研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2015年2月15日日曜日

今だから話そう:実は2007年、当時ホンダのF1開発関係者と:こんなやり取りをしていた 画像追加


ホンダがシャシーの開発まで行っていた前回のF1であるが、そのシャシー開発には未知な部分が多く、特にフロントサスペンションについては、苦労の連続であることを見て取れていた。

そこで、秘蔵していた“チャンピオンマシン・ルノー(アロンソのマシンと同型)のサスペンション内部構造を撮影した画像を、ホンダのF1関係者に送ったのだ。

アロンソがチャンピオンを取る前年のルノーF1マシン。サスペンションなどの構造はチャンピオンマシンと同じだという

これが証拠のルノーF1フロントサスペンション構造。この写真を撮影しようとしたのではなく、クラッチ、ブレーキペダルはどのように配置されているのか知りたくて、中を覗いたら、トーボードが外されていて、サスペンション構造が丸見えだったということ。エンジンは外されている、ということを関係者は言っていたので、もしかすると、ワイヤーハーネスと一緒になっているアクセルなどと共にトーボードも取り外さなければならない構造だったのかもしれない
 
それを踏まえて、以下のようなメールを出した

先日のルノーF1サスペンションいかがでしたか?

ところで、○月○日に、ホンダレーシングの発表会がありますが、ホンダF1シャシー担当者への質問として、フロントサスペンションはどうしているのか、以下のような質問をしてもよろしいでしょうか。

F1のフロントサスペンションは、かなり以前から作動させないほうがベストである、という結論が出て(F1ばかりではないと思うが)、フェラーリやルノーは、スプリングを持たない方式でやってきている。

完全リジッドではなく、圧縮側に作動するストロークを持たず、伸び側に僅かなストロークを持つだけ。

ホンダは、昨年の最終戦までは(はっきりしない)、スプリングを持つ方式でやってきたようだが、これでは、フロントウイングに対する空力が悪くなると考えられる。当然、空力だけではなく、操縦性の全てに関しても同様だと考える。

何故、さっさとスプリングレス方式にしなかったのか?更にルノーF1の2006年モデルでは。フロントについてはサスペンションを完全に作動させないリジッド方式を採用していたという話も聞くが、このような情報に対して、ホンダの今後の取り組みはどのようなするのか。

という、答えにくい質問をしようと思うのですが、いかがでしょうか?

このようなメールの返信は・・・・・・

 
F1マシンの発表会があることは承知していますが、このような込み入った、内容の濃い秘密の質問には答えてくれないでしょうし、質問しないほうがいいと思います。ややこしくなりそうですから。

ルノーのサスペンションは写真から詳細に分析中です。当然、作動のジオメトリーを含めてです。

さて、かなり気になっているホンダのフロントサスペンションですが・・・ルノーと同じようなレイアウトになっています。

現段階ではスプリングはまったくなく、圧縮側、伸び側はダンパーで考えています。

ただし、コースによっては縁石を使うことによるタイムアップを狙う観点から、過渡領域での空力変化を最小限に押さえ込むことのアイディアとして、トーションバーとスタビとの組み合わせでの効果を考えていることも事実です。

リジッドにした場合のストレートのバンピー路面での車体挙動の安定化、ダウンフォースのよる接地タフネスなど、サードダンパーの使い方などいろいろ考えているところです。

という返事が来ていたのである。当時、いかに右往左往していたか、よくわかる。今では、笑い話の部類だが・・・

そして、最近のマシンでは、フロントサスペンションの動きを、タイヤやシャシー剛性、リヤサスペンションとの絡みで、実にバランスよく作動させていることがわかる。作動させすぎのマシンはやはり性能が劣っている。

2014年チャンピオンマシンのメルセデスは、実に穏やかな動きで、そのスムーズな作動が素晴らしい。バランスのよさも見て取れる。このシャシーに勝てるマシンは出てくるのだろうか。無理だろうな~