研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2022年9月5日月曜日

TVのコメンテーターが、大気汚染に関係する、現代のクルマ構造と規制について知らないのに、事故が起きると心配だし、そのようなことが起きるかもしれない、と言う話をしていたことにあきれる

 

きれいな海の海岸近くに、ルーフだけを出して沈んでいるクルマ。その原因は、大潮による海面上昇と、安易な考えでの行動だが、そのことは関係なく、あるコメンテーターは「ガソリンが漏れていなくてよかったですね、海が汚れないですから」と言う内容だったが、その場にいたほかの方々も「そうですね」と、相槌を打った。

チョッと待て、ガソリンが漏れなくてよかったではなく、ガソリンが漏れない構造であると言うことを説明すべきではなかったのかな。

クルマの燃料系は基本的に密閉(ガソリンタンクがガソリン消費によって減圧されるとガソリンが供給されなくなるので、そのためのワンウエイバルブが取り付けられる)で、燃料が蒸発することでHC(炭化水素)を大気中に放出したのでは問題。それは大気汚染となるので、クルマの燃料系は完全密閉である。

それは、ガソリンスタンドで燃料キャップを開けたときにも分かる。「プシュー」と言う音がするはず。これつまりHCで、走行中はこのHCが大気放出されないよう、キャニスターと言う活性炭を使用したものの中に溜め込んで、エンジン始動時には常時吸い出し、それを燃焼に使うと言う構造。なので、液体であるガソリンが漏れだすことはない。

もし漏れていたら、それは故障。もちろんこの構造は法律で決められており、全て(規制が出来る前は除く)のクルマがこのような構造となっている。

2022年8月24日水曜日

バイクのパッキンを破損せずに剥がし、簡単に再利用できる、特別な方法は???

 

バイクの修理などで、シリンダーを外したりクラッチカバーを取ると、パッキン(ガスケット)がどちらかにしっかりと張り付き、それを剥がしたら、パッキン破れ、再使用できなくなることは普通に起きる。また、パッキンが張り付いていると、簡単にカバーなどを取り外すことも難しい。

更に張り付いたパッキンをきれいに剥がすことも大変な作業で、仕上げに、小さな細かいオイルストーンで仕上げるのもヤッカイ。新品のパッキンも必要になる。

そこで私がやっているのは、使用するパッキンの裏表にグリースを塗布すること。薄くではなく、締め付けたとき必要以上にはみ出ない量。

親指と人差し指にグリースを適量取ってから、パッキンを挟むようにして、塗り残しが出ないように摺りこむ感じで塗布する。塗り残し部分があると、そこがケースと張り付くので、そうならないように最後は確認する。

このようにグリースを塗布してやると、パッキンはケースに張り付かないので、ボルト・ナットを取り外すと、簡単に分離できる。そのため、パッキンにはダメージが加わらず、数回の再使用はできるし、ケースの合わせ面の掃除も必要がない。オイルがベタベタの状態で、なんら問題はない。

レース場でのメンテナンスでは、シリンダーやクラッチカバーを取り外すことがあるようだが、この処理をやっておくと、整備の時間が大幅に短縮できるだけではなく、再組み立てでのトラブルの発生も少ない。

グリースを塗布したパッキンを使うとオイル漏れが生じるのではないかと懸念されるが、その心配はなく、組み付けてから数千キロ走っているが、一切のオイル漏れや滲みもない。

だまされたと思って、ぜひ実行してみてください。

2022年8月17日水曜日

夏になったら、クルマの暴走事故が増えた???

