研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2014年2月7日金曜日

ブレーキ液が一人で完璧に交換できる“これぞワンマン・ブリーダー”

ブレーキのオーバーホールや、定期的に行うブレーキ液の交換では、ブレーキの全システムやパイプラインから、確実にエアを排出させなければ、ブレーキ性能を得ることが出来ない。

一般的には、メカニック二人で声を掛け合って、ブリーダープラグからエアを排出させるため、ブリーダープラグを緩めたり締めたりする。そのときにはブレーキペダルを「踏めー」「踏んだー」、「離せー」「離した」などの掛け声でやる。

これをやる必要のある理由は、ブレーキペダルを踏みつけてエア混じりのブレーキ液を排出させ、その後にペダルを放すと、マスターシリンダーから送られたブレーキ液を補充する作用がマスターシリンダーに発生。

それはブレーキライン全体にバキュームが起きる結果となり、一度排出したエア混じりのブレーキ液を吸い戻すだけではなく、ブリーザープラグのネジ部分からも、大気圧が加わり、エアがホイールシリンダーやキャリパーシリンダーに入ってしまう。これを防止するためには、ブレーキペダルを踏みつけている状態で、ブリーダープラグを閉め、エアを再度吸引しないようにする必要があるのだ。

しかし、一人だったらどうするか。

私の場合には、エンジンオイルをレベルゲージから吸引するバキュームポンプを使用する。この話は後日取り上げる。

世界には、一人でやりたい、やらなければならない方が多くおいでになるようで、海外では、素晴らしい部品を作っている。

それは、ワンマン・ブリーダープラグと呼ばれるものだ。

ブリーダープラグの排出部分にホースを取り付けて、そのホースにチェックバルブ(ワンウエイ)を設けたような、いい加減なものとは違う。

ワンマンでやることの問題点に、真正面から取り組み、それを解決している。

機構的なこととしては、ブレーキペダルを踏んで離したときに、ブリーダープラグ周りから、エアを吸い込まないことだけでいい。但し、これが少々厄介。

どこかにチェックバルブ機構を設ける必要があるからだ。

ここで、素晴らしい構造のワンマン・ブリーダープラグを紹介しよう。

一つは、40年ほど前にイギリスで購入したもの
これが40年も前にイギリスで購入した、ワンマン・ブリーダープラグ。確実にチェックバルブ構造となるため、ブレーキペダルを踏んで放した後に発生するエアの吸い戻しはない 

ブリーダープラグのシート部分を分離し、スライドできるような構造として、そこにスプリングを組み合わせた。これでブリーダープラグを緩めれば、チェックバルブ機構が成立し、排出しても、その後に吸引されることはない。

締め付けネジ部分も関係なくなるので、耐久性は高い。

もう一つは、アメリカで購入したもの。外観上は何の変哲もない状態だが、内部にはチャックバルブが組み込まれている。
 
カットモデルを作ったので、見てもらえればわかる。但し、この構造では、ブリーダープラグと、キャリパーやシリンダーのネジ部分からエアを吸い戻すことになるため、樹脂のコーティングがネジ部分にあ
るが、どの位使えるのか不明だ。

どこかのショップか工場で、イギリスで購入してきたものを複製するところはないものだろうか。見本は提供してもいいのだが。