研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2020年5月9日土曜日

新型バイクを借り出して、1泊2日のツーリングへ中間達と出かけたときにその問題は発覚した



バイクとクルマのジャーナリズムの世界に40年余り足を突っ込んでから、現在までにケチやアドバイスをつけた項目数十点 その

エンジン特性は、低速・中速トルクが不足して、標高の高いところを走っていると、アクセル操作に対してエンジンの反応が遅れる。鈴鹿サーキットで行われた試乗会のときにも、なんとなくそのあたりは感じていたが、条件が悪くなるといきなり特性の良し悪しが出るようだ。

それ以外にも問題が発覚した。仲間と風呂に入っているとき「会長、その尻どうしたのですか?まるでおサルの・・・」と言う状態で笑われた。

そういえば、なんとなくヒリヒリする。鏡で見ると、確かにおサルのお尻状態。

この原因は、シートのベース部分に開いた空気抜きの穴から、ラジエター(そのバイクは水冷だった)の高温冷却風が吸い込まれ、シートの座面が低温状態となり、長時間それに座っていたことで低温やけどを起こしたのである。
 
そのバイクは1986年に発売となったCBR400R
 
このことを、広報部を通して開発責任者にレポート提出。返事は直ぐに来た。返事の内容は「大変貴重なレポートありがとうございます。これまでのテスト項目には、シートベースの空気抜き穴から冷却風が取り込まれ、その結果、ライダーのお尻が低温やけどになる、と言うことを考えませんでしたので、これからは、テスト項目にそれを入れます」と言うことだった。この結果、その後のバイクにはこのようなことは発生していないようだ。

2020年4月29日水曜日

速度が限界近くになるといきなりハンドルが振れ出す、軽量な750ccバイク 現場でのセッティングで直せる状況ではない

バイクとクルマのジャーナリズムの世界に40年余り足を突っ込んでから、現在までにケチやアドバイスをつけた項目数10点 その②

当時としては軽量な750ccの試乗会。テストコースの試乗会なので、速度無制限。直線路の終わりぐらいにある少し出張った部分をアクセル全開(200キロ以上)で通過した瞬間にハンドルが左右にブレ始める。そのまま速度を維持していても、一向に収まる気配はない。
一度振れだすと速度を少し落としたぐらいでは収まらない。

どうやら、エアロダイナミクスが不良で、出張ったところを通過した瞬間の突き上げで、カウルの下に空気が入り込み、浮き上がるせいだと判断。

現場に居たジャーナリストで体が小さいライダーは、カウルの中にすっぽりと入り込めるため、そのようなことは起きないと言う。

そして、なぜ突き上げが発生するのか考えてみた。その結果、非常に軽量に作られていたのに、フロントフォークの減衰力がこれまでのバイクと考え方が同じ、と言う開発者からの話。これでわかった・・・圧縮側の減衰力が強すぎるのだ。バイクが軽量なのだから、それに合わせて減衰力も小さくていいはずだが、当時としては最高速度が高くなる。そして、その状態での安定性を確保したいということから、圧縮側の減衰力をこれまで同様にした。都合の悪いことにその実績もあったし。

減衰力の調整は、フロントフォークにもリヤショックにも装備されているが、我々の試乗会数日前に、海外から来たジャーナリスト達(彼らは日本の皆さんと違って、非常に走り方はエキサイティング)も、身体が大きいので私と同様な症状が出て、開発者が制止するのも振り切り、いろいろとアジャストしたが(しまいにはスプリングも交換したとか)、一向に解決しなかった、という話を欧州に住みモータージャーナリストをしている親しい日本の方から聞いた。

そのバイクは、1985年に発売されたスズキGSXーR750。初の油冷エンジンとしてデビューしたもの。その後はどのように改良したかは知らないが、欧州にも輸出したので、改良されたはずだ。


2020年4月23日木曜日

バイクとクルマのジャーナリズムの世界に40年余り足を突っ込んでから、現在までにケチやアドバイスをつけた項目数十点 その①


大学を何とか卒業してからモータージャーナリズムの世界い入り、評価・提案・ケチなど、数多くの異論を唱えてきたのだが、ケチをつけたことで親しくなった開発者もいる。その結果トップシークレットの情報を交換できるまでの信頼性を得たのも事実だ。

思い出すままに書いてみたので、あえて番号を振り、その内容を解説することにした。何回かに分かれての記事となる。

 

評価の悪い言い方がケチだとしたら、そうなのかも知れないが、そこに正しい評価と問題点を指摘されたことで、それをケチだと言う感覚で捕らえるとしたら、その方の進歩はそこで止まる、と思っているが、いかがなものだろうか?

