2ヶ月に1回、奇数月の第3日曜日、埼玉県の荒川笹目橋のたもとに有ったホンダテストコース跡地に、どこからともなく多数のバイクが集まる。基本的に旧車が多いけれど、最新モデルでの参加、或いはクルマでの参加もOK。決まりはない。好き勝手に自己責任での集合だ。
私も時々このイベントに参加する。すると、それは懐かしい友人との同窓会的な状況も生まれる。
元ホンダのテストコース跡地と言うこともあって、そのテストコースでバイクの開発を担当した方や、設計した方など、お会いすることもある。当然昔話になり、それはとても楽しい。時間の経つのを忘れるほどだ。
集合・解散の時間などはなくて、勝手に集まり勝手に解散するのだが、その途中では知り合いのバイクが故障している場面に出くわすことも有る。それが今回の状況で、ろくな工具や部品などを持っていないから、トラブルの原因を探すにも時間が掛かる。また、当日は晴天、気温は30度を軽く越える。日陰を見つけていざ作業。
本来なら、私のようなものが手を出せばいいのだが、しばらく傍観する。すると、キックして初爆はあるが、連続しないと言うことが判明。つまり、点火プラグから火は飛ぶが、その火が連続しないと言うことになる。
バイクは、数十年前のホンダCS90。点火用のポイントはシリンダーヘッド左側。
OHCだからポイントの整備性は良い。ポイントの有るカバーの2本のネジを取れば内容が丸見え。
さてポイントを見てみると、ポイントに異常はなく、どうやらポイントを開閉する(点火タイミングを掌る)カムがおかしいことに気が付く。
このカムには点火時期をエンジン回転上昇と共に早くするガバナを装着しているが、なんだかカムシャフトとポイントカムの関係がバラバラ。本来は、カムシャフトから抜けてこないはずのポイントカムが抜けてしまう。これでは正しい点火時期を望めない。なぜポイントカムがカムシャフトより抜けてしまったのか良く観察してみると、本来使わなければいけない平ワッシャーが付いていない。
付いているワッシャーは小さすぎて、ポイントカムがカムシャフトより抜け出さない役目を果たしていない。
ポイントカムが正しい位置に収まっていなかったので、点火時期を掌るガバナから外れ、点火時期が狂ってエンジン始動が出来なくなったのである。
これを正しい位置に組みなおし、適当なワッシャーを使って大急修理。エンジンは見事に蘇った。
『ア~熱中症にならなくて良かった』
さて目的地に出かけようとしたら、同行のサンライトのエンジンが掛からない。オーナーは慣れているようで、新しいプラグを装着すると、無事エンジン始動を果たす。
私はと言うと、リヤに搭載するツーリングバックの固定に使うベルトを締め忘れ、そのまま走ったものだからバンドはリヤスプロケットに絡み、切断。そのまま集合場所まで走り、同行の仲間の手を借りて、絡まったバンドを取り外して一件落着なのだが、帰宅途中で、駆動系からなんだか不明な小さな異音。これ、気になるのでしっかりと原因追求と可決を行う。
自宅に帰り、左のクランクケースカバーを取り外してみると、ドライブチェーンに、スプロケットに絡んで切れたベルトのプラスチック部分が噛みこんでいたので、それを取り外して一件落着。