 

ブレーキとアクセルを踏み間違ったら、当然減速せずに加速するが、運転手はブレーキペダルのつもりでいるから、力強くアクセルペダルを踏むため、全開での加速となり、ドライバーはそれとは知らず、ブレーキが故障していると判断し、障害物(とは限らないが)に突っ込んで暴走事故となる。

これが、一般ドライバーばかりではなく、運転のプロであるタクシーにも発生するから始末が悪い。

だから、いつも言うように、2ペダルのクルマでは左足での(ハンディキャッパーは別)ブレーキペダル操作をすればいい。

高齢者でも時間を掛けて練習すれば、左足ブレーキは使えるようになる。

そして、事故に結びつく予測運転が普通になり自然に操作するので、周りや同乗者がビックリする状態であっても、運転者はパニックを引き起こさず穏やか運転に終始する。

また、渋滞で走ったり止まったりを繰り返すとき、ブレーキペダルを右足だけで踏み続けるのは、疲れるが、そんなときには両足でブレーキペダルを踏むといい。ブレーキペダルを踏む、と言う力を加えなくても、両足の重さだけでクルマを停止状態に保てる。そのため疲労が少なくて済むのである。

2022年7月28日木曜日

チューブレスタイヤ、出先でのパンクはどうする。正式な修理ではないが、取りあえずなら簡単に直せるのだが・・・出も十分に使える修理法だ

 

ユーチューブを見ていると、ツーリング途中でリヤタイヤがパンクし、それを自分で直さないでバイクショップにお願いしたり、修理ではなくタイヤ交換などの手当てをしていることがあるようだが、チューブレスタイヤの場合には、タイヤが切れたりしていない限り、現場での修理は可能なのだ。もちろん正式な修理ではないが、十分使用に耐えるものがある。

       ガスボンベは別だが、ニシノシールキットはこれ。使い方はここで説明できるものではないので省略。ガスボンベとバルブに装着するアダプターは、共にバイク用品店などで販売されている。


チューブレスタイヤのパンク修理を正式にやるには、タイヤをリム(もしくはホイール)から取り外し、パンクしている部分に内側からチューブのパンクに使用するパッチをゴムのりを使用して張り付ける。或いは、傘状のゴムを穴の開いた部分にタイヤの内側から押し込んで穴を塞ぐという方式。でも、これかなり面倒・・・

チューブレスだったら、瞬間パンク修理材と言うものも有る程度有効。更に、この手のものとして考えておきたいのが、クルマ(最近の乗用車)にスペアタイヤではなく、パンク修理キットが搭載されており、そこで使用するパンク修理用の液体を使うと言う手も有る。

もちろん空気を入れなければならないので、携帯できるコンプレッサーを持っていなければならないが、炭酸ガスボンベでパンク修理用が販売されているので、それを使用すればいいだけのこと。

それを紹介してみたいのだが、その前にチューブ仕様だったらどうするか。

これはバイクからリムごとタイヤを外し、そのタイヤをリムからタイヤレバーなどを使用して片側だけ外して、チューブを取り出し、穴の開いている場所を見つけ、その穴をパッチ(自転車用で十分出来るし、実際にそれを使ってツーリング途中にパンク修理した)。

        100円ショップで購入した自転車パンク修理キット。ここに入っているゴムのりはニシノシール使用のチューブレスタイヤ修理にも使える

自転車用のパッチや使用するゴムのりは、100円ショップで販売されており、これを利用する。

ただし、バイクからリムごとタイヤを外すには、メインスタンドのないバイクであると、誰かにバイクを支えてもらわないと無理。でも、角材や専用の突っ張り棒など自作すれば、問題ない。

間違っても瞬間パンク修理材をチューブタイヤのパンク修理に使ってはいけない。パンクの修理が不可能と言うだけではなく、チューブ内に残る液体が悪さをするからだ。

オフロードバイクだとビードストッパーなるものが装着されているが、レースでもなければ必要を感じないので、余裕があるときに取り外しておく。出先でビードストッパー付きタイヤのパンク修理はやりたくない。

           チューブ使用にタイヤでは、このようなタイヤレバーが2本必要で、更にタイヤ外しの技術も必要。間違えると、チューブを切り刻んでしまう

パンクした箇所にパッチを貼ってタイヤを組んだ後に、炭酸ガスあるいは空気の代わりに、瞬間パンク修理材を投入すると言うなら、それは有効。

ここで紹介したニシノシールを使用したチューブレスタイヤのパンク修理だが、そのやり方は説明しない。販売店で教えてくれるだろうし、自分で調べて欲しい。また、この修理はバイクだけではなくクルマにも使用できるのは当然。

