研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2018年4月20日金曜日

夜間の歩行者とクルマの事故は、歩行者がクルマから見て右から横断する場合に多いらしい


夜間に年寄りが道路を横断するとき起きるクルマとの交通事故は、クルマ側から見て右側から横断する場合が多い、というレポートを掲載した会報があるのだが、どうして? 何故?がない。

そこで少し考えてみると、日本はクルマが左側通行。普通のヘッドライトは、ロービームでも左側に立つ歩行者などが発見し易いように、左上がりの配光パターンである。

右は対向車のことを考えた配光だから、歩行者や障害物はいくら明るいHIDでもまるで見えない。

その状態を右側にいる歩行者側から見ると「まぶしくないので距離感が取りにくい」ばかりではなく、「緊迫感」がないのだろう。

そのため、近づいてくるクルマやバイクとの距離目測を誤り、事故に結びつく?ただし、この右側から出てくるお年寄りに関しては、昼間でも左側より多く発生しているのはどういうこと?

恐らく距離と速度の感覚を把握する能力が低下するからだろう。でも、そのことを自覚していれば衝突事故はある程度防げると思うのだが。

クルマやバイク側からすると右側から出てくる人物は、お年寄りでも若者でも、夜間では発見しにくい。

左側であると左上がりの配光パターンがその目的を達成し、比較的手前から歩行者の発見が出来るので、その歩行者の動向を把握し易い。つまり、事故を回避できると考えたのだが。

高級車に取り付けられているインテリジェント・ヘッドライトなら、歩行者を見つけて照らしてくれるから、発見が遅れることは少ないのだが、価格の点で一般には採用例がないが、自動ブレーキがそうだったように、時間と共に下のクラスに採用がされるだろう。そうなったら、夜間における「歩行者の発見が、ヘッドライトの関係で・・・」という言い訳は効かなくなる。
早くそうなることを願いたい。

2018年3月29日木曜日

無関心すぎやしないか


これは数週間前の話だ。自宅近くのJR駅ホームでのこと。いつも乗る場所に行くと、若者が柱を背にして座り込んでいる。体調がおかしく助けが必要かもしれないので、自然と声をかけた。

「どうしました?」「気分が悪いのですか」顔色を見ると赤い。と言うことは二日酔い。直感でそう感じたため「二日酔いですか?」と言う質問に若者は「そうです」と言う返事。駅員さん呼びましょうか?」と言う質問に対し、「暫くここにしゃがんでいれば何とかなります」。と言うので、それ以上のことはしなかった。
 
この時大丈夫ですか、と言う声掛けはしない。それは、助けを必要としている方が、反射的に「大丈夫です」と言う返事をしてしまうからだ。これでは、その方が助けを必要としているかどうか、判断が難しくなる。ついつい「大丈夫ですか」と声を掛けてしまうので、注意して言葉を選んで声を掛けるようにしている。

何か異変があるといけないので、暫くその彼を観察。私以外に若者から年寄り(男女を問わず)まで彼の前を50人ぐらい通るのだが、誰一人として声をかけない。

おい大丈夫か、日本は!!!周りの異変に無関心すぎるヨ

2018年3月26日月曜日

トヤマハトレールDT1誕生50周年記念のイベントが埼玉入間のモクロスビレッジで4月15日に開催されるぞ


今から50年ほど前のオフロード界は、ヤマハから発売されたDT1が話題を独り占めにしていた。

スリムで軽量、強烈なパワーはないが、その扱いやすさは特別。開発のライダーは今でも元気な鈴木忠男(チュー)さん。先日のモーターサイクルショーでお会いしたとき「4月15日のイベントには参加されるのですか?」と言う質問をすると「当然です。私が開発ライダーでしたから」と即答。でもチューさんは「本来ならプライベーターではなく、ヤマハが主催するべきだと思うのだが・・・」。確かにその通りだと思う。本社が出てこなくても、支店でいいわけだし。

