなので、それほど気にしなくてもいいようだが、キャブレターとなると話が違う。

キャブレターに溜まるガソリン量は、エンジンにもよるが20~30cc。ここでガソリンが蒸発すれば、時間と共に異物が蓄積される。この異物がキャブのジェット類を詰まらせ、ガソリンがエンジンに吸われない。

と言うことは、キャブレターにはガソリンを残しておいてはいけない、と言うことになる。

「たまにはテスト始動させようか」と言う考えを否定するつもりはないが、テスト始動させた後の始末を完璧にしないと、いざと言うときに始動不良となる。勿論そこでキャブを分解し、問題を発見して解決すれば、一件落着なのだが・・・

こうならないためには、キャブに残っているガソリンを全て排出し(排出ボルトが付いているはず)、できればストレーナー、沈殿カップ内のガソリンも排出させ、乾燥状態を作り出しておけば良い。

これは、我が家の発電機でも行っていることで、10年以上始動していなくても、ガソリンを入れれば直ぐにエンジンは掛かる。

要するに、全てのガソリンを発電機から押し出して、新品状態を作り出して置けばいいのである。

2019年9月4日水曜日

最近考えることがあった それはハイドロプレーニングと各種の姿勢支援制御である



自動ブレーキや走行レーンキープ制御、自動追従走行など運転支援を搭載したクルマが数多く発売されるようになったが、その安全性に走行中の環境がどのように関係するのか気になり始めた。

特に雨天時に発生することがあるハイドロプレーニングである。

一瞬にしておきるハイドロプレーニングに対して、その一瞬を越える制御が組み込まれているのだろうか。特にFWDが多くなっている乗用車では、高速走行中にどちらかのタイヤ(左とすると)にハイドロプレーニングが起きると、次の瞬間右へハンドルを強く取られ、その大きさによっては、走行状態が大きく乱れ、事故に結びつく。

この動作は、全て一瞬で起きるため、果たしてハイドロプレーニングによって空転し始めたタイヤの制御を、ブレーキLSDなどを作動させ、止めることが出来るのだろうか。

よく考えてみると、ブレーキLSDを作動させても、一瞬で起き、一瞬で開放される状況には対応できないと思われる。FWDであってもフロントブレーキはディスク。ディスクブレーキの物理的構造により、空転し始めたタイヤをその一瞬で走行速度まで低下させ、速度と同調させる制御にならなければ、ブレーキLSDを使用して、ハイドロプレーニングを制御するのは無理ではないのか。

いくら通信速度を上げて、その容量を増やすために車載の通信をキャンからイーサーネット通信に切り替えたとしても・・・

瞬間・一瞬起きるハイドロプレーニングだが、タイヤが空転することで駆動力は低下し、次の瞬間その空転していたタイヤが路面にグリップすれば、駆動力はそのタイヤに大きく作用し、走行安定性は失われる。それによって直進性がなくなり大きくふらついて事故を起こす。

ドライバーの意思に反してハンドルが大きく取られるわけだから、そうならないように造れば良い。一瞬を機械的に制御するのは不可能だとしても、電子的、電気的になら出来るはず。

ハンドルが取られないよう、ドライバーはそれを見越してしっかりとハンドルを握って、更に肘が曲がるぐらいのドライビングポジションを取れば、いくらハイドロプレーニング起きようと、対処できる。

つまり、これと同じことをクルマにさせれば良い訳で、それには現在当然となったEPS(電動パワーステアリング)をうまく働かせれば良い。

タイヤが空転したことでコントロールを失うわけではなく、次の瞬間その空転したタイヤが速度以上の回転で路面をグリップするから、そのタイヤによる駆動力が高まり、制御を失うことになる。

であるなら、EPSのモーターを使ってステアリングシステムにブレーキを掛けるようなことをすれば、ハンドルは取られない。

タイヤの空転が起きてからステアリングにブレーキ(EPSのモーターが外力によって回らないよう制御する)を掛けるような制御とするための時間差はあるはずだからだ。

でもすでにそのようなことは組み込まれているのかな???