ひとつだけアドバイスすると、スクーターでのパンクで発生しやすい(タイヤトレッドが薄いので)、修理した部分からの空気漏れ。その場合には、空気の漏れている部分に、このニシノシールを、同じ方法で打ち込んでやればいい。経験からすると、3回ほど打ち込んだことがあり、それでパンク修理は完璧になった。

2022年7月21日木曜日

バイクのイラストで名声を博した摺本さんとの思い出

 

数十年ぶりに摺本さんとお会いしたとき。摺本さんの自宅前で
           鈴鹿8時間耐久レースを題材とした、イラスト。
  新しい8時間耐久のイラスト集を作ろうと、写真や資料集めをしていたが・・・
           日本国道最高地点2172mを前に。右端が摺本さん
           野沢温泉ツーリングの帰りに立ち寄った、志賀高原のカヤノ平駐車場にて。バイクはBMWGS80。ガソリンタンクが異常に大きく30リッター以上。でも整備性は非常によく、メインスタンドを駆けると、フロントホイールが浮き上がる。そのため、サスペンション整備はやりやすい

鈴鹿8時間耐久レースの話題が沸騰してくると、思い出すのは「バイクのイラストで名声を博した」摺本好作さんのこと。もちろんただの知り合いではなく、仕事上から鈴鹿での付き合い、一緒に行った野沢温泉ツーリングなど、数えればきりがない。

摺本さんの8時間耐久バイクイラストは、レースの現場で摺本さんが感じたまま、持参したカメラのシャッターを数千回押したものの中から、気持ちがこもったものを選び、そこから取材に出かけた8時間耐久の現場を思い出し、そのエネルギーと気持ちを込めてイラストにしたもの。

だからすごい。

その摺本さんは2018年の7月に膵臓がんでこの世を去りました。

2022年7月9日土曜日

日本国内で若者はクルマ離れが続く。それは何故?

 

若者のクルマ離れが続くので、そこから徴収できるはずの関係する税金が減少する。

そこで政府や関係機関は、クルマに関する税金を上げて、数字上のつじつまを合わせるが、果たしてそれは正解なのだろうか。

クルマを維持管理するには非常に高い税金を払う必要がある。とにかくそれはひどいもので、税金に税金をかけている(ガソリン税。軽油はまた違うのは何故だ)。

このようなおかしなことをやっている国は日本だけだと思う。だから、クルマが必要な地域(交通手段が関係)では、できるだけ値段が安く、維持費も安い軽自動車が売れる。そして、クルマに興味を持つ若者は、MT(マニュアル車)を買い求める。スポーティに走行できるだけではなく、価格もATより安いからだ。

更に、年式が古くなると乗用車は税金を高くする。トラック系はそのまま。そんな国は日本だけ。一部の国では、ある年式より古くなると税金が安くなる。更に使い続けると、税金は取らない。

日本では消費が美徳として育ってきた役人たち(議員を含め)、古いものを維持管理して人生を楽しむ、なんていう気持ちは出てこないようだ。

だから、旧車(クルマだけではなくバイクも)を維持管理するための部品が作られることもないし、例え造っていても、とてつもなく高価なものになっている。これでは若者が寄り付かなくて当然。

薄利多売の精神で行けば、クルマにかかわる税金を安くし、所有するクルマの数を増やし、旧車も維持管理できるようにすれば、その旧車に使用する部品も製作する必要があるので、当然周りにはお金が集まる。

そうすれば普通に税金が取れるわけで、クルマやバイクの数を減らすような政策をして、そこに関わる税金を上げて、とりあえず数字上のつじつまを合わせる必要はなく、オーナーは必要なものを買いやすくなり、結果として金回りが良くなれば、景気が回復し、年収の少ない若者も、マイカーを維持管理することが出来るわけで、経済効果は高まる。

