研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2017年5月22日月曜日

全てのバッテリー(乾電池も)に言えること


電層ごとに違う性能が問題を引き起こす

性能差がないように造りたいのは山々だが、人工的に造るものは、どうしても容量、電圧、内部抵抗に差が出来る。

この差があると、直列に繋いで電圧を高くする場合(EVやハイブリッド用として使うとなると当然こうなる)、電気的な負荷を与えた瞬間に、元気な電層から電圧の上がっていない電層に充電が始まる。

モーターを回すことが目的なのに、隣のバッテリーに充電したのでは、本来持っている性能が発揮できなくて当然。このようなことが起きるため、EVを造るあるメーカーでは、充電後に各バッテリーの電圧を計測し、他のものより高い場合には放電(パージ、ショート)させ、全体のバランスを取るという。

その方がバッテリーの能力を発揮できるというが、それにしてももったいない話である。

全てのバッテリー(普通の鉛バッテリーも乾電池も)で目的とすること、それは公差が出てしまうことを、いかに小さく、そして、それがないようにするかである。しかし、いくら研究・開発が進んでも、近い将来では、なしえない状態にあるという。

EVの走行距離アップで研究目標となっているのが、バッテリーセルの性能合わせで、それがなかなか達成できない。

人が人工的に作り出すものは、必ず100%同じにはならないのは、

バッテリーも同様で、それゆえ、EVに現在使用しているリチウムイオンバッテリーやチタン酸リチウム負極(SCiBは、ひとつのセルでの電圧を高める研究が進んでいる。

極端な話が、ひとつのセルだけで300Vや600Vのバッテリーが出来れば、公差なんて関係なくなるのだが・・・

数十年前にこんな話を聞いた。それはビデオカメラにニッカドバッテリーが使われていたころで、TV局でも同様に使用。

ただし、TV局に販売されるニッカドバッテリーは、公差が非常に小さなもので、製造メーカーは使用中の電圧に差が出ないものを寄せ集めた。つまり、完成したニッカドバッテリーをそのままTV局へ納入するのではなく、一度負荷をかける状態で使用し、その途中での電圧降下状態を計測。出来るだけ降下率の同じものをまとめるだけではなく、降下の少ないものを選んだ。

では巷に出ていたニッカドバッテリーは、というと、これらはプロ仕様の中で端にも棒にも引っかからないジャンク品、といっても過言ではない内容のものだった。当然モーターラジコンなどでもプロ仕様を手に入れた人が勝ってしまうのは明白。「そーかー。それでオレはあいつに勝てなかったのか~」なんていう昔を思い出す人も要るだろう。

このようにして優れたものだけを集めてTV局へ持ち込まれたわけだが、使用時間が来ると処分される。

あるテレビ局の関係者は、その状態の処分ニッカドバッテリーを分解し、自分が使用するビデオに合うように組み直し、使用する。その結果、なんと指定バッテリーを購入したときより数倍長持ちした、というのである。

これ、当然で納得