2019年9月1日日曜日

冠水道路を走行するならアイドリングストップはダメ



最近大雨によるクルマへの被害が多く報道されているが、その中で少し気になることがあった。それは、冠水した道路を走らなければならない事情があった場合に、どの様なことに注意すればいいのかということ。

いつも通りの走り方ではないことは当然と思うが、その内容が重要で、これはいつも通りではいけない、と言う話。

特に注意したいのはアイドリングストップ付のクルマ。マフラーの出口付近まで冠水していても、エンジンが掛かっていれば問題は起きないが、そこまで冠水している状況でエンジンが止まると(水によるエンジンルームのトラブルではなく)、マフラー出口から水を吸い込む。

エンジンは止まる瞬間にどこかのシリンダーで、その圧縮を乗り越えられず、クランクは逆転する。逆転するときにどこかのシリンダーの排気バルブが開いていればマフラーから外気を吸い込む。

ほんの僅かに吸い込むのだが、それが何回も続くと再始動のときにグズツキ始める。それを気が付いたときにミッションをニュートラルにして、アクセルを大きく踏みつけ、マフラー内に溜まっている水を噴出す行為をすればいいのだが、たぶんほとんどの方はそのようなことをしないだろう。

そしてエンジンはストップしたままとなる。

このようなことが起きないよう、アイドリングストップを切って置けばいいのだ。

更に問題が発生する可能性が高いクルマはハイブリッド。それは、ドライバーの意思に関係なく、バッテリーの残量でエンジンは勝手に停止と始動を繰り返すからだ。

でも常にエンジンが始動している状態を作り出せばいいので、走行前に走行バッテリーを空にして走れば、エンジンによる発電でモーターを回すことになるので、エンジン停止によるトラブルは起きない。

昔のハイブリッドはエアコンを作動させるとエンジンは始動したが、最近のものは、エアコン駆動がエンジン動力ではなく、専用のモーターになっている場合があるので、そうなるとエアコンを作動させてもエンジンが始動するとは限らない。

なお、ハイブリッドやEVで冠水しても、感電などは起きない。感電が起きる条件は、感電する人間に電流が流れての話で、片方の電気がいくら流れても感電状態にはならない。

片方の電気(電流)には誰でも触ったことがあるはず。ガソリンエンジンの点火プラグには数万ボルトの電気が加わっているが、エンジン始動中にエンジン周りに触れても感電はしない。電車に使われる電気についても同様で、踏み切りでレールの上に載っても、何も感じない。

このことをよく理解しない連中が、水没したハイブリッドの周りに行くと、その電気によって感電する、などというとんでもないデマを流すから、話がややこしくなる。

感電は、感電する人の身体に電流が流れて始めて起きるもの。つまり、同時にプラスとマイナスのターミナルを握らないと起きない。

2019年8月26日月曜日

アクセルとブレーキの踏み違いは、前方もしくは後方に障害物があったときにのみ作動するが、それだけでは足らないように思う


これだけでブレーキとアクセルの踏み違いによる事故は防げるのだろうか。

どうもそうではないことにある時気が付いた。港の埠頭からクルマが海に落ちる事故は、どう想定しているのだろうか?

海に墜落したクルマについて報道されているとき、ブレーキを掛けた跡がない、と言うことを聞く。勿論事情による故意の場合もあるだろうが、埠頭から海に墜落したクルマの全ての事故がそうではないと思う。

そう考えたとき、前方もしくは後方のカメラ画像処理から(レーダーでも判断出来そうと思うが)、その先には道路など何もないことが分かるのではないか。岸壁、埠頭などの海だけではなく断崖、急傾斜でもその状態を判断し、アクセルペダルを踏んでもクルマが動かない、ブレーキが効いているような制御は出来ないのだろうか?

