プラグコードと点火プラグには、雑音防止と言う観点からある抵抗値を負荷している。ただ、プラグコードにカーボンコードと称するものを使用していると、長さによって抵抗が違うため、その値はバラバラ。
その抵抗を、長さに関係なく一定としたものが、ウルトラのシリコンコードで、プラグキャップとディスビ側ブーツ部分にそれぞれ1kΩ、トータル2kΩの抵抗を取り付けている(ブルーポイント・パワーコードは0.5kΩ)ため、安定した点火エネルギーを供給できる構造。さらに純粋のシリコンゴムを使っているため耐候性に優れ、経年劣化が少ないことも特徴。
カーボンコードでは長さ1mで約20kΩ程の抵抗を負荷しているので、長さによる違いが、プラグのスパークエネルギーに、微妙な影響を与えている、と考えても不思議ではない。
「流れる電流地が非常に小さいので、抵抗は関係ない」と考える方もいるが、少しでも性能を阻害するファクターを排除したいと考えるなら、一定の抵抗のほうが望ましいはず。ちなみに、点火プラグに掛かる電圧は普通点火方式で15000V(CDIであると45000V)程だが、実際にはこの電圧に達する前にスパークが開始されるため、最大電圧は電流に置き換えられ、点火エネルギーが増大する。
現在では点火プラグも抵抗付きが標準で、以前は抵抗無しや、ギャップ内臓と言うものも有ったが、ギャップ付はプラグのスパークエネルギーが大きくなる反面、要求電圧が高くなる(=コイルの発熱なので、高くならない程度とメーカーでは言っていたが)ばかりでなく、雑音が多く発生するため、現在では製造されていない。
1.ウルトラのシリコンコード抵抗を測ってみると2.01kΩ(ファンクションスイッチは20kΩ)。0.01kΩオーバーは接触誤差と判断して差し支えない数字。プラグキャップ部分に1kΩ、ディスビ側ブーツに1kΩを加えている。
2.手元にあったカーボンプラグコードの抵抗を測ってみると10.41kΩ。長さは約50cmだった。
3.約30cmの短い方を測ると7.13kΩで、3kΩ以上の差がある。この差がどう出るのかは、判定が難しいけれど、誤差のないほうが良いに決まっているのは確かだ。
4.プラグに負荷している抵抗を測ってみると、意外なことが分かった。旧タイプの日立製は抵抗無しの000Ω。
5.同様な時期に造られたNGKでは、導通なしであることから、ギャップ内蔵型であることが分かる。目的から考えると、おそらく抵抗は負荷していないだろう。
6.使い古した白金のR(抵抗)付では4.04kΩ。相場は5kΩと言うことになっているが、どうやら違うようだ。使用状態を考慮したものなのか。
7.新品のバイク用R付きタイプでは5.82kΩの抵抗。点火方式がCDIと言うことを考慮したのか、何かの機会に聞いてみたい。
ウルトラのシリコンコードについて、永井電子より