研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2019年9月26日木曜日

欧州でディーゼル乗用車が売れていたことの背景を、燃料の価格が安いから、と勘違いして書いている記者が多いことにあきれる



その文章がこちら

「ディーゼルはガソリン車よりも二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、燃料も軽油を使うため維持費が安い。欧州で根強い人気があったが」

CO2の排出量が少ないのは技術によって達成したことは事実だが、軽油を使うため維持費が安いと言う判断は間違い。軽油は、税金が高く日本と違うから、燃料代は高い。

では、なぜディーゼルに人気があったのかというと、それは燃費が良いからで、欧州の地域を網羅しているアウトバーンに乗ってみれば分かる。

速度が速いことは当然だが、日本のように燃料を販売するパーキングは少ない。

つまり、燃料切れをガソリン車のように気にしなくても済むことは重要である。クルマ選びの筆頭項目にもなるのだ。

アウトバーンでの、だいぶ前の燃料セルフだが、値段を見ると明らかにディーゼルは高い。写真が良くないので見にくいが、一番下の燃料がディーゼル
 

2019年9月17日火曜日

小型発電機の管理についてアクセスが多いので、この際もう一度説明しておこう 非常用のガソリン発電機は・・・



小型で使い勝手がよく、比較的安価で買える発電機。ガスボンベを使うタイプは、数年間放置しておいても、リコイルスターターを引けばエンジンは始動してくれるが、ガソリンエンジンの場合には、いつでも始動できる条件で管理していないと、始動不能となる。

点火方式はポイントレスのCDIだろうから、点火系の管理は必要ない。

問題はキャブレターである。ガソリンタンクの燃料は、基本的に空の状態がベスト。残しておくと、ガソリンの成分が異物となって残り、燃料の流入を阻害することもある。でも最近のガソリンは精製度が高く、添加剤の量も少ないようなので、それほど気にしなくてもいいようだが、キャブレターとなると話が違う。

キャブレターに溜まるガソリン量は、エンジンにもよるが20~30cc。ここでガソリンが蒸発すれば、時間と共に異物が蓄積される。この異物がキャブのジェット類を詰まらせ、ガソリンがエンジンに吸われない。

と言うことは、キャブレターにはガソリンを残しておいてはいけない、と言うことになる。

「たまにはテスト始動させようか」と言う考えを否定するつもりはないが、テスト始動させた後の始末を完璧にしないと、いざと言うときに始動不良となる。勿論そこでキャブを分解し、問題を発見して解決すれば、一件落着なのだが・・・

こうならないためには、キャブに残っているガソリンを全て排出し(排出ボルトが付いているはず)、できればストレーナー、沈殿カップ内のガソリンも排出させ、乾燥状態を作り出しておけば良い。

これは、我が家の発電機でも行っていることで、10年以上始動していなくても、ガソリンを入れれば直ぐにエンジンは掛かる。

要するに、全てのガソリンを発電機から押し出して、新品状態を作り出して置けばいいのである。

2019年9月4日水曜日

最近考えることがあった それはハイドロプレーニングと各種の姿勢支援制御である



自動ブレーキや走行レーンキープ制御、自動追従走行など運転支援を搭載したクルマが数多く発売されるようになったが、その安全性に走行中の環境がどのように関係するのか気になり始めた。

特に雨天時に発生することがあるハイドロプレーニングである。

一瞬にしておきるハイドロプレーニングに対して、その一瞬を越える制御が組み込まれているのだろうか。特にFWDが多くなっている乗用車では、高速走行中にどちらかのタイヤ(左とすると)にハイドロプレーニングが起きると、次の瞬間右へハンドルを強く取られ、その大きさによっては、走行状態が大きく乱れ、事故に結びつく。

この動作は、全て一瞬で起きるため、果たしてハイドロプレーニングによって空転し始めたタイヤの制御を、ブレーキLSDなどを作動させ、止めることが出来るのだろうか。

よく考えてみると、ブレーキLSDを作動させても、一瞬で起き、一瞬で開放される状況には対応できないと思われる。FWDであってもフロントブレーキはディスク。ディスクブレーキの物理的構造により、空転し始めたタイヤをその一瞬で走行速度まで低下させ、速度と同調させる制御にならなければ、ブレーキLSDを使用して、ハイドロプレーニングを制御するのは無理ではないのか。

いくら通信速度を上げて、その容量を増やすために車載の通信をキャンからイーサーネット通信に切り替えたとしても・・・

瞬間・一瞬起きるハイドロプレーニングだが、タイヤが空転することで駆動力は低下し、次の瞬間その空転していたタイヤが路面にグリップすれば、駆動力はそのタイヤに大きく作用し、走行安定性は失われる。それによって直進性がなくなり大きくふらついて事故を起こす。

ドライバーの意思に反してハンドルが大きく取られるわけだから、そうならないように造れば良い。一瞬を機械的に制御するのは不可能だとしても、電子的、電気的になら出来るはず。

ハンドルが取られないよう、ドライバーはそれを見越してしっかりとハンドルを握って、更に肘が曲がるぐらいのドライビングポジションを取れば、いくらハイドロプレーニング起きようと、対処できる。

