研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2014年2月14日金曜日

タイヤチェーン、付けるのは前、後ろ?

最近、関東地方の平野部分にも雪の降ることが多くなった。それは自然のことだからどうしようもないのだが、人間はそれを乗り越える知恵を身につけてきたはず。

その一つが、クルマを走らせるときのタイヤチェーンである。素晴らしいスタッドレスタイヤも登場しているが、舗装路面以外でそれ以上の駆動・制動性能を持つのがタイヤチェーンである。

さて問題はここから。

新車発表会の帰宅途中、降車した駅から自宅まで歩いていると、また翌日には雪が降る(2月14日の予報)ということなのだろう、とあるパン屋さんの前で、そこの配達用と思われる軽自動車にタイヤチェーンを取り付けているシーンに出くわした。

サクサク作業を行っていたら、何も気に留めなかったのだが、少々てこずっている。

元来がお節介の性分だから、その状況を数秒観察すると、どうやら、タイヤチェーンのつける位置が違っている。そのクルマはスズキのエブリイ・バン。ということは後輪駆動。なのに前輪に取り付けようとしている。4WDであるなら、前輪に取り付けても、セレクターで4WDシフトをすれば走るのだが・・・

それを見て「あの~チョットいいですか」と声を掛けながら、「このクルマ後輪駆動ですから、後輪にタイヤチェーンは付けないとダメですが」といったところ。「このクルマはFFだから、前輪にタイヤチェーンを付けるようにアドバイスされたのですが」。という話。

誰だ~そんないい加減なアドバイスをしたのは。軽自動車の多くはFFだから、前輪にタイヤチェーンを巻くというのは正解なのだが(絶対ではない、その話は後述)、トラックをベースにした軽自動車は後輪駆動。

後輪に取り付けなければいけないということを納得してもらうため(駆動輪に付けるということは理解していたので)、「ほら、ここにデフがあるでしょ。4WDなら少し話は違いますが」「いえ、このクルマは2輪駆動です」。ということで納得してくれた。

よって、エブリイ・バンなどは、後輪にタイヤチェーンを付けるのが正しい。

たまたま、正しい知識を持つ人間が通りかかったからいいようなもの、そのまま雪降る世界へ飛び出していたら、スタック間違いなし。チェーン装着だから安心、という勘違いで速度を出していたら、コントロールを失って、事故が起きていたかもしれない。

よかった、事故を未然に防げた

後述とした内容

それは、FFだからといって、走る場所によってタイヤチェーンを何処に取り付けるか、判断が重要という話。

何のことか分からない、という方に・・・FF車で、タイヤチェーンを付けて、下りのコーナーを駆け抜けると、どうなる?

アクセルを戻せばエンジンブレーキが掛かる。そのエンジンブレーキは前輪に掛かる。つまり、スリップしやすいところで前輪だけブレーキをかければ、後輪が外に飛び出す。これ道理

こうなったら、神に祈るだけ。どうコントロールしても元には戻らない。コーナリングに余裕があれば、アクセルを踏んで前輪に駆動を与え、立て直すことは可能だが、そんな余裕とドライビング技術を持ったドライバーなら、そのような状況となる前に、自然と回避しているだろう。

では、どうしたらいいのだろうか。タイヤチェーンがもう一組あれば全てのタイヤにタイヤチェーンを取り付ける。

既に取り付けているものしかないときには、対角線上に1本は前輪に、残る1本は後輪に取り付ける(くれぐれも、片側の前後に取り付けないこと)。

これでコーナリングの最中にエンジンブレーキをかけても飛び出すことはないが、ブレーキペダルを踏むとハンドルを取られる可能性はある。しかし、ABSを装備していれば、その恩恵にあずかることができるので、安定してブレーキペダルは踏める。