研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2017年10月15日日曜日

第37回ホンダ・エコマイレッジチャレンジ 相変わらずブレーキの性能が思わしくなく・・・


今回の最高燃費は2791.897km/lを記録した、富士エコラン・チーム白糸

昨年は頼まれ仕事とエコマイレッジチャレンジが重なって、ツインリンクもてぎの会場へ出向くことが出来なかったのだが、今年はその頼まれもなく、エコマイレッジチャレンジ車検でのトラブルを、興味本位で取材して回った。

車検で不合格となったマシンを整備するエリアは、いつも以上に混雑していた
 
その中で「やっぱり・・・」ということが、非常に多い。それはブレーキ性能の確保が出来ていないマシンの多さである。

中学生クラスへの参加者が増えた(28台)のはいいが、そのマシンは完成度が低い(全てではないが)。特にブレーキなどの足回り。指導者となる先生方の経験と知識の問題なのだが、また、それを指導してくれる人物も組織もない。もちろんブレーキ性能が確保できていないのは中学生クラスだけではない。

今回はそのような場面でも、口を挟まなかった。なので、ブレーキ性能不足でも何とか走らせてもらったチームは多いようだが、そのことによるトラブルが発生しなければ・・・と考えてしまう。

ブレーキ性能やドライブチェーンの外れは、ほんの少しの経験と知識(といえるほどのものではない)で解決できる。特にドライブチェーンの外れについては、エンジンもしくは最終減速機構とホイールのスプロケット間の剛性が問題。そのテストと確認は最終減速のチェーンを強く押してみればわかる。

いくらチェーンの張りを強くしても、エンジンからの駆動力を受ければ、チェーンにかかる引っ張り力で、エンジンが後ろに傾き、下側に大きなたるみが発生、マシンが揺れた瞬間に外れてしまう。これを少しでも小さく、つまり剛性が上がるエンジンとホイール周りの取り付けを行えばすむこと。対策としては、エンジンが後ろに傾かないよう、ツッパリを入れることで解決する場合も有る。

競技会の現場に来てからの対策で済む場合もあるが、それより製作の途中で判断できる単純なことである。

ブレーキ性能に関しては、ほとんどのチームがリムを両側から挟む(普通の自転車と同じ)方式を取っており、構造的には問題がないように見えるが、キャリパーの角度(ホイール中心に向いていることが重要)が間違っていると、ブレーキシューが食い込み方向に作用せず摩擦力が上がらない。

それでも性能不足が出ることの原因は、新しいブレーキシューを取り付けて万全を期したことが間違い。新品のブレーキシュートしたところで、当たりが出ていなければ摩擦面積が少なく思うような制動が得られない。

当日、いくらブレーキクリーナーで清掃しようが、サンドペーパーで磨こうが、性動力は回復しない。

簡単な方法は、エンジンを始動し、タイヤを回しながらブレーキレバーを引き、ゴム臭くなるまで過酷な制動テストを繰り返すこと。これは、ブレーキによる発熱でシューのゴムを溶かし、それがリムに付着することで、制動能力を確保しようというもの。

また、いざとなったときの最終手段として、平ベルトワックス、野球のバットスリップ止めなどに使う、マツヤニをリムに塗りつける方式も有る。耐久性は低いがとにかく一発の使用には強い。

受付を済ませ車検に並ぶマシンとエントラント。さて無事合格するのだろうか
 
それとよく見かけるのが、ブレーキレバーを短く切っている場面。軽量化? 何の意味がある。そんなことよりも、しっかりとブレーキワイヤーを強く引くことが一番重要。そうなれば、短いレーバーでは無理で、自転車用を使うとしても、安物ではなく、剛性の有るマウンテンバイク用などのチョイスは考えるべきだ。