研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2012年11月2日金曜日

ポイント式点火装置を勉強する その⑥

ポイントのギャップが大きいときには、このように乱れた波形になってしまう

 

ポイントのギャップで重要なのは、閉じている時間と開いている時間のバランス。つまり、ギャップが狭くても(コイルの発熱が多くなる)広くてもダメ。

広いと何がダメなのかと言うと、高回転時のコイルへの通電時間が短くなり(業界用語ではコイルへのチャージと言う)、その結果スパークエネルギーが低下する。

ポイントギャップが広くなると、1次波形も、ポイントが閉じるとき電流に乱れの生じている様子が分かる。この結果、次の点火に支障が出てしまう

1気筒エンジンなら、かなり適当にいじってもそれほど問題とはならないが、マルチエンジンでは重要となる。自作したデモ機の場合には、3気筒だったので、その点ではかなり有利。

これが、4気筒、6気筒となったら、シビアになる。まして、昔のV8エンジンとなったら、非常にデリケート。そして、いくらギャップを正しくしても、6気筒や8気筒ようなエンジンでは高回転時の点火エネルギーが不足し、かつ点火時期が遅れるため、高回転時の燃焼が難しくなってしまう。

2次波形を見るとそのエネルギーが小さく、そして放電時間も短いことが分かる。これではまともに燃焼できず、HCを多量に排出することとなる