クランクばかりではなく、エンジンの外側からオイルシールを打ち込んでいる構造のエンジン(クルマもバイクも)なら、この新開発特殊工具を使えば、いともかんたんに不良のオイルシールを引き抜き、新しいものを打ち込めて交換できる。
その新開発特殊工具だが、手元にある工具をベースに改造したものだ。そのベースとは上質のマイナスドライバー。
自宅にあったマイナスドライバーの先端を曲げ加工した。この先端形状がものを言う
クランクシャフトのオイルシール不良でオイル漏れが発生。普通は、エンジンを分解して・・・と考えるだろうが、無精者としてはエンジン分解はやりたくないし、リスクも発生するから、出来るだけ簡単でスピーディに交換のできる工具を考えて開発した
そのドライバーの先端をオイルシールのリップが引っかかるように90度ほど曲げ(ここでオイルシールのリップを引っ掛けるので重要な角度)、更に、そのリップが接するクランクシャフトに傷が付かないように、少し手前を曲げるのだ。
この位置と曲げ方は難しいが、万力に固定して少しずつ力を加えれば、目的の形状とすることが出来るはず。ただし、ここで使用するマイナスドライバーの材質は柔らかすぎず硬すぎずが重要となる。
柔らかければ形状がベストとなっても、いざオイルシールを引っ掛けてこじり出すとき、その力がオイルシールに作用せず、ドライバーが曲がるだけで引き出すことが出来ない。
オイルシールとクランクシャフトの間に工具を押し込む。後はそのドライバーをクランクシャフト上でコジれば、オイルシールが飛び出してくる
逆に、ドライバーが硬すぎると、目的とする形状に曲げたくても曲がらないし、そこに力を加えることで、ドライバーの先端は折れてしまう。
でも、何本か試作すれば、そのうちうまく出来るだろう。
出来上がった工具を、オイルシールのリップ部分とシャフトの間に差し込み、軽くコジれば抜ける、と言うよりオイルシールが出てくる。後は簡単、クランクケースから引き出したオイルシールを確認し、購入したもの
を打ち込むだけだ。
オイルシールのどの部分が不良になったのか、調べるにも、ベストな工具は必要となる。グチャグチャ状態でオイルシースを引き出しても、新しいものと交換作業は出来るが、使用していたオイルシールは、どこに問題が発生していたのかを検証できない。
また、オイル漏れがオイルシールの劣化・不良であったのかは重要なデーターである。もしオイルシール不良でなかったら、オイル漏れの原因を突き止めないと、オイル漏れは止まらない。これでは楽しくバイク・クルマに乗っていられないのだ。