2019年7月28日日曜日

新型スカイラインの3.0L V6ツインターボに採用された新しいシリンダー技術はカヤバの技術だ



新型スカイラインの405PS仕様には、ミラーボアコーティングと呼ばれるシリンダーブロックが採用されたが、これはシリンダーのフリクションを小さくする手法である。ただし新しい技術ではない。数十年前にバイク用として出来上がっていたものだ。それを今回のスカイラインエンジン用として取り入れたのである。

これまでのシリンダーブロックは、総鋳鉄製かアルミブロックの中に鋳鉄スリーブを同時鋳込みしたもの。鋳鉄とアルミの熱膨張は違うわけで、それによる変形は、フリクションの増加や燃焼ガスの吹き抜けなど、エンジンとしての資質が悪くなる条件が多く発生する。

そこで、バイクのエンジンでは数十年前に確立し、すでに多く採用されている技術である、スリーブレスで更にフリクションが少なく、熱変形にも強いオールアルミのシリンダーの採用が浮上したのである。勿論そのままでは耐摩耗性に問題が出るので、シリンダー表面に鉄の粉を高温高速で吹きつける方式を取った。

キラキラ光っているシリンダー壁だが、この光沢はディスプレイ用として磨き上げたもの。実際にはオイル保持の加工など、ホーニングで出来るクロスハッチの跡があるはず。いづれにしても、磨耗に強く耐焼き付き性にも優れる。当然フリクションは少ないはずである。熱変形にも強いわけで、燃費、排ガス、動力性能としても効果は大きい
 
これは、カワサキのオートバイエンジンで数十年前に採用されていたもので「爆射」と呼ばれる方式。カワサキが当時の2ストロークエンジンに採用したこの方式は、ショックアブソーバーメーカであるカヤバの技術で、当時GPマシンのフロントディスクブレーキ強化でアルミ(軽量化と放熱重視が目的)を採用することになったとき、ブレーキパッドはアスベストでシンタード(セミメタル)などではなく、全ての条件をカバーできるのがアルミで、それの耐摩耗性に制動能力を求めた結果、アルミディスクにパッドの当たる部分だけ爆射加工していたのである。

サーペンタイン方式で駆動される補記類。それにしてもかなりコストが高そうである
 
何でそんなことを知っているかというと、カワサキのバイクに対しては当時の技術としてカワサキ広報から発表されていたし、他のバイクメーカーが耐摩耗性に耐焼き付き性などを考えたマーレーの技術であるニカジェル(ニッケル・シリコン・カーバイト)の特許に抵触しない技術を開発して採用されていたので、それに殴り込みをかける意味合いもあったようだ。

カワサキのGPマシンに対する情報は、何のことはない我が家にそのアルミディスクとブレーキキャリパーがあったからである。カヤバ技術部に知り合いがおり、棚卸しという制度によって、廃棄される部品を我が家に送ってくれたのである。

数十年そのままにしておいたが、小遣い稼ぎにヤフーのオークションで売ってしまったのでもう手元にはないが。
話はそれてしまったが、そういうわけで特に新しい加工技術ではないということ。爆射もいいけど、ニカジェルのほうが実績があるので、こちらが良かったと思うのだが、どこでスリーブレスの技術を知ったかで、造られるものは違ってくるので、何とも言いがたいが。

2019年6月30日日曜日

高齢者による事故が多いと言うことで、安全装置の付いた車種に限り運転免許の更新を認めると言うのは、正しいのか


年齢が高くなると、動作が遅くなり、瞬時の判断能力も低下して、勘違い操作による事故が多いので、その勘違いや操作遅れがあっても、事故にならない装備が装着されている車種に乗るなら免許の更新を認めよう。

と言うような話が持ち上がっていると言うことなのだが、果たしてその規制や判断は正しいのか、と言うことについて考えてみた。

結論から言うと、ひとつも正しくない。まず大きな間違いは、その安全装置は常にパーフェクトに作動しないということ。

これまでの実績からして、30%は作動していないので、その効果に頼るのは危険、と言う検証もある。

それはその通りで、絶対は存在しないと考えている。で、万が一、そのクルマで事故を起こした場合(装置が作動条件に合致している)、誰が責任を負うのか。ドライバーは国がこのクルマに乗れば事故を回避できる、と言うから選んだので、私のせいではない、というだろう。