ビンテージバイクのモトクロス大会なので、マシンばかりではなくライダーも気遣いしながらアクセルを開ける。レースばかりではなく、進行ものんびりとしたもの。アットホームとはこういうものなのである。目くじらを立てず、全てに優しく、安全にイベントを楽しむ。年齢も関係なく、パドックに行けばそれこそ、中学校の同窓会的な話題で盛り上がる。

そのDT1と言えば、発売当時モーターサイクリスト編集部でモトクロスに参加していた関係もあり、当時の編集長が「試乗記は先輩の***が書くので、君はカメラマンを兼ねて、ついでに乗って来い」と言ううれしい業務命令。そして試乗DT1は2台あり、1台はGYTキットを組んだものと、他は完全ノーマルのもの。

当時は浜松周辺では警察もそれほどうるさくないのだろう、メーカーがこのようなチューニングキットを組み込んだバイクを試乗車として貸し出していたのだ。

ただし、GYTキットを組んであると言っても、マフラーはレース用ではなかったから、エンジンパフォーマンスとしては強烈ではなかったが、高回転まで気持ちよく吹き上がる特性は、それまでには味わったことのない、気持ちのいいものだったと記憶している。

その前の年のモーターショーには、このDT1が展示されており、晴海の貿易センターで行われるこのイベントに、我々メディアは搬入当日の午後に会場へ入り、しっかりと撮影、更にいじりまわしていた。スリムで軽量なDT1をトレールと言う言葉を知らなかったので、間違って「トライアル」と言っていたら、広報の方に「それ違いますとレールと言います」と訂正されたことを思い出す。

2018年3月21日水曜日

レースで重要なことに気が付いたのか。だとすれば今年のホンダF1はこれまでより楽しそうだ


マクラーレンとコンビを組んで、全てでうまく進行せず、何のためにF1をやっているのかさえ、皆目検討が付かない状態が昨年末まで延々と続いた。その結果、レースを見ても(たぶんやっている方も)つまらない。そして、マクラーレンもホンダも、ただ単に契約期間が終了するまでの、消化事業を行っていたかのようにも思えるからだ。

その原因は、人間関係にあると見ている。というのも、それ以前にホンダとマクラーレンが組んでいた時代はうまく行っていたが、新しいシャシーの開発で、厳しくなったクラッシュテストを合格させるためのデザインで意見がわかれた。それは、コクピット開口部分の大きさについてだ。マクラーレンはドライバーの出入りが楽に出来るよう、大きな(と言ってもそれまでよりは小さいらしいが)開口を要求したが、ホンダが考える開口部分はもっと小さい。

もちろんシャシー設計製作はマクラーレンが担当だが、ホンダでもシャシー開発ができるよう、十分な技術を溜め込んでいた。こうなるとホンダ側からも意見が出てくる。

もしクラッシュテストに合格しなかったら、次の年のレース参加が危うくなる。それは避けたいので、ホンダ側は頑として譲らなかった。

その結果何が起きたのかと言うと、マクラーレンとホンダの喧嘩別れである。これは噂ではなく、数年後にホンダ側の当事者から直接聞いたもの。マクラーレンと喧嘩別れした翌年(?)には、ホンダが鈴鹿サーキットなどで走らせた、カラーリングが施されていない、真っ黒な(カーボンファイバーそのもの)F1カーを見た記憶のある方がいるだろう。これこそ、ホンダがホンダ自身で開発していた技術により作り上げたもの「ホンダだってやれば出来るのだ」と言うことを世界に向けて発進させたと言うわけだ。

その後、暫く経っての共同開発。ホンダとマクラーレンが手を結び、エンジンはホンダ、シャシー周りはマクラーレンが担当となったが、「これ、まずうまく行かない」と言うのが私の見立て。それは、マクラーレン側は、喧嘩別れしたときの親分である、ロン・デニスが陣頭指揮を執っていたからだ。

とりあえず紳士的に振舞っても、心の奥での感情はわからない。まして、喧嘩別れしたときの担当者はホンダを定年退職している。マクラーレンと喧嘩別れしたときの状況をホンダ側で知っている方はいるのだろうか。その当時の担当者(出来れば喧嘩した方)がロン・デニスと会って、「あの時はごめんなさい」「これからはしっかりと手を組んで戦いましょう」と言う会話を交わしていればともかく、それは、ない。(このことは当の喧嘩した本人から聞いた)