ケチをつける、これそのものは良いも悪いも評価すると言うことに尽きることで、その評価は真摯に受け取らなければいけないと思う。勿論、その内容がいい加減なものであってはならないが、なぜそのようなケチ(評価)を付けたかと言う、「なぜ」「どうして」が存在したら、これは開発者として聞いていた方がいいし、出来上がったものを煮詰めていく場合に、特になるのだと思う。なぜ特になるかというと、これまで自分達が長い期間かけて開発してきたものを、一瞬にしておかしな状態を発見したわけだから、ものすごく価値があるはずだ。

バイク雑誌の編集者は大学卒業後から行ってきたが(リタイヤするまでの間に自動車のいじり系雑誌に人事異動)、現在までの間にそのクルマやバイク、更にイベントの規則に対してもレポートと共にケチをつけてきた。そのケチの内容を思い出すまま書いてみた。順番はいい加減であることをお許しいただきたい。また、その内容はかなり前になるので、その当時を思い出しながらの話となるため、途切れ途切れとなることを了承して欲しい。

数多くのバイクやクルマ、そしてイベントに対してケチをつけてきたが、そのケチを糧に改良されたものも多くある。そして、他のジャーナリストの方と違うのは、自分で手を加えて改良できそうだと判断したら、実際に行動を起こす技術力を備えていた点だろう。

ではまず始めにこんなことから・・・

1、アイドリングが安定しているのに、アクセルを少し開けた瞬間に回転が低下し、場合によってはエンジンが停止する125ccのシングルロードスポーツを借り出して試乗していたが、このような調子で楽しく試乗できない。キャブのアイドル調整をやるが結果はでない。アトマイザープレート!!!などと言う変なものを吸気通路に取り付けたからなのだろうか。何が悪いのか、エアクリーナーを外し、スロットルバルブが見える状態に、エンジンをアイドリングさせながら、スロットルバルブを指で軽く押すとエンストした。指で軽く押した状態でエンストしないようキャブを調節し、安定したアイドルからスロットルを開けるときれいに回転は上昇する。

この状態を分析すると、スロットルバルブの径が小さく、アイドリング状態ではスロットル・ストップ・スクリューに、組み込まれたリターンスプリングによってスロットルバルブが当たることで、スロットルバルブの自由度はなくなり、スロットルバルブとシリンダーにクリアランスが生じ、そこから必要以上にエアが吸われると判断した。その吸われるエアの量に合わせるためには燃料を多く供給しなければならない。しかし、スロットルを少し開けた瞬間に、スロットル・ストップ・スクリューの規制から解放されたスロットルバルブは、エンジンのバキュームによって燃焼室側に引かれるため、スロットルバルブの下を流れる空気の量が変化し、そのときにはガスが濃くなるので、不調・エンストとなる。

このバイクは1975年に発売されたCB125JXで、キャブレター製造か設計不良。スロットルバルブがスルットルシリンダーに対して、小さすぎたため、スロットルバルブとスルットルシリンダーのスライド部分から空気を吸う事で、アイドルから少しスロットルを開けたときの空然比が変わり、エンストする。

これの原因を究明した結果は、広報部を通じて開発責任者に連絡してもらった。後日、その方からお礼の連絡が届いたのはいうまでもない。

 

 