自動車国のアメリカやイギリスでは、古い(第2次世界大戦以前)クルマやバイクの部品を趣味で製造する方が多くいるようで、それはそこに人が集まる。もちろん、その部品が出来るまで気長に、待つ必要はあるが、同時に情報交換が出来るようになるのは、これからの高齢者社会では重要であると思っている。

2022年6月16日木曜日

水素エンジンは今始まったことではない。トヨタ以前にマツダのほうが先んじていた

 

地球に優しい燃料として水素が話題となって、トヨタはその水素燃料で耐久レースに出場し、完走したことで話題を集めたため、水素自動車=トヨタと言う図式があたりまえのようになっているが、日本で水素を使ったクルマの実験や走行をやったメーカーはマツダで(それ以前にBMWが水素ガスで燃焼させる実車事件をやった。またその後、液体水素を使って燃焼させる実験もやったが、水素を液体で貯蔵することの難しさがあって中止)、燃料電池車としての開発が盛んに行われていた時代、その水素を如何に貯蔵するかは各メーカーのテーマで、今では高圧タンクを使用することで一件落着してしまったが、マツダの場合は『水素吸蔵合金』なる物を開発し、これに水素を溜めて使用することにした。

ただし、当時の水素吸蔵合金は、吸蔵させるのに高温高圧状態が必要で、実用性が乏しかったのだが、最近はこの条件も緩くなりかなり低い温度と圧力での吸蔵ができるようになったらしい。

さらに、同社のロータリーエンジンは、水素との相性がよく、バックファイアと言う、ピストンエンジンでは問題となる現象も起きず、非常にマイルドで、力強い走りが可能となった。

実際に水素ロータリーの試作車を運転させてもらったときには、静かでスムーズな走りに感心した。直ぐにでも実用か出来そうにも思うが、そのロータリーエンジンを、直接動力として使用するのではなく、レンジエクステンダーの発電機エンジンとして使用するような話をしていた、その後どうなったのだろうか。ニッサンのeパワーなどのシステムのほうが実現性は高く感じる。

一時期は、排気量の小さなRE開発を重点的に行っていたはずだが、その後どうなったのだろうか?

小型REの試作エンジンを見せておらったが、ローターが鉄で以前のRE同様。さらに、ソーターハウジングも、内側にはこれまでのRE同様、鉄のタガを鋳込み、そこに硬質クロームメッキを施し、メッキ後に逆電流を流し、多硬質状態として、潤滑オイルを確保すると言う、これも旧態依然。つまり、単に排気量を小さくしただけで、技術的発展は見られない。

ローターを軽いアルミ合金とするだけではなく、ハウジングの内面に対する加工も、これまで多くの2ストロークエンジンが採用してきた、ニカジェルメッキ(ニッケル・シリコン・カーバイト)などを使用すれば、耐摩耗性が向上するだけではなく、耐焼き付き性も格段に向上するので、排気ガス中に含まれる環境汚染も低減できる。

また、数十年前には、武蔵工大、日野自動車、岩谷産業がシステムを共同開発し、ディーゼルエンジンをベースに(点火の関係でスパークプラグを取り付けている)、液体水素での実験走行に成功している。

但し、液体水素は極低温での貯蔵が条件であるため、燃焼が可能となる水素ガス状態とするのに手間がかかるという説明を聞いた。ガスバーナーで水素が通るパイプを加熱し、ガス化を促進する必要があり、水素ディーゼルとしての実験は成功したが、いざ実用化するにはまだハードルが高いらしい。

何回も言うが、液体水素は非常に安全で、これを燃焼させようとすると、いくら着火させようとしても、簡単には液体からの水素が蒸発して、酸素(空気)と混ざる時間がないうちに、水素は軽いのですごいスピードで上昇してしまい、その間にとどまらないため、着火には至らないらしい。

例え、無理やり着火させたとしても、着火している火の熱カロリーは、液体水素を素早くガス状態にするには無理という。液体水素を容器に入れ、ガスバーナーで加熱したところに着火させても、チョロチョロと穏やかに燃焼するだけ、と言う話だ。