倒壊したコンクリートを見ると鉄筋が少ないばかりか、重量鉄骨が入っていない(アメリカの規則では鉄骨は要らないのかな?)。日本ではこのような構造の構造物は建築許可が出ない。
そればかりではなく、コンクリートが非常にもろいことが良くわかる。それは、重機での操作で見て取れた。鉄筋を掴んでコンクリート片を移動しようとしたら、いとも簡単にその鉄筋からコンクリートが砕けて抜け落ちたからだ。
また、日ごとにTVで放映される画像を見ても、コンクリート片はいつの間にか砕かれ、倒壊当時は足の踏み場もなかった状況が、人間が普通に歩ける小山になっていた。人力のスコップでも瓦礫をすくって、バケツに入れる、と言う行為も見られた。
で、その原因はと言うと、それは、コンクリートに必要以上の水を混ぜていたからだ。俗に言うシャブコン、と言う結論に行き着く。
コンクリートを型に流し込むとき、流動性のいい方(水をたっぷりと混ぜて、つまり柔らかく隙間が出来にくい)が速くて作業はしやすい。
また、しっかりとバイブレーターなどを使って、内部に振動を加え、空気を抜く行為もしなくてすむから、見た目は仕事が速くて、型を外したときの仕上がりも感じがいいのだが、それが大きな間違い。
このような状況は、日本でも見られる。小さなビルの解体工事など、その状況を観察していると、いとも簡単にビルのコンクリートが砕かれるが、別のビルでは、時間を掛けての作業が数倍掛かっていたりする。
どちらのビルの方がいいのかは、一目瞭然。見た目にきれいであっても、その内容を重視しないと地震での崩壊も多くなる。
ニュージーランドで起きた地震により、当時日本人などが多く通っていた学校が倒壊したのも、このいい加減なコンクリート施工が原因と思う。