2020年2月27日木曜日

新型ハスラー試乗記 新型ハスラーは旧型以上に上質な走行感を醸し出していた



新型となったスズキハスラーだが、ライバルをどこに設定したのか、なんとなく分かった。それは、ホンダNワゴン!!!?。

ターボ仕様の新型ハスラー
新エンジンが搭載されたNA仕様
なぜかと言うと、運転席に座ってドアを閉めたときに「これまでとは違う閉まり音」を聞いたからである。

ただしこれで上質に出来ているとは判断できない。次に試したのはドアのガラスを少し下げて、内部のシステムに緩みをもたせたときにどのような閉まり音を発するかである。もし、ドアガラスを完全に閉めたときと変わらないドアの閉まり音であるなら、これは素晴らしいと言うことになるのだが(あるメーカーでは軽自動車でもドアの閉まり音には特別開発時間を掛けて造っており、条件を変えても不快な音は発生しない)、残念にも運転席右後方から聴きたくない音が出る。ストライカーに接するときの音なのか不明だが、開発者にもそのことは分かっているようだった。でも、だからどうだということでもない。

NA仕様のエンジンルーム。なんとなくまとまりがいいのは、CVTの副変速機付きを変更し、それによる油圧ポンプの変更や構造物の改良などが関係しているのだろう
スズキで評価できるのはアイドリングストップからのエンジン再始動で、他社のようにセルモーターではなく、オルタネーターをアシストモーターとして使用する、マイルドハイブリッド方式を取り入れていること。ただし、少し気になることは、停止時からのエンジン再始動で、僅かに「キュルキュル」と言う音が発生することだった。これは気になり始めると・・・アシストモーター(オルタネーター)とエンジンのクランクシャフトを繋ぐVリブドベルトが、僅かにスリップすることで発生しているとしたら、耐久性が気になるところ。

プラットフォームはやっと乗用車らしいものに変更された。新型アルトから使用されているHEARTECTで、それにボディ剛性を高める環状骨格構造と構造用接着剤の採用である
当然のことだが、新しいハスラーを造るとき、プラットフォームは現在販売しているアルトと同じことになるのは予想できた。と言うより、もっと早くアルトと共通のプラットフォームにしないのか、疑問に感じて、関係者にも話をしていたのだが、やっとそれが実ったと言えるだろう。

なぜ、アルトと共通のプラットフォームが必要かというと、まずひとつは共通とすることで、クルマの製造コストや製造時間が短縮できる。それだけではなく、ハスラーを走らせたときの挙動に大きく関係するのである。

走行感が上質になることは、いくら軽自動車と言っても無視したのでは、ライバルたちに大きく水を開けられる。ところが、これまでのハスラーは、リヤサスペンションの構造が、エブリイなどと同じようなコイルスプリングとトレーリングアームからなり、横方向の力を抑えるため、ラテラルロッドを設ける必要があった。このラテラルロッドは、サスペンションが大きく作動すると、左右方向へボディが動く状態で、乗り心地は悪い。特に乗用車のようにサスペンションが柔らかくストロークも大きい仕様では、不愉快な走行をリヤシートに座る乗員は感じることになる。

それを一掃させたのが他のメーカーではかなり前から採用していた、トーションビームサスペンションで、左右のサスペンションをプレス構造でまとめることにより、リヤサスペンションに加わる前後・左右の動きをコントロールできる。更にスタビライザーの装着も可能となる。

これによって、乗り心地は格段に向上する。早くプラットフォームの変更をやるべきだ、と唱えていたことはここにある。勿論乗り心地ばかりではなく、コーナリング性能も一段上のものとなって、安定性は大きく向上するのは当然だ。

NAエンジンは新開発で、環境性能を高めるために変更された

こちらはターボ仕様
新型ハスラーでもNA仕様とターボ仕様がある。違いはNAか過給かの違いだけではなく、シリンダーのボア・ストロークが違うのである。

変更したのはNA仕様の方で、目的は環境、特に燃費向上を狙ったものだと言う。大きくロングストロークとし、更にインジェクターをデュアルとするシステムに変更。ロングストロークによるピストンスピードの向上と合わせ急速燃焼を実現できた。また、圧縮比を高くしたが(トルク、出力、燃費も良くなるが)ノッキングが発生する前に素早く燃焼させることで、熱効率を上げた。

