研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2015年4月24日金曜日

マツダCX-3に採用されたナチュラル・サウンド・スムーザーって何だ?その効果を検証する


CX-3に搭載されるエンジンは、なんと全てディーゼルだけ。そうは言っても、そのうちにガソリンエンジン搭載モデルの出現可能性は否定できない。つまり、マーケット次第だからである。

そのディーゼルだが、少しでも快適に、そして静かなエンジンとするため採用されたシステムが“ナチュラル・サウンド・スムーザー”と呼ばれるもので、ディーゼルに限らずガソリンエンジン(質量の関係で音は小さいから目立たない)でも発生する、コンロッドとピストンの、ある回転数と負荷による共振音を取り去ることが目的。

ディーゼルのノック音とも取れるカラカラ音だが、時と場合によっては騒音状態になるようだが、室内での騒音というより、室外、つまり周りに放射する音に気を遣って、ディーゼルの「うるさい」という悪い評価を、少しでも払拭させることが目的である。

本来、静かな「スカイアクティブ・ディーゼル」の更なる進化を目指したもので、動力性能に関係するものではない。

左はまだナチュラル・サウンド・スムーザーを押し込んでいないピストンピン。中央がナチュラル・サウンド・スムーザーで、これをピストンピンに圧入したものが右になる。わかり易くするため、一部をピンの穴から見せているが、本来はしっかりと入り込む構造
 
ピストンピンの穴の中に組み込むのだが、重量増による影響はどうなのだろうか。せっかく、ムービングパーツを軽く造り、気持ちよく回るディーゼルを造ったのだが、それは達成できているのだろうか。開発者に効くのを忘れた
どのような構造かというと、ピストンとコンロッドが共振するときに、どこかにダイナミックダンパーを取り付け、逆位相の振動を造れば、その造られた振動により、逆の振動はカラカラ音を打ち消すことになって、目的とする回転域と軽負荷時にピストン、コンロッドが暴れる音を軽減できるという発想である。

では、どこにそのダイナミックダンパーとなる装置を組み込むのかというと、それは、ピストンピンの穴部分である。

サウンド・スムーザーの構造は、中央部分が太くなっており、それをプレスでピストンピンに押し込むことで固定され、左右にはバネ鋼を介して、目的とする周波数帯を設定する小さな錘が取り付けられる。この錘がダイナミックダンパーの代わりをするのである。

このような周波数帯でカラカラ音を低減できるというが、その効果が目に見えているとはいえない
では実際にその効果はどうなのだろうか。これがなかなか難しい。当日は雨天ということもあって、走行ノイズが大きく、確認できない。また、完全に同じ仕様でなければ、これも判断が難しい。

そこでやってみたのが、停止してボンネットを開け、ニュートラル状態で、少しずつアクセルを踏み、エンジンからのノイズがどう変化するかテストすると、ある回転を境に(2500~3000)僅かだがエンジンからの音がいきなり消えることを確認できた。

それが、ナチュラル・サウンド・スムーザーの効果であるかどうかは不明だが、装備していない仕様では、そのような発見はなかったことを付け加えておこう。

CX-3は搭載されるエンジンの全てがディーゼルという設定だが、そのうちに・・・・・・
ディーゼルに限らず、エンジンからのカラカラ音は、ピストンコンロッドクランクシャフト、そして、クランクプーリーから放射される、ということを突き詰めた自動車メーカーがあり、それに対する対策を行ったことで、騒音を低減できた、という事例があるので、これを参考にして、更なる騒音対策をしてはどうか?ということをマツダの開発者にアドバイスしておいた。

2015年4月10日金曜日

巷に、まるでラリーカーを運転しているかのようなハンドルさばきが見られるのは何故だ


自動車教習所では、左折について、安全に曲がるには、教習生にどのように教えているのか。巷で見るドライバーの曲がり方からすると、十分でないような場面が多く出くわす。

左折では、出来るだけ道路の左側に寄り、左へ自転車やバイクが入ってこないようにするのが基本だが(それ以前の問題として、ブレーキを踏む前に方向指示器を出す、と言う訓練も十分に必要)、そうすると、素早いハンドル操作と、どの位置からハンドルを切ればいいかを、瞬間的に判断する必要に迫られる。

