研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2018年3月2日金曜日

これまで一番大変だったことといえば、バラバラにされたホンダのCVCCキャブ組み立て


何のことはない、ずぶの素人が全てのボルトとナット、ジェットなど適当に分解して、「どうしましょう?」。何がどこに取り付いていたのかわからなくなったのですが、何とかなりますか?と言ってきた。

それは、新人の編集部員として入社した若者。試用期間も終わり自分で企画編集を行わなければならない立場に成長!!!したころだった。当時の編集長がホンダから長期取材用として、新型シティ(トールボーイの)を通勤の足に使用していたクルマ。このシティを使って、何か取材したいという発想なのだろうが、いじくり回すならサービスマニュアルなどを入手ししっかりと熟読して、構造を理解し、その後に手を付けるのは当然だと思うが、どういうものか、その新人君は、いきなりキャブを取り外し、ネジというネジを闇雲に取り外し、その写真を撮影した。

でもその彼が、編集部に入ってくるときの触込みは「CB750のエンジンを分解したことがある」というものだったから、当然キャブの知識は持っているものと思っていた。もちろんシティのエンジンが、当時排気ガス規制をパスさせたCVCCで、そのキャブは構造と作動がややこしいということは理解していた???

私のところに、助けて欲しいという依頼があったとき「君は、CB750のエンジンを分解したり、整備したりができる、と上司から来ていたが、どうなの?」と言うと「いやあれは、CB750のエンジンを分解整備してみたい、と言う話をしたもので、自分ができると言う話はしていない」という。

「だろうな」、CVCCキャブの分解を見て、妙に納得してしまった。そのバラバラキャブを、本日中に組み立てなければ、編集長は自宅への足がない。

だからといって、今すぐにサービスマニュアルを入手することは不可能(後で考えてみると、会社から30分ぐらいのところにホンダのSF・サービスファクトリーがあったのだが)なので、これまでの経験を脳味噌からフルに引き出して、構造を理解することから始め、どこにどのエアジェットが取り付けられ、穴の違う燃料ジェットはどこに取り付けられるのか、と言う判断を、空気の通り道、ガソリンの通り道などから結論を出した。

スロットルバルブも3個あり、それらもバラバラ。ただし、このスルットルバルブは、取り付くところが決まるので、それほど手間はかからない。もちろん直ぐに結論が出るわけではない。あれやこれや考えをめぐらせながらのことであるから、2時間近くかかってしまった。

そして更に問題が出た。それは、フロート室のガソリン油面を決める、フロートバルブの高さ調整である。シティ以外のクルマであると、フロート室の横にガソリン油面を点検できる窓が取り付いているらしいが、それがない。シティのガソリン油面の確認には、専用のガラスシリンダーをフロートドレンプラグに装備し、エンジンを始動させながら、油面の高さ調整ネジを回すのだが、その専用ガラスシリンダーはない。

ここで先へ進めないのは悔しいので、キャブのフロート標準高さを求める手段として、バイクでやられている方法を取った。それは、フロートが取り付いている状態でアッパーをひっくり返し、フロートのベロ(フロートニードルを押す部分)がフロートニードルに当たる寸前ところで、そのフロートがアッパーボディと水平になる位置だ。

数回同じことをやって確認し、納得してから取り付けてエンジン始動。とりあえずうまくいった。後の微調整は、広報車の整備を行うSFに持ち込んで完成である。あ~つかれた~