NAのエンジンは新設計となったが、旧エンジンよりも出力・トルクとも下がっている。出力は52ps⇒49ps、トルクは6.4kgm⇒5.9kgmなのだが、この数字をそのまま性能差と判断してはいけない。最大トルクだがその最大値を発生する回転数が違う。4000rpm⇒5000rpmに変わったことは性能として大きい。さらに、最高出力に関しては、最大値の数値ではなく、その回転までどの位の時間で達するかが重要。例えば、100psエンジンが有ったとして、その性能を発揮するまでに10秒掛かるエンジンと、80psのエンジンは5秒でその回転まで達するとしたら、80psのほうが速いということになるわけだから、一概に数字だけで性能判断は出来ない、ということ。更に過渡特性も重要であることを付け足しておきたい。

副変速機の採用を取りやめたCVT。これにより全体としてコンパクトとなり、更に伝達効率もアップした
CVTも変更された。これまでは副変速機つきとして、ワイドレンジを売り物にしていたが、今回から、すでに昨年から発売されているニッサン三菱(NMKV)の軽自動車で採用されているもので、副変速機を取り外したことにより、伝達効率が上がり変速時の不快な感じからも開放され、スムーズに加速・減速ができる。これも上質を感じさせる一因だろう。

また、スタートダッシュの速さにおいても、NA仕様はこれまでにない性能を発揮した。0⇒50km/h加速を普通にアクセル踏み込みでターボ仕様と感覚的に比較しても、NAのほうが速くないか?と感じさせる節もアル。これはスズキ特有のマイルドハイブリッド効果がかなりあるようで、使用されるISGと高性能リチウムイオンバッテリ-搭載により、モーターのアシスト範囲は大幅に向上。

これまでは85km/hまでだったものが、100km/hまでに拡大したことは、運転する上で、余裕と静粛性を期待できる。

逆に、アクセルの踏み込み量より、感じる加速感は強いようで、スロットルを開く角速度制御が(電子制御スロットルは当然で、フライバイワイヤーである)少し敏感すぎる結果かもしれない。もう少し穏やかでもなんら問題はないはず。

書き忘れていたことが2点有ったので追加します。
ひとつはハンドル操作が走行中でも重さを感じること。軽快感がなくなる感じで、狭いところをスイスイ走り抜けるのは、慣れが必要。これまでのスズキ車では感じなかった点である。そのため開発者から、「ハンドリングはいかがでしたか?」と言う質問に対し、ハンドリングを確認するまでに至らなかったことを伝えた。
もう1点は、クルマの幅をこれまで以上に感じること。走りながら、何がそれを感じさせるのか検証すると、ボンネットの左先端位置だけではなく、左右バックミラーの位置や形状も関係することが分かった。この2点については開発者もなんとなく分かっていたようで、もしかすると変更されるかもしれない。

2020年2月1日土曜日

旧車のモトクロスを見に行った マシンは旧車ライダーも旧者



埼玉の川越入間川にあるモトクロス場、モトクロスビレッジでは、年に数回、主催者が違う旧車のモトクロス大会が開催されている。

このモトクロスを見に行く理由、と言うよりも魅力はと言うと、市販状態からレーサー(市販モトクロッサー)よりも、大小さまざまのバイクをモトクロス走行が出来るようオーナーが改造し、それを目一杯走らせて楽しんでいるからだ。同窓会的な意味合いもある。

改造と言っても様々で、タイヤをモトクロス用に交換し、ドライブスプロケットを小さく(或いはドリブンスプロケットを大きく)しただけで、マフラーやそのほかには一切手も加えていないバイクもある。それで十分なのだ。

小さいものだと50cc、大きいものだと1000cc近い。勿論一緒に走るわけではないので、それぞれのクラスの中で十分に楽しめる。

走る姿だけではなく、その排気音も魅力がある。特に4ストローク2気筒の大排気量バイクは、低音の腹に響く。旧者人にとってはたまらない魅力を覚えるサウンドである。

そんなモトクロスの会場で見たマシンを撮影したが、ほとんど趣味的な状態での選び方だから、全てを画像化していないことが悔やまれる。

 











