まだ中学生の頃、当時父はインドネシアの林業開発に関する仕事をしており、帰国の時には美味しいコーヒー豆を持ってくることがあった。
勿論焙煎済みで、それを挽いて飲みたかったのだが、当時はコーヒーを引くミルは近くで手に入る状態ではなかったので、結局、そのまめのコーヒーを飲むことは出来なかった。
どの位のコーヒー豆だったかというと、とてもいい匂いがしていたので、一粒もらって学校に行くのだが、教室で、授業中でもそのコーヒーの匂いをかぎたくなり、ポケットから出したとたんに、その香りは教室中に広がるようで、「誰だ~コーヒーを飲んでいるやつは」という先生の罵声が飛び出すほど、強烈で薫り高いコーヒーだった。
『飲みたかったな~』