時々思い出すのだが、インドネシアの独立戦争で、当時生き残った日本兵が、その独立戦争に加わり、インドネシアの独立を助けた実話。
その当事者に直接お会いしたことがある。大学3年生だったと思う。
その方は、日本人の奥様と共に、胃潰瘍の手術を受けるため一時日本へ戻っていた。病院へのお見舞いでお会いしたのだが、何故そのような方と繋がりがあるのかというと、それは当時父親がインドネシアの林業開発に関する仕事をしていた関係で、現地で知り合いとなっていたのだ。その方は『橋本さんという』。
橋本さんは、戦争のとき捕虜となり投獄されたのだが、見張りの憲兵を倒して脱出。インドネシアがオランダの植民地だったため、インドネシア軍に加わり、独立戦争を共に戦ったという。
その橋本さんとはそれ以来会うことはなかったのだが、橋本さんが韓国でヒーロー扱いを受けている、という話を1973年の本誌(モ-ターサイクリスト)主催、韓国でのラリーで、ルートの確認走行をしているとき、案内をしてくれた韓国の方(日本語はペラペラ)からビックリする話を聞かされた。
どんな話から橋本さんへ繋がったのかは覚えていない。たぶん今走っている高速道路は一部、10キロほど、有事の時には飛行機の滑走路として使うという、戦争の話からだったように思う。
スハルデマン橋本(勇者橋本と訳すらしい)は、戦争直後から韓国ではヒーローだから、日本国内では知らない人はいないだろう、ということだったが、残念にも、知る人ぞ知るで、その活躍は完全に無視されていた。
でも、橋本さんとは面識があり、父親の関係でお会いしたことがあり、憲兵だった橋本さんは、銃殺される前に、見張りの兵士を刺し殺し、脱出したという。
この話を、同行の韓国の方に話すと、それはすごい・・・かなりビックリされたようだった。
これを、天皇陛下がインドネシアの独立戦争で戦った日本兵の墓を慰霊したということで思い出した。