2020年1月25日土曜日

発進時や駐車場内での走行は、ATならアイドリングのクリープ走行が安全なのだが



条件が同じならATに限らずMTでもアイドリング走行をした方がいいし、アクセルを踏んでいない分だけ余裕が生まれるのではないだろうか。

アイドリングで発進し(MTでもアクセルを踏まず)、余裕を持って走行することで、その後に起きる突発的な事件事故でも、パニックに陥ることは少ないと考える。MTでこれが普通に出来るようになるのは簡単ではなく、気を使ってアクセルとクラッチの操作が必要となる。エンジンが1000回転そこそこであるから、当然トルクは少なく、その回転があまり下がらないようにクラッチ操作しなければならないのだから。
 
なお僅かな上り坂での発進となれば、エンストしないように普通の操作が優先するのは当然のこと。

この、アイドリングでアクセルを踏まないでのスタートやその後の走行は、教習と言う意味合いを持つ必要はなく、教習所や周りに何もないところで何回か経験すれば、それがいとも簡単に出来ることを体験すれば、周りの歩行者やクルマ、バイク、自転車などに対する威圧的な感触は少なくなり、他人からの見た目もスマートに写るはず。

ところで、あるスーパーマーケットの駐車場で、妻が買い物をしている間に、クルマの中から周りを走るクルマを、なんとなく観察していると、一瞬緊張でビックリしするような走り方をするドライバーがいたり、穏やかで静々と走らせるクルマも見られた。

当然、穏やかに走らせているクルマのドライバーは、周りを十分に観察する能力にあふれているため、実にスムーズで周りの背景になじんでいるように見える。そのため、いきなり人がクルマの前に出てきても、びっくりして急減速をすることや、クラクションを鳴らすこともなく、周りの歩行者の動きと自然に同調している。

このように穏やかな運転を出来る人は、きっと暴走事故等には縁もないのだろう。そう考えると、駐車場内での走行の仕方で、その人の性格がわかるような感じである。これは、何も男性ドライバーに限った話ではなく、女性も同様である。

そして肝心なことは、発進時において、ブレーキペダルから足を離したとたんにアクセルを踏むと言う行為ではなく、ブレーキペダルから足を離して、クリープ走行を数秒間やってから、改めて走行するためにアクセルをゆっくり踏む、と言うことを習慣にしておけば、いきなりスタートダッシュしてパニックとなり、同時にブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違える、と言う事故が発生しにくくなるのではないだろうか。

2020年1月6日月曜日

75歳以上の高齢者は、運転免許更新時に、運転技能試験を行ってはどうか、と言う案が出始めた 大いに結構・ぜひ実現して欲しい



高齢者の運転するクルマの事故が多い、と言う話が出るたびに(実際には、年齢と運転暦、運転頻度などを係数として入れないと、正しいデータは出ないと思う)75歳以上の年齢になったら、運転技能試験を行ってはどうだろうか、と言うような話が出ている。今現在実施している高齢者講習とは違う高度なもの。

これについては大いに賛成。しかし、どのような運転技能試験を行うのだろうか。また、二輪車の場合にはどうするのか。これは正しく決まらないと、まともな運転技能試験は出来ない。教習所の卒業試験や運転免許試験所の実地試験とは違うことは当然のはず。

そこで私がこれまでに考えていた運転技能試験のやり方だが、基本的にはジムカーナに近い走行である。数本のパイロンを置いて、きめられた方向の走行を行う。パイロンスラロームではない。勿論、通過すればいいだけではなく、決められた時間内にゴールしなければならない。決められた時間と言っても素早い判断と操作が必要なだけで、コンペティションではないのだから、普通の時間を設定すれば良いだけ。

このように緊張、パニックに近い走行を要求されると、人間は本性が現れる。それによって、運転技能が分かるのではないか、と言う話。教習所や運転試験試験場の実地テストは、速度はある程度(コース上に速度標識がある)出せばよく、とにかく決められたコースを脱輪せず、ポールに接触せず走りきれば良いだけなので、それでは技能の上下が露呈しない。

実際に公道に出れば、そこで発生する決まりごとではない状況に対して、的確な操作は何も増して重要だからだ。そうすると、タイヤが多少キーキーと音を立てるようなことになるかもしれないが、それは減点の対象にしない。逆に考えると、タイヤが悲鳴を上げるような走らせ方を、冷静かつ普通に出来るような人は、評価を高くしてもいいぐらいである。