つまり、これと同じことをクルマにさせれば良い訳で、それには現在当然となったEPS(電動パワーステアリング)をうまく働かせれば良い。

タイヤが空転したことでコントロールを失うわけではなく、次の瞬間その空転したタイヤが速度以上の回転で路面をグリップするから、そのタイヤによる駆動力が高まり、制御を失うことになる。

であるなら、EPSのモーターを使ってステアリングシステムにブレーキを掛けるようなことをすれば、ハンドルは取られない。

タイヤの空転が起きてからステアリングにブレーキ(EPSのモーターが外力によって回らないよう制御する)を掛けるような制御とするための時間差はあるはずだからだ。

でもすでにそのようなことは組み込まれているのかな???

2019年9月1日日曜日

冠水道路を走行するならアイドリングストップはダメ



最近大雨によるクルマへの被害が多く報道されているが、その中で少し気になることがあった。それは、冠水した道路を走らなければならない事情があった場合に、どの様なことに注意すればいいのかということ。

いつも通りの走り方ではないことは当然と思うが、その内容が重要で、これはいつも通りではいけない、と言う話。

特に注意したいのはアイドリングストップ付のクルマ。マフラーの出口付近まで冠水していても、エンジンが掛かっていれば問題は起きないが、そこまで冠水している状況でエンジンが止まると(水によるエンジンルームのトラブルではなく)、マフラー出口から水を吸い込む。

エンジンは止まる瞬間にどこかのシリンダーで、その圧縮を乗り越えられず、クランクは逆転する。逆転するときにどこかのシリンダーの排気バルブが開いていればマフラーから外気を吸い込む。

ほんの僅かに吸い込むのだが、それが何回も続くと再始動のときにグズツキ始める。それを気が付いたときにミッションをニュートラルにして、アクセルを大きく踏みつけ、マフラー内に溜まっている水を噴出す行為をすればいいのだが、たぶんほとんどの方はそのようなことをしないだろう。

そしてエンジンはストップしたままとなる。

このようなことが起きないよう、アイドリングストップを切って置けばいいのだ。

更に問題が発生する可能性が高いクルマはハイブリッド。それは、ドライバーの意思に関係なく、バッテリーの残量でエンジンは勝手に停止と始動を繰り返すからだ。

でも常にエンジンが始動している状態を作り出せばいいので、走行前に走行バッテリーを空にして走れば、エンジンによる発電でモーターを回すことになるので、エンジン停止によるトラブルは起きない。

昔のハイブリッドはエアコンを作動させるとエンジンは始動したが、最近のものは、エアコン駆動がエンジン動力ではなく、専用のモーターになっている場合があるので、そうなるとエアコンを作動させてもエンジンが始動するとは限らない。

なお、ハイブリッドやEVで冠水しても、感電などは起きない。感電が起きる条件は、感電する人間に電流が流れての話で、片方の電気がいくら流れても感電状態にはならない。

片方の電気(電流)には誰でも触ったことがあるはず。ガソリンエンジンの点火プラグには数万ボルトの電気が加わっているが、エンジン始動中にエンジン周りに触れても感電はしない。電車に使われる電気についても同様で、踏み切りでレールの上に載っても、何も感じない。

このことをよく理解しない連中が、水没したハイブリッドの周りに行くと、その電気によって感電する、などというとんでもないデマを流すから、話がややこしくなる。

感電は、感電する人の身体に電流が流れて始めて起きるもの。つまり、同時にプラスとマイナスのターミナルを握らないと起きない。

2019年8月26日月曜日

アクセルとブレーキの踏み違いは、前方もしくは後方に障害物があったときにのみ作動するが、それだけでは足らないように思う


これだけでブレーキとアクセルの踏み違いによる事故は防げるのだろうか。

どうもそうではないことにある時気が付いた。港の埠頭からクルマが海に落ちる事故は、どう想定しているのだろうか?

海に墜落したクルマについて報道されているとき、ブレーキを掛けた跡がない、と言うことを聞く。勿論事情による故意の場合もあるだろうが、埠頭から海に墜落したクルマの全ての事故がそうではないと思う。

そう考えたとき、前方もしくは後方のカメラ画像処理から(レーダーでも判断出来そうと思うが)、その先には道路など何もないことが分かるのではないか。岸壁、埠頭などの海だけではなく断崖、急傾斜でもその状態を判断し、アクセルペダルを踏んでもクルマが動かない、ブレーキが効いているような制御は出来ないのだろうか?