では、そのクルマを作った自動車メーカーは「絶対の作動するものではありません」と説明書にも記載しているので、我々のせいではありません。と言うことになって、そのクルマを認定し、推薦した「国」が責任を持つのか。

物損だけの事故なら補修費用だけで済むだろうが、人身となったらヤッカイ。さ~どうする。自動運転と同じ議論に発展するのだが、そこまで詰めた議論をしていると言う話は、聞こえてこない。

どのようなことがあっても確実に作動する、と言う目標に向かって自動車メーカーとそのサプライヤーは、日夜開発に挑戦しているのだが、そうなるにはあと何年かかるのだろうか。クルマ内部システムの通信も重要で、その技術も発達し、現在はほとんどキャン通信であるが、それでは情報のやり取り量に追いつかないため、イーサーネットを使い始めたクルマもある、と言う話をサプライヤーから聞いたことがある。

それともうひとつ、自動に何とかしてくれる、と言う勘違いで、漫然と運転すれば、意識がしっかりとしない状況でもクルマは走るため、直接大きな事故は起こさなくても、その事故が大きな事故を引き起こす要因となることは十分考えれれる。

ドライバーの運転姿勢まで検証する(日野自動車がバス用として開発)装置が必要となるのではないか。

2019年6月7日金曜日

福岡でのエスティマ暴走は、助手席の方に少しの知識があれば、事故を最小限にすることは可能だった???


対向車線にはみ出しながら、かなりの速度で走り続けるトヨタのエスティマ。その走り方を良く見ると、対向車を僅かに避けながら走行しているように感じる。

助手席に乗車している奥様が、対向車線に飛び出さないよう必死にハンドルを動かしていたのではないのか、と言うことは考えられる。

でも、このような状態になったら、助手席に乗る人は何も出来ない、と言うテレビのコメンテーターがいるのにはびっくり。パーキングブレーキを利かせることは出来なくても(上級モデルでは、電動パーキングシステムを採用している車種もあるので、パーキングブレーキを利かせるのは簡単。また、そのブレーキ性能も高い。でも残念ながらこのエスティマには装備されていない)、速度を低下させることは出来る。

どのような行為をすればいいのかというと、ATのセレクター(俗に言うシフトレバー)をNレンジへ変えるだけである。

こうすれば、エンジンからの動力は寸断されるので、クルマは前進力を失う。

緊急時、冷静にこのような行動をとるのは難しいだろうが、普段から頭の中に入れておくことだが、そうは言ってもいざとなったら簡単ではない。そこで停止時でいいので助手席から、DレンジからNレンジへの操作を体験するのもひとつと言える。

ここでひとつ自動車メーカーに提案なのだが、電動パーキングシステムを採用しているクルマは、走行中にこのパーキングレバーを作動させたら、エンジンのスロットル装置がアイドリングとなるような、パーキングブレーキオーバーライドを、ブレーキペダルだけではなく、センターコンソールにあるパーキングレバー(スイッチ)にも組み込んだらどうだろうか。

また、イグニッションキーにスマートキーを採用しているクルマでは、エンジンの始動(スタート)停止(ストップ)をひとつのボタンで行うシステムが採用されている。そして、このボタンが中央より(センターコンソールとは限らない)に取り付けられているのなら、助手席からでもそのボタンに触ることが出来るはず。

そこで、いざとなったら、走行中にこのボタンを押してエンジンをストップさせてしまう。この方法もある。

ついでだが、あるコメンテーターは、ブレーキとアクセルの踏み間違いに付いて、特別なブレーキペダルとアクセルペダルの話をしながら、自分も左足でのブレーキ操作をしてみたが、いきなりガツンとブレーキペダルを踏んでしまい、うまくいかなかった。と言うことでお勧めはしないらしい。

左足でのブレーキ操作に関しては、経験と訓練をしない限り無理である。周りに迷惑がかからない場所で、Dレンジ走行状態からブレーキを踏む、と言う行為ではなく。エンジン始動時から(ブレーキペダルを踏んでいないとエンジンは始動しない)左足でブレーキペダルを踏み、エンジンが始動したらATのセレクターをDレンジに入れ、アクセルペダルは踏まず、そこからゆっくりとブレーキペダルを踏みつける力を抜き(完全に離さず足は乗せたまま)、クリープで走行させる。

