丸型、あるいは普通型と呼ばれるイグニッションコイルだが、その構造は至って簡単。入力電圧の割りに出力電圧が高いので(12Vを使って30000Vとするので)、特別な構造かと勘違いしてしまうが、基本的にトランスのような構造である。ただ、入力から出力に至るまでのプロセスが違うだけだ。
丸型のイグニッションコイルでは、1次コイルと2次コイルがコア(薄い珪素鋼の板を重ね合わせたもの)に巻かれている。2次コイルは0.05~0.1mmの細いエナメル線を15000~30000回巻き、その上に0.5~1.0mmのエナメル線を150~300回重ねて巻いている。コイル1層ごとにコイル間の短絡を防止するため、薄くて絶縁性の高い絶縁紙が巻き込んである。
鉄板をプレスして作った外筒との空間には、ピッチかオイルを充填して絶縁すると共に、使用中にコイルから発生する熱を放出させる役目も持つ。
2次コイルの巻き始めは鉄心に沿わせスプリングを介して2次端子(高電圧を取り出す側。俗にコイルコード差込側)に接続されている。2次コイルの巻き終わりは、1次コイルの巻き始めと繋がっており、1次ターミナルのプラス側へ接続される。1次コイルの巻き終わりは、1次ターミナルのマイナス端子に接続される。なお、両方のコイルは同方向へ巻いてある。
1.これが普通型(丸型)イグニッションコイルの断面
2.イグニッションコイルの構造を図示するとこのようになる