研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2021年9月13日月曜日

あのトヨタディーラーが不正車検・・・

 

利益追求が先行して、大事なことを無視したのか。

ディーラーと言っても規模にはランクがあり、今回の不正は俗に言う「民間車検工場」。陸運局にクルマを持ち込まなくても、自社の機器を使ってクルマの状態(車検場と同じ基準かそれ以上)を検査して、問題がなければ車検の期間がこれまで同様に2年もらえるもの。

車検に合格しているので、この状態で問題なく道路を走行できるが、ここで終了とはならず、工場では以後の手続きが必要となる。

つまり、その民間車検工場では、車検ステッカーや新しい車検証の発行は出来ないから、整備記録簿や検査合格書類、自賠責保険証、その他発行手数料を持って近くの陸運事務所(車検場)に出かけ、手続きをして正式なスタッカーと新しい車検証を発行してもらい、後日それをクルマのユーザーに書留で郵送する。

また、ディーラーの車検費用と街の整備工場での車検費用では違いが有る。それは、どこまでの点検整備、分解交換を行うかである。メーカーによって車検のたびに分解交換する項目は違うので、一概に費用のことは言えないが、不具合が無くかつユーザーの希望が無ければ分解交換をしなくても良い、と言う取り決めがあるのが街の整備工場(現在は定かではない。数十年前はそうだった)。

巷に有る安い車検は、基本的に下回りの洗浄だけで、何もしない。それを陸運局に持ち込んで検査ラインを通す。検査ラインでは、そこをそのときにだけ検査が受かれば、検査直後に火を噴いて燃えてしまっても、しっかりと2年の車検証は発行される。

OBDⅡのスキャンツールを酷使してトラブルの原因追及などをやろうとすると、一般市販のスキャンツールでは、全てのトラブルに対応していないため、それが出来る指定の自動車メーカーディーラーにクルマを持ち込まなければならない。これもディーラー車検の価格に関係する。

そして、民間車検自動車工場では、自社で行う検査に使う機器の入れ替えも行う必要があり、そのコストもバカにならない。

日帰り車検などと言うものもアルが、民間車検の工場なら可能。でも車検費用が異常に安いとなると、何もしないで書類だけ陸運事務所に提出し、点検整備したかのように見せて、新しいステッカーと車検証を手に入れる。

整備工場にクルマが入ったとたん、書類を偽造して陸運局に出かけ、点検が終わる前に新しい車検証とステッカーを入手した。このようなことをして車検期間の更新をしたことが発覚し、処罰を受けた工場があったのは、数十年前の出来事だが、今ではやらないだろう。

でも、トヨタのディーラーが行った不正は、整備の手抜きではなく検査の手抜きだと言うのだが、検査にはそれほど手間も時間も掛からないから(自分で車検場に出かけ、実際にテスターにクルマを乗せ、画面に出る指示通りに操作し、車検を通してみれば時間が分かる)

スーパークイック車検と言う名称のものもあるようだが、一体どのように点検整備をしたのか疑問がわく。基本的に『手抜き車検』をやるということなのだろう。

その車検を受けたクルマにサスペンション・アライメント、ブレーキ性能など、大きな問題点が無ければ直ぐ事故ということにはならないだろうが、時間と共に不良箇所は頭をもたげてくるから、そうなったときには怖い。

安かろう⇔悪かろうの典型的な例と言えそうだ。

手抜きをしても台数をこなさなければならない背景には、整備士の給料が低いことが挙げられ、事故のたびに給料の話が出るけれど、それは一向に改善されない。給料が安いため整備士になりたいと言う人(若者に限らず)が非常に少なくなっていることも事実だ。

クルマ、バイクいじりが好きだから、整備士になっても就業時間に関係なく工場にいるのが普通、と言うのは時代遅れの考え方。

また、優れた整備士もそのディーラーで実績があると、販売やフロントのほうに移動させれれる。事務作業がいやな整備士は、いくら優れた腕の持ち主でも、そのディーラーを辞めてしまう、と言うのが実状。そうさせないためには、待遇改善が重要であると思う。