クリープ走行させながら、時々ブレーキペダルを踏みつけ、制動がどのように高くなるか、身体で覚える。

その後、アクセルペダルを踏むようにして、速度を上げる。そこから再びアクセルペダルから足を離しながら、左足でブレーキペダルを踏む。と言うような行為を繰り返せば、身体がひとりでに覚えて、左足でのブレーキ操作が出来るようになる。

左足でのブレーキ操作がいいことは、アクセルとブレーキペダルの踏み間違いだけではなく、周りの状況から危険を感じたとき、自然に左足はブレーキペダルの上に行くこと。それにより、何か緊急な状態が発生しても、パニックブレーキとなりにくい。つまり、冷静にブレーキ操作が出来てしまう。

この状態を例えると、自転車で走行中、前方を走る自転車の行為が「何だか危ないな~」と感じていないと、パニックブレーキとなり、事故になることも。しかし、その行動を予測して、ブレーキレバーに手を添えていると、緊急ブレーキ操作はしても、冷静に操作するので、前方を走る安定しない自転車の、行動を避けることが出来てしまう。これは、自転車を乗る方の大半が経験していると思う。

左足でのブレーキ操作に関して、10年以上前に、新車の試乗会で「左足でブレーキペダルを踏む場合、爪先が何かの部品に接触して、緊急ブレーキのときに躊躇することがあり、芳しくない」と言うような苦言を述べたところ、対応していた開発者は「そんなに左足ブレーキにこだわるのでは、MT車の運転は出来ないでしょう」と言う決め付けで返事を返してきた。

そこで、「でも、サーキットを走るときにはトゥ&ヒルやるんですが」といったとたん黙り込んでしまった。つまり、そのくらい認識していないと言うことなのだろう。

2019年5月3日金曜日

また、ブレーキとアクセルの踏み違いによる事故が起きた。だから、ブレーキペダルは左足で踏んだほうが良い、と言う意見が出るのだ


これまでもブログで書いたが、2ペダル(ATなど)の運転では、左足でのブレーキ操作がベターである、と言う話を何回かした。でも運転免許を管轄する警察庁がそれをOKしない。

ブレーキペダルは、絶対に右足で操作する、と言うことから他を認めていないのだ。

ま、仕方がないか、実際に混雑した中でクルマを運転しない官僚がガンバッテいるのだから。新しい考えより、自分達の立場が優先するような組織が牛耳っていれば、新しい考えに対する取り組みはしない。それこそ、どこかの国の議会のようで、新人、若い議員からの新しい意見は無視するだけではなく、そのような考え方をする人物、意見を排除するようなことをやってしまい、それが後にどのようなことになるか、考えないのと同じだ。これでは発展性が見られない。

例えば、運転免許教習所でAT限定免許を取る場合、左足でのブレーキ操作を教習すれば、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる事故は起きようがない。右足での操作か左足での操作か、教習生に自由に選ばせるようなことが重要であるのだが。(教習の途中で変更することも可能とする)

もちろん、教官が左足でのブレーキ操作が完璧で、教習生の見本とならなければ意味がないので、そのときには確実に教官への教習が必要となる。教官の教習する人物がいない、というのであるなら、左足ブレーキの操作が重要、と言う意見を持つ人物(私のその中に入るだろう)を集め、実際にどのようなものになるか、教官やお役人たちは体験すべきであると考える。

これにより、教習所の教習方法が大きく変化することを願うのだ。

TVの解説では、衝撃があって(事故などで)パニックになると、足を踏ん張ってしまうので、アクセルを踏みつけていると言う意識はなくなり、暴走に繋がると言う。

左足でのブレーキ操作も、衝撃による反応で両足で踏ん張ることになるためブレーキペダルを左足で踏んでも、アクセルが踏まれているため制動力が有効ではないと言うのだが、この解説者は、現在のクルマの構造を理解していない。

