研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2021年10月6日水曜日

初代のホンダNSXが評判となっているようだが、私に言わせれば『完全に駄馬』それは・・・

 

なんで1997年に発売されたNSXが評判になっているかが分からない。最近のモデルチェンジ車は、試乗していないので評価しない。

なぜ初代NSXが駄馬であるかと言う理由は、とにかく直進性が悪かったからである。もちろん安定性も悪い。

最初の試乗会では栃木のオーバル・テストコースだったが、ここをアクセル全開で走らせると、とにかく面白くない。しっかりとハンドルを持っていないと進行方向が定まらない。同日用意されていたポルシェは、さすがにポルシェで100マイルを超えると、その安定性とサウンドには感激した。

なぜ直進性が悪いのか、当時の我々のテスト走行は、直進性が悪い原因をドライバーが作り出してはいないだろうか、と言う考えのもと200km/h近くでもハンドルから両手を離しての運転をしていた。こうすれば、路面の凹凸状況からドライバーが揺すられても、ハンドルを左右に動かさないわけで、そのクルマの基本性能が露出するからだ。

試乗後には足回り設計者と喧嘩状態のやり取りまでやって、先方はその安定性の悪さを認めたが、それは何が原因かは説明してくれなかった。説明しなかったのではなく、原因追及が出来ていなかったのではないのか、と後に結論を出した。

姉妹誌の編集部でこのNSXを購入し、高速道路を使って日本各地の読者の所へNSXを持参し、意見を集めたのだが、取材が終わったとたん、走行5000キロと言う数字にもかかわらず、前後のタイヤは山が無くなり、走れた状態ではなかった。

このタイヤが異常磨耗する原因は直進安定性を出すために、ホイールアライメントのトーインを強く設定したことによるのだ。トーインを強くすればタイヤはスリコギ状態となって異常磨耗する。直進安定性を良くするためにトーインを多くつけても問題は解決しない。その原因はサスペンション機構に対する基本が違っていると判断した。

で、面白いのは輸出用と国内用では、組み立てライン上でのトーが違う。国内用は、サイドスリップ量が±5mm(1m進む時のテスター上での移動数値)という規則のトーなのだが、NSXの国内用ラインではトーイン5mm近くを選択している。しかし、輸出用はトーアウト。『組み立てラインの取材を後に行ったとき、現場に書いてあった』。但し、アウト何ミリだったか忘れた。また、その組み立てラインにいた方に「フロントのトーは、アウトのほうがNSXは良いのですか」と聞いてみると、「アウトのほうがいいです」と即答してくれた。

いろいろなことで直進性を求めて手を加えたが、どれも解決策にはならなかった。残念ながら開発者が求めた性能にはならないだろう、と言う結論はしばらく経って、他の自動車メーカーを別の企画で取材したことで、原因を見つけた。

なんで1997年に発売されたNSXが評判になっているかが分からない。最近のモデルチェンジ車は、試乗していないので評価しない。

なぜ初代NSXが駄馬であるかと言う理由は、とにかく直進性が悪かったからである。もちろん安定性も悪い。

最初の試乗会では栃木のオーバル・テストコースだったが、ここをアクセル全開で走らせると、とにかく面白くない。しっかりとハンドルを持っていないと進行方向が定まらない。同日用意されていたポルシェは、さすがにポルシェで100マイルを超えると、その安定性とサウンドには感激した。

なぜ直進性が悪いのか、当時の我々のテスト走行は、直進性が悪い原因をドライバーが作り出してはいないだろうか、と言う考えのもと200km/h近くでもハンドルから両手を離しての運転をしていた。こうすれば、路面の凹凸状況からドライバーが揺すられても、ハンドルを左右に動かさないわけで、そのクルマの基本性能が露出するからだ。

試乗後には足回り設計者と喧嘩状態のやり取りまでやって、先方はその安定性の悪さを認めたが、それは何が原因かは説明してくれなかった。説明しなかったのではなく、原因追及が出来ていなかったのではないのか、と後に結論を出した。

