研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2011年3月11日金曜日

緊急脱出用ハンマーは正しいところに装備していないと、いざというとき役に立たない

欧州で見た光景。それは観光バスや電車にも緊急脱出用ハンマーが装備されていること。

スイスに出かけたとき、最初に気が付いたのは、あの脱線した世界で一番遅い特急列車の中。次が観光バスの中で、ここでは搭載されていたことに気づくのが遅れた。どちらもベルトカット用の刃物は付いていない。

欧州の観光バスの窓は開閉できないデザインで、特に緊急脱出用ハンマーは必要と思われる。日本では、スライドの窓を使っているから、何かあっても開けられると思いがちだが、ボディが歪んでしまったら、開閉不可能。となると日本でも観光バスには装備するべきだと思う。

事故などでクルマの中に閉じ込められたときに有効活用できるのが、緊急脱出用ハンマーだが、車室内のどこにどのように装備するかで、実際の緊急時に役に立たないことがある。

よく見かけるのが(メーカーの試乗車にも多い)センターコンソール横のカーペットに取り付けるスタイル。

この場合であると、例えば、池や海などに飛び込んでしまったとき、ドアが開かないし(水圧で開かないし開ければ即沈没)、ウインドウも電動であると電気系がショートして作動しない。手回しなら余裕でウインドウを下げることが出来るが・・・

ここでは緊急脱出用ハンマーを取り出し、尖っている方を使って軽くドアのウインドウを叩けば、強化ガラスはバラバラになり、窓から脱出すれば助かる。つまりセンターコンソールのカーペットへ取り付けていても、十分に役に立つ。

しかし、事故や閉じ込めはこのように正立した状態で起きるとは限らない。横転したままであることも多い。となると、シートベルトに縛り付けられた状態の車内から出ることはできない。

「ベルトのバックルを外せば良いじゃないか」、などという軽い気持ちがあるなら、実際に体験すると、シートベルトのバックルが外せないことが分かるだろう。手が届かないわけではなく、バックルは引っ張られているときに、自由にならないようロック機構が装備されているのだ(シートベルトも)。試しに、乗車してシートベルトをしてから、そのベルトを引きながら、バックルを外してみると分かる。ボタンが押せないはずだ。

横転してしまうと、体重がシートベルトを強く引いてしまい、バックルは解除できない。ここから脱出するには、ベルトを切断しなければならない。

そこで、緊急脱出用ハンマー(ベルト切断機能のついたもの)の出番であるが、カーペットに取り付けてあると、横転した場合、見える状態でも手が届かない。クルマが火災でも起こしていたら、焼け死ぬのを待つだけ。

これでは緊急用脱出ハンマーが有っても役に立たない。ここまで説明すれば、どこに取り付ければ良いのか見当が付くだろう。

そう、フロアマットに取り付けておけば良いのだ。そうすれば、横転すると同時にフロアマットは自分の頭のところは落ちてくるはず。もちろん、後席の天井に移動してしまうこともあるだろうが、ハンマー単体でなければ、それほど遠くへ動かないであろうし、多少移動しても手が届く範囲にあるはず。

ワンボックスやミニバンであると、問題が出そうだが、それを想定すれば、緊急脱出用ハンマーを取り付けたフロアマット(或いはハンマーそのもの)と、コンソールボックスあたりを、紐で繋いでおく、という考えで解決できる。

緊急脱出用ハンマーを装備しているのなら、ぜひこのあたりを参考にして欲しい。説明書には書いてないことでもある。


1.スイスの「世界で一番遅い特急列車」に装備される、緊急脱出用ハンマー。気になったのは、説明がないこと。車内アナウンスがあっても、理解できなければ役に立たないので、これは説明書を壁に貼り付けてもらいたいものだ。

2.観光バスの中にも緊急脱出用ハンマーが装備される。事故に対する想定が日本より進んでいるという証だろう。

3.乗用車の中に装備するときには、このようにフロアマットへ取り付ける。そうすれば横転したときにも緊急脱出用ハンマーを手にすることが出来る。なお、装備するなら写真のようにベルトカッターの付いたものを選びたい。

4.話は違うが、ドイツのアウトバーン・サービスエリア有料トイレで見た光景。便器の中に小さなサッカーゴールがあり、その前には紐で小さなボールが釣り下がっている。狙うよな~「ゴール」