研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2014年9月6日土曜日

BMWのX4カタログに出ていた、奇妙なクランクシャフト


BMWが新発売したX4のカタログをしげしげと見ていて、4気筒エンジンなのに見たこともない形のクランクシャフト写真に、目が釘付けとなった。

 
カタログ写真なので、正確に判断するのは難しいが、それでもこれまでの直列4気筒クランクとは明らかに違う

これまでの4気筒クランクシャフトであれば、クランクピンの位置は1番と4番、2番と3番が一緒で180度ずれた位置にある。

しかし、どう見てもそのような造りではない。1番と2番、3番と4番が同じ位置にある。更によく観察すると、その1番と2番(3番、4番も)なんとなく位置(角度)が違うような感じも見える。

これもしかして270度クランク?


270度クランクを採用しているクルマは聞いたことがない。バイクではヤマハが10年以上前からこの270度クランクを市販の2気筒や排気量の大きな4気筒(YZF-R1)に採用し、ロードレースの最高峰であるモトGPマシンにもこの270度クランクを採用。ホンダも2気筒バイクのNC700,750には、この270度クランクを採用した。

2011年東京モーターショーに展示された、ヤマハ・モトGPマシンのクランクシャフト。4気筒なのにクロスプレーン型クランク。つまり、クランクピンの位置は90度づつずれた270度クランクとなる
 
では、なぜ不等間隔燃焼となる270度クランクを採用するのだろうか。ヤマハのサイトにはその理由が書かれているので、すでにご存知の方もいるだろう。

性能アップが目的ではなく、高回転まで回したときの素直さ、スムーズさを狙ったとか。それにより、ライダーは高回転を楽しめるので、余裕が出るからだという。

レースのマシンではそれが当然だが、ストリートバイクではどのような利点があるのだろうか。それは、燃焼による鼓動が低速から中速に掛けて味わえるからで、バイクを乗る人間の気持ちに訴える十分な要素を持つ。

確かに、2気筒であると時速100キロからの追い越し加速でも、しっかりと鼓動を感じさせる挙動が見えるのだ。

では、何故そのようなことになるかというと、それは、クランクシャフトの回転位置がどこにあっても、必ず動いているピストンが存在することに要因があるという。3気筒や6気筒では当然のことだが。

普通に180度クランク構造では、上死点、下死点は全てのピストンが同時になるため、必ず停止する状態が出てくる。しかし、270度クランクとすれば、常にどのピストンかは動いており、それが気持ちよさにつながるのである。

こう考えると、2リッター4気筒ターボのX4(それ以前から?)は、とにかくエンジンがスムーズで、とても4気筒とは思えない静けさがあるのはうなずけるのだが。

燃焼間隔が乱れるため、自然吸気エンジンであると重要な、排気脈動を使う性能アップは無理だが、ターボが装備されているので、それも関係ない。

6気筒仕様もあるため、4気筒2リッターであると、エンジンルームの換気性能は高い。更に鼻が軽いため、普通に走らせる中でも、楽しさが味わえる

アイドリング中にマフラー出口で排気音を聞いてみたが、ターボにかき回されるので、特別な音ではなかった。

この点について、日本のBMW広報へ聞いてみたが???という感じ。何故何故問答は、BMWのエンジン開発担当でもなければ無理かもしれないな。でも知りたい。日本の自動車メーカーのエンジン開発担当は、このようなことを知り尽くしているのだろうか。
新型X4。SUVとハッチバックセダンを融合させたような感じ。走行性は非常に自然で、かつ気持ちがいい。この感じでセダンを作って欲しいと思ったのは、私だけではないだろう