研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2014年4月6日日曜日

第41回・今年のモーターサイクルショウで気になった一台

毎年、この時期に開催されているモーターサイクルショウだが、今のようなメーカーやショップ主体は最初からではなかった。

モーターサイクルショウは、個人の持っているバイクを見せ合うことをコンセプトとして、自動車ジャーナリストである大久保力氏が始めたもので、私も自身で改造したバイクや、海外でコンペティションに参加したときのバイクを何度か出品したことがある。出品料は無料だった。

そのような個人ユーザーの自慢のバイクを展示することから始まったモーターサイクルショウだが、時代と共に大きな力の影響を受け、主催者が変わると共にメーカー、インポーター、ショップ主体の大イベントに成長した。これはこれで素晴らしいことであると思う。何しろ海外メーカーでは、モーターショウへの出品より、モーターサイクルショウへの出品の方へ重点を置いているほどだから。

毎年、欠かさずにこのイベントには顔を出しているが、今年は特に気になったバイクがあったので、それを紹介したい。

このバイクが今年中に販売されるというMT-07。スポーツバイクではなくツーリングバイクというカテゴリーになる

ヤマハのブースに有った、MT-07というバイクである。排気量は700(689cc)で、2気筒。クランクは180度でもなければ360度でもない。ヤマハお得意の270度クランクである。ヤマハは10年以上前から市販の2気筒バイクに採用し、また、モトGP用のマシンも、4気筒に対して270度クランクを採用する。高回転時の気持ちよさが違うという。

270度クランクのいいところは、片方のピストンが何処の位置にあっても、残りのピストンは動きを持つ状態にあること。これによって、実に気持ちのいいモーメント振動が生まれる。270度クランクのエンジン。バランサーシャフトも装備。ホンダNCシリーズのように左右のバルブタイミングを変更して、燃焼圧力に変化を与えているかどうかは不明

180度や360度では、例え4気筒であっても、どこかのピストンが上死点、もしくは下死点にあるとき、必ず他のピストンも同様な位置にあり、一瞬では有るが動きが止まる。そのことで楽しさは阻害されるのだ。直列6気筒の感触を知っている人なら分かる。この6気筒も同様な状態にあるからだ。

それは置いといて、とにかく楽しいクランク角度の配置。ホンダが2012年に発売したNC700シリーズも同様の270度クランクを採用しており、その鼓動はこれまでのホンダ車には無いものを持っている。

そして、ホンダのNC700シリーズは、価格的にも購入しやすいこともあり、大型バイクとしては、販売台数が多い。でも、教習所での大型バイク免許用講習バイクは、750ccと決められているそうで、それに合わせてNC700もNC750に変わり、価格も高くなった。果たして持続的に売れるのか・・・

そのあたりに影響されたのか、ヤマハはあえて700で挑戦。ホンダのNCよりコンパクトで、ツーリングにおける走行性で大切なハンドリングに関しても、ニュートラルであるというから、このあたりは興味あるところ。

但し、ホンダのNC700(750)シリーズのように、ガソリンタンク部分はボックスになっていない。ガソリンタンクとなる場所が、フルフェイスヘルメットが入るほどのボックスであるNC700(750)シリーズは、そこに大きな魅力があるのだが。