研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2022年3月28日月曜日

オートバイのドライブチェーンに給油するのは果たして正しいか?

 

この答えは、使用するチェーンとどのような場所を走るかで決まってくるが、基本的には必要以外のことをやるとチェーンの劣化やスプロケットの磨耗が進行するだけで、意味がない。

やってはいけないチェーンのメンテナンスだが、まず筆頭は必要以上に給油しないこと。オイルが回りに飛び散るだけで、チェーンのたるみ(主にピンとローラーが磨耗)はものすごく進行してしまう。

チェーンの種類によっては給油しないほうがいい。それは最近使用が多いシールチェーンである。

シールチェーンは磨耗し易いピン周りにオーリングを挿入して、特殊なグリースを封入。異物の侵入を防止する構造。

このシールチェーンは、チェーン自体の幅が広いのでそれと分かる。値段も高いが耐久性も高いので、排気量が250ccあたりからオンロード、オフロードモデルへ標準として採用されている。

このシールチェーンは、基本的に給油する必要がない。また、汚れた場合でも高圧洗浄などを行うと、その汚れがシールを通してピン内部に入り、チェーンの寿命を著しく短くしてしまう。

では、チェーンが汚れた場合はどうするか。それは水道水程度の圧力で、柔らかいブラシなどを使って水洗い。乾燥したら、オイルスプレーを少量塗布する。CRC5-56などの石油系は、ゴムのオーリングを硬化させるので使わないほうがいい。

バイクチェーン専用のグリーススプレーを軽く吹きかけるだけで十分。必要以上にやるとごみや砂利を寄せ付けるだけで、いいことはひとつもない。

経験から言うと、ローラー部分を目視したときに、僅かに錆色が見える程度で、少量のオイルスプレーを拭くだけで、700ccのバイクを1万キロ近く走行してもチェーン調整はする必要がなかった。

その昔、鈴鹿8時間耐久レースでは、ピットインのたびにチェーン調整が必要な状態があり、ピット時間が長くなるばかりではなく、張り過ぎて発熱からチェーンの切断、などというトラブルに発展するチームが出たほど。

暫くして、シールチェーンが採用されると、8時間耐久レースの最中にチェーン調整をするチームはなくなった。シールを付けることでフリクションは高くなるが、その分耐久性は高くなり、トラブルが防止されるようになった。でも・・・

シールがないチェーンは、モトクロスなどで使用されるが、この場合には、高圧洗浄機を使っての洗浄がつき物で、当然ピン周りにはチェーンに付着した汚れが強制的に押し込まれるので、定期的な交換が必要となる。