研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2013年12月1日日曜日

いまだにある、やり尽くしていない状態での自動車販売

モデルチェンジしたばかりのクルマとか、ニューモデルなどは、発売してすぐに買ってはいけない、ということを言われてきたが、一部の自動車メーカーのクルマでは、いまだにその状態が続いているような感じだ。

何故そのようなことが起きるのか、それは、新しいクルマの開発・企画で、販売を担当する営業も同席し、発表・販売時期を何年・何月・何日まで決めるのだが、これは何処の自動車・バイクメーカーも同じ(海外は知らない)。ただし、そのことで問題が出る場合があるということ。

発表・発売時期が近づいて、全ての開発と実験・走行が終了し、何処からも批判されないクルマに仕上がっているのなら問題ないのだが、往々にして、開発から「もう少し時間をくれ、せめて1ヶ月」などという意見が、営業に伝えられる。

「了解、思う存分、納得のいくまで開発を行ってくれ」という、購入したユーザーを第一に考えるメーカーも有るだろうが、言い方は悪いが「未完成でも、とりあえず売ってしまえ」、と計画重視の営業から、逆切れされているような場合があることを見て取れる。

発表・発売が遅れれば、当然利益はその分少なくなる。ライバルメーカーの同様なクルマへ購入者が流れてしまうこともある訳だから、営業としては、会社の利益を考えた場合、それはあってはならないこと。そのため開発グループに対して「発売が遅れたら、いったい何億損をするのか、知っているだろうな」。というような発言が、今でも飛び交うようだ。

このような話は、メーカーの開発者と未完成の話をしているときに聞くことがあるので、そのときには、このような内容で切り返しなさい、とアドバイスする。それは「開発をやりつくしていない状態のクルマを購入したユーザーでも、その内、何かおかしい、ということには気が付くし、ネットでもそのクルマに対する評価が出てくれば、当然未完成のクルマを売りつけられた、と分かる」「こうなれば、リピーターになってはくれないし、購入を希望するお客を紹介してもくれない」「そのときの損失は、いったい何十億になるのか考えたことはあるか」。という内容である。

これが、どれほど効果を生むか分からないが、実際に販売店では、直接矢面に立たされているわけだから、開発をやりつくしたクルマと、そうでないクルマのお客さんは、当然気持ちが違うはず。それをダイレクトに感じている販売店からの意見も重要だ。

見た目には分からない未完成・開発途中のクルマ。自動車ジャーナリストでも、それを見極められない方は多いので、当然、一般ユーザーが、数十分ディーラーで試乗しても分かるはずがない。雑誌の試乗記にも欠点や未完成と思われる内容が書かれていることは少ないからだ。

コンピューターによる解析が進んでいなかった時代では、ハード(ボディ構造、サスペンション構造と作動軌跡など、制御部分ではない)に問題や未完成部分を見ることはあった。コンピューターによる解析技術が進んだ現在でも、ハード部分の未完成が絶対ないわけではないが、やはり制御と、その使い方に未完成部分を見つけることがある。

欧州車には個性とか思い違いという特徴はあっても、おかしなところは感じたことがない(認識が足らないのか?)ので、開発をやりつくしてからでないと、販売店に並ばないのかもしれない。