2019年7月28日日曜日

新型スカイラインの3.0L V6ツインターボに採用された新しいシリンダー技術はカヤバの技術だ



新型スカイラインの405PS仕様には、ミラーボアコーティングと呼ばれるシリンダーブロックが採用されたが、これはシリンダーのフリクションを小さくする手法である。ただし新しい技術ではない。数十年前にバイク用として出来上がっていたものだ。それを今回のスカイラインエンジン用として取り入れたのである。

これまでのシリンダーブロックは、総鋳鉄製かアルミブロックの中に鋳鉄スリーブを同時鋳込みしたもの。鋳鉄とアルミの熱膨張は違うわけで、それによる変形は、フリクションの増加や燃焼ガスの吹き抜けなど、エンジンとしての資質が悪くなる条件が多く発生する。

そこで、バイクのエンジンでは数十年前に確立し、すでに多く採用されている技術である、スリーブレスで更にフリクションが少なく、熱変形にも強いオールアルミのシリンダーの採用が浮上したのである。勿論そのままでは耐摩耗性に問題が出るので、シリンダー表面に鉄の粉を高温高速で吹きつける方式を取った。

キラキラ光っているシリンダー壁だが、この光沢はディスプレイ用として磨き上げたもの。実際にはオイル保持の加工など、ホーニングで出来るクロスハッチの跡があるはず。いづれにしても、磨耗に強く耐焼き付き性にも優れる。当然フリクションは少ないはずである。熱変形にも強いわけで、燃費、排ガス、動力性能としても効果は大きい
 
これは、カワサキのオートバイエンジンで数十年前に採用されていたもので「爆射」と呼ばれる方式。カワサキが当時の2ストロークエンジンに採用したこの方式は、ショックアブソーバーメーカであるカヤバの技術で、当時GPマシンのフロントディスクブレーキ強化でアルミ(軽量化と放熱重視が目的)を採用することになったとき、ブレーキパッドはアスベストでシンタード(セミメタル)などではなく、全ての条件をカバーできるのがアルミで、それの耐摩耗性に制動能力を求めた結果、アルミディスクにパッドの当たる部分だけ爆射加工していたのである。

サーペンタイン方式で駆動される補記類。それにしてもかなりコストが高そうである
 
何でそんなことを知っているかというと、カワサキのバイクに対しては当時の技術としてカワサキ広報から発表されていたし、他のバイクメーカーが耐摩耗性に耐焼き付き性などを考えたマーレーの技術であるニカジェル(ニッケル・シリコン・カーバイト)の特許に抵触しない技術を開発して採用されていたので、それに殴り込みをかける意味合いもあったようだ。

カワサキのGPマシンに対する情報は、何のことはない我が家にそのアルミディスクとブレーキキャリパーがあったからである。カヤバ技術部に知り合いがおり、棚卸しという制度によって、廃棄される部品を我が家に送ってくれたのである。

数十年そのままにしておいたが、小遣い稼ぎにヤフーのオークションで売ってしまったのでもう手元にはないが。
話はそれてしまったが、そういうわけで特に新しい加工技術ではないということ。爆射もいいけど、ニカジェルのほうが実績があるので、こちらが良かったと思うのだが、どこでスリーブレスの技術を知ったかで、造られるものは違ってくるので、何とも言いがたいが。

2019年6月30日日曜日

高齢者による事故が多いと言うことで、安全装置の付いた車種に限り運転免許の更新を認めると言うのは、正しいのか


年齢が高くなると、動作が遅くなり、瞬時の判断能力も低下して、勘違い操作による事故が多いので、その勘違いや操作遅れがあっても、事故にならない装備が装着されている車種に乗るなら免許の更新を認めよう。

と言うような話が持ち上がっていると言うことなのだが、果たしてその規制や判断は正しいのか、と言うことについて考えてみた。

結論から言うと、ひとつも正しくない。まず大きな間違いは、その安全装置は常にパーフェクトに作動しないということ。

これまでの実績からして、30%は作動していないので、その効果に頼るのは危険、と言う検証もある。

それはその通りで、絶対は存在しないと考えている。で、万が一、そのクルマで事故を起こした場合(装置が作動条件に合致している)、誰が責任を負うのか。ドライバーは国がこのクルマに乗れば事故を回避できる、と言うから選んだので、私のせいではない、というだろう。

では、そのクルマを作った自動車メーカーは「絶対の作動するものではありません」と説明書にも記載しているので、我々のせいではありません。と言うことになって、そのクルマを認定し、推薦した「国」が責任を持つのか。

物損だけの事故なら補修費用だけで済むだろうが、人身となったらヤッカイ。さ~どうする。自動運転と同じ議論に発展するのだが、そこまで詰めた議論をしていると言う話は、聞こえてこない。

どのようなことがあっても確実に作動する、と言う目標に向かって自動車メーカーとそのサプライヤーは、日夜開発に挑戦しているのだが、そうなるにはあと何年かかるのだろうか。クルマ内部システムの通信も重要で、その技術も発達し、現在はほとんどキャン通信であるが、それでは情報のやり取り量に追いつかないため、イーサーネットを使い始めたクルマもある、と言う話をサプライヤーから聞いたことがある。

それともうひとつ、自動に何とかしてくれる、と言う勘違いで、漫然と運転すれば、意識がしっかりとしない状況でもクルマは走るため、直接大きな事故は起こさなくても、その事故が大きな事故を引き起こす要因となることは十分考えれれる。

ドライバーの運転姿勢まで検証する(日野自動車がバス用として開発)装置が必要となるのではないか。