研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2020年9月7日月曜日

②面白い画像と写真。何用のエンジンなのかの説明


は、スバルがF1エンジン・コンストラクターをやろうとしたときのもので、シャシーはミナルディを使うことになっていたが・・・このチームには通訳として日本人が居た。でも、幅が広くなるエンジンは空気抵抗が多く、結局ものにならなかった。エンジンの設計はイタリアのキティ博士。

さすがにイタリア、フェラーリと同様の考え方をしているのが分かるだろうか。

12気筒なのにクランクシャフトのジャーナル(支持部分)は、なんと4箇所しかない。スバルの考え方なら13個になる。4箇所のジャーナルではまともに高回転しない。フェラーリのF1エンジンも同様に設計されていたと言う(ホンダがF1から撤退するとき、当時のフェラーリエンジンを分析し、ホンダ流の設計で試作して、その試作エンジンと図面などのデーターをフェラーリに譲渡した)。フリクションが多いなら、そのフリクションとなる部分を減らしてしまえ、と言う、イタリアならではの設計で実に分かり易い考え方が見えていた。
 

そして、水平対向ではない。フェラーリも市販のスーパーカーエンジンは、同様な造り方で、ピストンは対向状態になっていなかった。

V90度エンジンのように、ひとつのクランクピンに対して、左右のコンロッドを取り付けるタイプ。90度Vであると、エンジンの1次振動(エンジン1回転ごとに出る一番大きな振動)がなくなるのでいいのだが、180度Vと言うレイアウトではそれを望むことは出来ない。

ここにもクランクシャフト剛性をどう考えているのか不思議に見える。対向ピストンとすれば大きな問題は片付くのだが。

今ではこんなエンジンは市販車にもない。水平対向となれば、2気筒でも振動は少ない(BMWのバイク)。ホンダのバイクにもある、水平対向6気筒となるとエンジン単体での始動でさえ、固定しない状態で、アクセルを大きく開けても、その場で暴れだすことはないという話も聞いた。

で、キティ博士設計のこのエンジンは、1年後だったかのWSPCにエントリーしていたが、練習、予選で、走行シーンを見ることはなかった。

 

マツダがル・マン24時間耐久レースで優勝したときのエンジン全体図

トルクカーブを力強くするため、インテークには長さを電子制御するテレスコピックのエアホーンが装備された。最初のエアホーンはスロットルと連動だったと思うが、定かではない。
 

 

メルセデスがグループCでのレース用として新しく開発したエンジン。水平対向12気筒である。インテークとエキゾーストが上側にある。吸気効率と排気効率にエンジン搭載の高さを考えたらこのような設計となるが、排気が上側と言うのは、エキゾーストパイプの高温を冷却する効率が悪い。
 
 

カウルの中に高温が溜まるので、トラブルの元。このエンジン搭載のレースは、鈴鹿サーキットで行われたWSPC。ドライバーのひとりはM・シューマッハだったが、ピットでの給油で失敗し、クイックチャックが閉まりきらなかったようでガソリンが噴出し、火が着いたのをシューマッハも気が付き、逆バンクを上がる途中でグリーンに飛び出し、クイックチャックの蓋を閉めようと、火がチョロチョロ着いている状態でいじっていたが火は消えない。

そこにオフィシャルが消火器を持ってきて、火を消そうと言うアクションを起こしたので、シューマッハはそのオフィシャルの行為を止めようとしていた。その理由は知らない。しかし消火器は噴射され、火は消えたがシューマッハはリタイアとなった。レース(正確にはピット作業やマシンの状態とメカニズム)を取材に行っていたので、この状況は肉眼で確認した。