つまり、左へ曲がろうとする交差点で、どのくらい鼻先を交差点に突き出していれば、素早くハンドルをロックするまで切っても、左側を接触させないか、を知らなければいけない。

しかし、これをマスターするには、教習所内で脱輪、ポールへの接触を納得行くまでやらせる必要がありそうだ。

どのようにハンドルを切っていけば、クルマがどう曲がって、その判断が正しいのか、あるいは間違いなのか、教習生が自分で学習する必要があると思う。

集中できなくて、交差点を左へ曲がろうとすると、せっかく左側に寄って交差点に差し掛かっても、左の接触、脱輪を気にするあまり(特に電柱などが角にあると)、大回り、つまり一度右へハンドルを切って、左角に必要以上のクリアランスを作り、曲がることになる。果たしてそれでいいのだろうか。

自分一人の道路ではないので、曲がれればいいというものではないはず

左折でも交差点が広ければ、素早いハンドル操作は必要ないが、4m道路へ曲がるような場合は、素早いハンドル操作をするか(一度右へ切ってから左へという操作はしない場合)、ゆっくりとした速度で曲がれば、右に切ってから左へ曲がる、というような行為はやらないようだが、少しでも速度があると、どういうものか、一度右へ切ってから左へ曲がる、と言う行為が至るところで見受けられる。

左側を開ければ、そこにバイクや自転車が入り込む、という可能性を教習所で教えられているはずなのに、すっかり忘れる。

バイク乗りでもいろいろいるし、自転車ならなおさら。クルマと歩道の狭い間を走り、窮屈な思いをしてきたところに、広場(前方のクルマが右に寄ったため)が出来れば、ごく自然にそこへ行ってしまう。そして、次の瞬間、右側からクルマが押し寄せることになる。

でも、もし教習所で、どうして、何故を、徹底して教えられ、左折の場合は一度右へ切ってから左へ曲がるようなことをしてはいけない、と、教習所内のコースでも、ことあるごとに教え込んでおいたら、左折でポケット(隙間)など作るようなことはしないし、物理的に、一度右へ切ってから左へ曲がらなければならないような交差点では、十分に周囲(特に左後方)の安全を確かめるような習慣が身に付くはず。

そして、左折する場合、右へ切ってから、左へ切るな、と、息子にもさんざん言っておいたが、教習所を卒業してきたら(つまり免許を手にした)一度右へ切って、それから左へ曲がる、と言う習慣が身に付き、それを直させるのに時間が掛かった。つまり、教習所で矯正されていないということだ。

本人もこの曲がり方で何もいわれなかったと話していた。一度習慣になると、それを直すのは難しい。とにかく本人は、そんな操作をしている、と言う自覚がないのだから始末が悪い。

もっとひどい運転になると右折なのに、一度左へハンドルを切ってから右へ、という状況も見られる。

モータースポーツのラリーでは、コーナーを出来るだけ早く、そしてエンジン回転を保ったまま、ということを目標に、目的とする方向と反対にハンドルを切り、尻(クルマの後部)を振り出すきっかけの行為として行われる。

つまり、これはクルマを不安定な状態としながら、それをコントロールするための高度なテクニックであり、そのような状態での一般的な走行はありえない、というものだ。

そのあたりを十分に理解しないで、無意識の行為としてのハンドル操作を行うと、路面がスリップし易い状況では、クルマの後部が大きく流れ、コントロールが失われて事故を起こす。

さすがに雪国の人には見られない行為。降雪路でこのようなハンドル操作を無意識のうちにすれば、気が付いたときにはスピンして、事故になることは明白なのだから。

バイクに乗って、クルマの後についているとよくわかるのは、走行速度に関係なく、ブレーキを掛ける前に方向指示器を出し、左を開けずに左折をきれいに決めることの出来る人が、非常に少ないということ。

これは何とかしたいと常日頃思っているのだが・・・