ポイントが正常でなければ波形も変化する
ポイント接点の状態とポイントギャップが重要。もちろん点火時期や進角装置が正しく作動していなければならないのは当然のこと
進角装置にはふたつ組み込まれているのが一般的。ガバナ進角とバキューム進角。ガバナ進角は、エンジン回転数上昇に合わせてある回転まで点火時期を進める装置。バキューム進角は、基本的にエンジンの負荷によって点火時期を変化させるのだが、排気ガス規制が出来たことで、少し目的が変わってしまった、と言うより機能が追加された。
バキューム進角は、スロットルバルブに作用するバキューム圧(スロットルバルブとスロットルボア間に発生する)を利用するのだが、スロットルバルブが完全に閉じている場合に、少しでも燃焼条件を良くするため、アイドル時だけの進角を行ったり、軽い負荷が加わったとき、遅角(点火時期を遅らせる。NOx対策)も行う機構が組み込まれているものもある。
これらの装置が正しく作動しているとして、話を進める。
ポイント式点火装置の波形を見ることで、しっかりと点火エネルギーが出ているかどうかの判断が出来るのだが、それを見るためには、点火装置のデモ機を造る必要があるのだが、それは前回のレポートのように何とか完成した。
当初は100Vから電気を取り・・・と考えていたが、それよりもバッテリーを2個使用し、点火装置用、モーター用としたほうがよさそうだと言うことが分かった。と言うよりその方が造りやすいのだ。
波形測定には数十年前に購入したアナログのオシログラフを使う。2現象だが、同時に(といっても代わり番になるが)測定すると、波形がややこしくなるのでプローブはそれぞれ繋いだ状態にして、別々に測定する。
1次波形はコイルのマイナス側から取り、2次波形は点火プラグのアース側とデモ装置のグランドの間に、特別に製造してもらったアダプターを入れ、電流値を電圧に変換したものを測定し、エネルギーの比較を行う。電圧の波形を取ることも可能だが、比較が難しそうなのでやめた。
また、当初、回転数を可変にするということで、可変抵抗などを組み合わせたが、これは間違いだった。それは、回転数が変化すると波形も変化するからだ。そのため、最初にテストしたときの波形は使えないので、改めて配線をやり直し、可変抵抗器を取り去り、ダイレクトに12Vを加え、最高回転数での波形だけに止めた。
結果として、ポイントが荒れた状態を再現できなかったので(磨いてしまったので)、ポイントが荒れたときの波形は、その後に見る波形と状態が少し違っている。ただし、ファンクションダイヤルの位置は変更していないので、荒れた状態のポイントによる1次波形は、違いがしっかりと分かる。また、そのときの2次波形も取り忘れた。