最後にやった改良は、ホーンボタンの位置
どういうものか、最近のホンダ大型バイクの大半が、ホーンボタンは方向指示器スイッチの上側にあり、形や力を加える方向からも使いにくい。というよりホーンが鳴らせない。
ホーンは緊急時に使用するものなので、親指が無意識に動く範囲にホーンボタンがないと、いざというときに役に立たない。
事実、これまでのツーリングでは、ホーンを鳴らし損ねたことが数回ある。事故に至らなかったのは、飛び出してきたクルマが、こちらから走るバイクを発見してくれたからであり、そうでなかったら事故。
アメリカのMVSS(モーター・ビークル・セーフティ・スタンダード)によるものなのか定かではないが、道路事情がアメリカとは違う。MVSSなんて無視すべき。確かに輸出仕様と同じにすれば、製造コストは下がるが、日本国内での安全性は担保されないと思う。
飛び出すクルマ、飛び出す人などはまずいないのがアメリカ。例え飛び出したとしても、道路の幅が広いので、十分に避けられる。
ハーレーの左ハンドルスイッチを見ると、確かに方向指示器スイッチ(スライドではなくプッシュするもので、右用は右のハンドルスイッチ部分にある)は方向指示器スイッチの上側だが、上下に長く親指が適当な動きをしても、ホーンボタンは無意識のうちに押せそうだ。
アメリカ・ハーレー
緊急時の押し易いホーンボタン位置は、一番下側であるのは当然の話。
欧州製バイクの左ハンドルスイッチを見ると、どのバイクも一番下側にホーンボタンがある。親指の守備範囲からすれば、ごく自然な位置であり、緊急時に使用するホーンのことを考えれば、当然で当たり前過ぎである。
ドイツ・BMW
イタリア・ドカティ
そこで、とりあえずアルミ板を加工して、ホーンレバー形状を作って使ってみた。親指を適当なところへ持っていっても、ホーンを鳴らすことが出来る。そして、これによる効果は一度経験したが、まだ納得できる状態ではない。
納得は出来ていないので、ガレージにあった適当な左ハンドルスイッチから、ホーンボタン部分だけを移植する作戦を慣行。
接点があるので。そこから延びるコードを確実に利用する。ただし、その接点を使うには、空間(ボックス)が必要になる。
つまり、既存のハンドルスイッチ部分でベストなところへホーンボタンを貼り付けるとなると、ハンドルスイッチに加工などの作業は最小限に止めたい。万が一のことを考えたときに、既存状態は絶対に必要だからだ。
ホーンボタンの接点を収めるボックスは、適当なプラスチックボックスから切り出して、接着剤により形を整える。それを、既存のハンドルスイッチ部分のベストな位置へ取り付けるには、そのハンドルスイッチの取り付ける部分の形に合わせる必要がある。
ピタリと形状が合っている必要があるため、ハンドルスイッチ側にアルミテープを貼り、取り付けるホーンボタンを組み込んだボックスに、アルミホイール修正パテを適量盛り付け、その状態からハンドルスイッチの、新しいホーンボタン取り付け部分に押し当て、パテ樹脂がある程度固まるまで放置。
固まってからパテが変形しないよう剥がし、更にハンドルスイッチ側に貼り付けておいたアルミテープも取る。
これで、パテが完全の硬化するまで放置し、盛り付けたパテの仕上げに移る。凸凹を修整するだけだが。
次は、ハンドルスイッチの中に組み込まれている接点に、新しく取り付けるホーンボタンからの配線コードを、正しい位置にハンダ付けする。
ハンダ付けがきれいに出来ないと、ショートなどのトラブルにつながるので、ここは注意して、小さなハンダごてを使って、1~2秒の作業で完成させることが重要。
ハンダで取り付けた部分には、トラブル防止を考えてビニールテープを貼っておく。
取り付けは、強力両面テープを使用。使っているうちに剥がれるようなら、両面テープを貼った上から工業用の瞬間接着剤で処理する。
これが完成した左ハンドル側のスイッチ。新たにホーンボタンを一番下の親指が自然に届く位置に取り付けた。既存のホーンボタンにもレバーを貼り付けた状態だが、これはいずれ取り外す
これで完成。ホーンボタンは納得の出来る位置に取り付けられた。万が一のことを考えて、既存のボタンはそのまま使える状態を保つ。