2021年6月23日水曜日

水素燃料を使用するトヨタが日本国内の24時間レースで完走したことはいいのだが・・・

 

トヨタが富士スピードウエイで行われた24時間レースにカローラ改で出場し、無事完走したことは素晴らしいのだが、燃料である水素はガスであるため、そのガスの容積は効率が良くない。そのため、20分走行毎にガスチャージ(ガソリンのガスではなく水素のガス)しなければならないと言うことは事前に分かっていたのだが・・・

そこで、水素ガスではならないと言う規則があるなら仕方がないが、そうでないのなら、液体水素の使用は計画しなかったのだろうか。

液体水素なら容積効率は高く、クルマの燃料としても十分に使用できる。液体水素としてクルマの高圧ボンベの中へ溜めておくことは不可能だが、液体水素のボンベ内で蒸発・発生する水素ガスをパージさせるつもりで燃料に使用すればいいはず。

液体水素の温度が非常に低いため、蒸発して空気・酸素と混ざり燃焼させるためには、過熱などの処理が必要になる。それを計算して、排気ガスの温度などを利用すれば、必要な水素ガスは取り出せるのではないのか。

数十年前には液体水素を自動車の燃料とするため、断熱性の高い構造のボンベを開発し、そこに入れた液体水素を燃料としたクルマでアメリカ横断レースに日本のチームが参戦した(どこかの大学だったと思うが)。使用したクルマはのは当時のニッサンフェアレディZ。

当然、完全な液体水素状態をそのまま保つのは不可能で、蒸発する水素を使って走行した。

また、BMWでも水素エンジンの開発テストは行われ、液体水素の状態でクルマのボンベに保つことは不可能なので、5気圧になると水素が抜ける(大気に放出)装置を組み込み、実用性を確認・開発テストしたが、ボンベ中の液体水素は蒸発することで1週間ほどで空になるという。当時は、燃料電池が開発されていなかったので、燃料電池が開発されていたら、パージさせなければならない水素を使って、電気を発電し、それを搭載のバッテリーに充電。或いは家庭用の電源として使えば効率は高かった。

そう考えると、液体水素を積んで、どっちみち蒸発・パージさせなければならないのなら、その分にプラスして、水素ガスを一時的に溜めておくボンベを装着し、急加速時では不足する燃料(水素ガス)をこのボンベから使うことで、補えると思う。

液体水素をエンジンの燃料に使うときに難しいのは、燃料として必要なときに、いかにしてその必要量を確保するかである。とにかく液体状態を保つための温度は低く、そこから、レシプロエンジンとして必要な温度まで高めるのには、かなりの工夫が必要なのだから。でも、実用化出来ないことはないはず。