電子制御スロットルが付いた時点で、国土交通省は「左足でのブレーキ操作をする方もいるのだから、アクセルを踏んだ状態でも、ブレーキペダルを踏んだらスロットルバルブが戻ってしまう構造にするのが望ましい」と言う指針を発表した結果、今では、日本で販売する日本車の全てのクルマに、ブレーキ優先制御(ブレーキオーバーライド)と言うシステムが組み込まれている。

であるから、左足でブレーキペダルを使うことにより、パニックになったときに、暴走と言う状態にはならない。

TVで、いろいろ特集として、AT車(ATに限らないと思うが)の暴走事故を取り上げて、それに対する解説を、その筋の方にお願いするのはいいが、あまりにも構造を知らない方が多く、正しい説明、解説が出来ていない。

正しい情報を、視聴者に知ってもらわないと、それが例え間違っていても、次にくる正しい情報を「正しい」と認識するには、10年近くかかったりする現状を見ている者にとって、気になる解説内容である。

クルマだけではなく、左手でクラッチレバーの操作を必要とするバイクの運転でも、訓練と慣れによって普通に操作できるようになるし、昔の英国製バイクのように、後輪ブレーキは左足での操作をしなければならない構造であっても、慣れにより、それこそパニック(飛び出したクルマや歩行者に対して)になったとしても、後輪ブレーキを有効に使っていた経験がある。

それでは、クルマの場合、ATとMTは間違いなくどちらも運転できるようになるのだろうか、と言うと「出来ます」ということを即答する。それは、私自身がマイカーはMT車であり、試乗会で乗るクルマのほとんどがATで、仕様が変わっても普通にハンドルを握って運転しているからである。

確かに、初めて(大学生のころ)ATを運転したときには、一回だけクラッチのつもりでブレーキペダルを踏んでしまい、タイヤをロックさせた経験を持つが、それ以来、間違い操作はしていない。

ここからは経験談である。

長年、AT(右足でブレーキ)とMTを乗り続けていると、あるとき何もしていない左足のことを考え、左足でブレーキペダルを踏むようにできないか、と言う自問自答をやった。「そういえば、昔左足でのブレーキ操作を完璧にやっていた時代があったな~」と、思い出したとたん(左足ブレーキの大型バイクに乗っていた)、普通に左足でブレーキペダルを操作できてしまった。

ということから、誰でも左足を使うブレーキ操作は出来るようになると思っている。

また、その行為、つまり左足でのブレーキを使うと言うことに対して、完璧な操作が出来るようなクルマを作ったメーカーとその開発責任者の話を聞いたことがある。

その開発責任者に試乗後、私から「このクルマ、左足でのブレーキ操作がやりやすいですね」、と言ったとたん「わかりましたか~」と、身を乗り出してきた。

何のことはない、それまで数多くのジャーナリストが試乗していても、そのクルマのブレーキ性能を十分に理解した人物がいなかったと言う話である。

左足でのブレーキペダル操作を完璧とするには、これまでには考えなかった設計を取り入れなければならないと言う。

ドライバーシート左足の太ももが当たる部分のスポンジ。ブレーキペダルのペダルそのものだけではなく、アームに取り付けられるペダルの角度、アームの形状、ブレーキペダルアームピボットの位置、そして、素早く素直に立ち上がる制動力。

これが非常に重要で、左足でのブレーキ操作は、クルマの走行状態を先読みし、前方の信号が変わったときには、ブレーキペダルに足を乗せながら、ゆっくりと力を入れていく。そして、ブレーキパッドがブレーキローターに接触し、制動を発揮したところまで追いかけてのチューニングが必要であると言う。

その点が右足でのブレーキ操作と違うのだそうだ。右足だと、ブレーキペダルをいきなり踏みつける操作が普通で、ブレーキ液圧が上がり、パッドがローターに押し当てられる状態での評価、性動力となるようだが、左足であるとそれが違うと言う。

ここのチューニングが難しかったと言う。
 
ではそのクルマは何かと言うと。10年以上前に発売されたスバルレガシイ・アウトバック初代モデルである。

余計なことだが、このあたりからスバルのブレーキが良くなったように思う。