姉妹誌の編集部でこのNSXを購入し、高速道路を使って日本各地の読者の所へNSXを持参し、意見を集めたのだが、取材が終わったとたん、走行5000キロと言う数字にもかかわらず、前後のタイヤは山が無くなり、走れた状態ではなかった。

このタイヤが異常磨耗する原因は直進安定性を出すために、ホイールアライメントのトーインを強く設定したことによるのだ。トーインを強くすればタイヤはスリコギ状態となって異常磨耗する。直進安定性を良くするためにトーインを多くつけても問題は解決しない。その原因はサスペンション機構に対する基本が違っていると判断した。

で、面白いのは輸出用と国内用では、組み立てライン上でのトーが違う。国内用は、サイドスリップ量が±5mm(1m進む時のテスター上での移動数値)という規則のトーなのだが、NSXの国内用ラインではトーイン5mm近くを選択している。しかし、輸出用はトーアウト。『組み立てラインの取材を後に行ったとき、現場に書いてあった』。但し、アウト何ミリだったか忘れた。また、その組み立てラインにいた方に「フロントのトーは、アウトのほうがNSXは良いのですか」と聞いてみると、「アウトのほうがいいです」と即答してくれた。

いろいろなことで直進性を求めて手を加えたが、どれも解決策にはならなかった。残念ながら開発者が求めた性能にはならないだろう、と言う結論はしばらく経って、他の自動車メーカーを別の企画で取材したことで、原因を見つけた。

それは、このNSXのフロントサスペンション構造に有る。サスペンションに求めたものは、『上下に作動してもトーの変化が起きない構造であること』。これを達成するため普通のクルマと違って、大きな太いゴムブッシュが使われている。捻りだけではなく曲げ方向にも対応する構造だった。


これを目標としたこのこと自体はいいのだが、そのゴムは試作で一品生産するときには問題なくても、量産すると硬さのばらつきは±20%になる(ある自動車メーカーではそれを±10%まで小さくしたと言う。サプライヤーとの共同で苦労しながら開発したらしいが)。

試作段階でのテスト走行では問題なくても、試作でできたゴムの硬さは、それが量産には結びつかない。そうなると、当然設計値どおりにサスペンションは動かないから、動くことで悪さが露出する。

プロトタイプから、その直進性の悪さは露出していたので、最後の手段としてホイールベースまで長くして、フロント荷重を高くしたが、解決できず。『ホイールベースの長くした理由は、追突安全確保』と言う言い訳まで聞かされた。

こんなクルマでも、素晴らしいと言うのだろうかな・・・

その後に出したタイプRでは、車重を70kg軽減したので、初期モデルより多少は直進性が良くなったらしいが、基本的な構造はそのままだから、本来の走行性を求めるのは無理ということ。

これが初代NSXのフロントサスペンション。かなり変わった構造であることがわかる

それは、このNSXのフロントサスペンション構造に有る。サスペンションに求めたものは、『上下に作動してもトーの変化が起きない構造であること』。これを達成するため普通のクルマと違って、大きな太いゴムブッシュが使われている。捻りだけではなく曲げ方向にも対応する構造だった。

これを目標としたこのこと自体はいいのだが、そのゴムは試作で一品生産するときには問題なくても、量産すると硬さのばらつきは±20%になる(ある自動車メーカーではそれを±10%まで小さくしたと言う。サプライヤーとの共同で苦労しながら開発したらしいが)。

試作段階でのテスト走行では問題なくても、試作でできたゴムの硬さは、それが量産には結びつかない。そうなると、当然設計値どおりにサスペンションは動かないから、動くことで悪さが露出する。

プロトタイプから、その直進性の悪さは露出していたので、最後の手段としてホイールベースまで長くして、フロント荷重を高くしたが、解決できず。『ホイールベースの長くした理由は、追突安全確保』と言う言い訳まで聞かされた。

こんなクルマでも、素晴らしいと言うのだろうかな・・・

その後に出したタイプRでは、車重を70kg軽減したので、初期モデルより多少は直進性が良くなったらしいが、基本的な構造はそのままだから、本来の走行性を求めるのは無理ということ。