バイクの修理などで、シリンダーを外したりクラッチカバーを取ると、パッキン(ガスケット)がどちらかにしっかりと張り付き、それを剥がしたら、パッキン破れ、再使用できなくなることは普通に起きる。また、パッキンが張り付いていると、簡単にカバーなどを取り外すことも難しい。
更に張り付いたパッキンをきれいに剥がすことも大変な作業で、仕上げに、小さな細かいオイルストーンで仕上げるのもヤッカイ。新品のパッキンも必要になる。
そこで私がやっているのは、使用するパッキンの裏表にグリースを塗布すること。薄くではなく、締め付けたとき必要以上にはみ出ない量。
親指と人差し指にグリースを適量取ってから、パッキンを挟むようにして、塗り残しが出ないように摺りこむ感じで塗布する。塗り残し部分があると、そこがケースと張り付くので、そうならないように最後は確認する。
このようにグリースを塗布してやると、パッキンはケースに張り付かないので、ボルト・ナットを取り外すと、簡単に分離できる。そのため、パッキンにはダメージが加わらず、数回の再使用はできるし、ケースの合わせ面の掃除も必要がない。オイルがベタベタの状態で、なんら問題はない。
レース場でのメンテナンスでは、シリンダーやクラッチカバーを取り外すことがあるようだが、この処理をやっておくと、整備の時間が大幅に短縮できるだけではなく、再組み立てでのトラブルの発生も少ない。
グリースを塗布したパッキンを使うとオイル漏れが生じるのではないかと懸念されるが、その心配はなく、組み付けてから数千キロ走っているが、一切のオイル漏れや滲みもない。
だまされたと思って、ぜひ実行してみてください。