研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2014年11月2日日曜日

点火プラグの締め付け後における接地電極の向きについて、えっ、考えていなかったの、という状況が見える


これまで、点火プラグの締め付け後における接地電極の位置によっては、アイドル時の失火に結びつくようなことが起きるので、そのような条件にならないプラグを選んで、取り付けると良い方向に行くということを書いてきたが、それがどうも、そはうまくは行かない、ということがわかった。

つまり、数十年前にトヨタが「アイドル時の不安定燃焼を防ぐため、プラグメーカーに対して、接地電極の位置とネジの関係を統一させた」事が大きく関係していたのだ。

自動車メーカーがシリンダーヘッドの加工をするときに、プラグのネジ切りに関して、常に同じ位置から切り始めれば、プラグメーカーが作る点火プラグの接地電極位置と、燃焼で都合の良い状態は作り出せる。

それは、接地電極の開放している側(溶接部分の逆)が、吸気バルブ方向を向くようにすること。

点火プラグをしっかりと締め付けた後、接地電極の開放している側が吸気バルブ方向を向いていれば、混合気が点火プラグの電極間を流れる確率は高くなり、失火や斑な燃焼を引き起こすことがなくなりやすい。

特に回転数が低い領域では、タンブル(縦の渦)やスワール(横の渦)の発生が少なく、条件が悪い。

その条件の悪さを少しでも解消したい、というのが趣旨である。

さてここでよ~く考えてみると、点火プラグはどれも基本的に同じ位置に接地電極がある。N社は確認(画像でもわかるだろう)、D社は未確認。

このように、ふたつの点火プラグは、ほぼ同じネジの位置に接地電極が溶接されている。なので、点火プラグをしっかりと(ここ大事)締め付けてから、電極の開放側が吸気バルブ方向を向いていなかったら(完全でなくともいい。前後60度ぐらいはOKの範囲)、新品の点火プラグをいくつ購入しても、求める状態にはならない。その対策は、シム(極薄のワッシャ)を自作するか、ショップで購入して、点火プラグを取り付けるときに、標準ワッシャとの間に挟んで取り付けて解決する
 
ということは、もし今取り付けられている点火プラグの電極の向きが芳しくない場合、いくら新しい点火プラグを購入しても、求める位置に点火プラグの電極位置は来ないということ。

全てのバイクと自動車メーカーがこのことに対して、まじめに取り組んでいるわけではいないので(品質のことから考えても損だと思うのだが)、このようなエンジンに遭遇したときには、自分で解決するしか方法が無い。

そのときには、自分で薄いアルミ板や銅板を用いて作るか、チューニングショップ(カー用品店でもありそうだが)で販売している、専用のシムを購入して挟み込む。

点火プラグのネジピッチはBとDが1.25mmでCが1.0mmであるから、それを計算して挟み込むシムの厚さを計算すれば良い。

この方法で、ほぼベストな向きに点火プラグの締め付けが完了したことで、アイドル回転近くから穏やかに発進するとき、不意に発生していた、大きなミスファイヤーも無くなり、安心して走行できるように改善できた。

特にバイクで排気量とシリンダーボアの大きな2気筒や1気筒のエンジンにおいて、発進時にミスファイヤーやパスエンスト(パスッと言ってエンストするから)が出ていたら、この方法で解決出来る可能性は高い。