こうなると、マクラーレン側には蟠りが残っているわけで、力の限りマシンの開発にエネルギーを注ぎこむことはしないだろう。言い方は悪いが、適当に、ホンダよりお金を引き出し、契約期間にレースをやりつくせれば良い。と言う、浅ましい考え方がでてきたとしても不思議ではない。

エンジン開発、セッティングには、シャシー周りからの情報が絶対的に必要で重要だと思っているのだ。シャシーからの情報が滞ると、レースでは制御系に多くの影響がでる。シビアに情報のやり取りがあってこそ、上位に入賞できる性能が引き出せる。エンジンばかりが優秀でも、シャシーだけが一人歩きしても、レースでは結果がでない。

それはマクラーレン側もホンダ側もわかっていたのに、「それを言っちゃーおしまいよ」的な気持ちが強く、チーム一丸となって・・・と言う状況にはなりえなかった。

でも今年は違う。トロ・ロッソと組んで、綿密に開発とテストが繰り返され、チーム全体の動きも素晴らしく、F1の記事を読んでいても気持ちがいい。傍から見て楽しそうにやっているチームは、レースでも結果が自然と付いてくる。なので、今年のホンダF1は楽しみなのだ。

2018年3月10日土曜日

忘れていた!タイヤをミシュラン・パイロットに変更したNC700Xは、いったいどうなったのか


当時標準装着のBSであると、NCを傾けたとたん、傾いたほうに強く回り込む癖。下りのタイトなコーナーでは足を出したくなるほど。交差点を曲がるときにもこの癖が出るので、疲れてしょうがない。この癖を御する方法は、大型バイクでサーキットを走るときに行う、ハングオフのライディングスタイルを取ること。でも・・・

ミシュランのタイヤは消耗が少なく、ツーリングライダーにとっては最高のチョイスかもしれない。そして操縦性も確保されるのだから言うこと無しである
 
また、路面の状況によってもハンドルが取られるので、すり抜けでは隣のクルマに吸い寄せられる感じが出て、これを押さえ込むには、直前に挙動を察知してそれを押さえ込むようなライディングが必要となる。年寄りには疲労が多くてしょうがない。

このどうしようもない癖を回避するため、大型バイクの教習所からの要請で750ccフルサイズで発売された、NC750Xに標準装着されるピレリ・スコーピオントレイル(高価だが)を購入し、フロントだけそれに交換して使っていた。もちろん次のことを考えてミシュラン・パイロットロード2も手に入れた。何かあったらすぐに交換できるようにするためである。

スコーピオントレイルの性能はそこそこ。しかし、消耗度合いが早い。数千キロ(8000キロぐらいだったと思う)で、スリップサインが直ぐそこに。そこで、ミシュランに変更。フロントばかりではなくリヤも同様にミシュラン・パイロットロード2に交換。

そして、1000キロ以上走行。その最中のハンドリングは、当時の標準だったBSなどお呼びも付かない安定性があった。ピレリよりも優れている。と言うより、NC700Xの悪い癖が表に出ないよう、その素晴らしいタイヤ性能でうまくカバーしてくれていた。

リヤもミシュラン・パイロットロード2に変更
 
そして、あるとき久しぶりの経験をした。それは、峠道の下りでだ。前方にマツダロードスター(最新モデルのMT車)が気持ちの良い速度で、穏やかだが速度を落とさないでのコーナーリング。フル加速、フルブレーキングではないので、後ろからバイクで適当に追従するペーストしては最高。

多少速度が遅く感じるときもあるが、ストレスはない。「こりゃ良いぞ~」と言う気持ちで左コーナーのイン側をアクセル開け気味で通過しようとした瞬間、「ガリ、ドスン」と言う音と靴に衝撃を感じた。

最初一体何が起きたのか???それほどコーナーを攻めたつもりはない。でも、ガリはフットレストのバンク角センサーが路面に当たった音。ドスンと言うのは、ブーツが路面に当たって、跳ね返され、フットレストやステーなどと衝突した音、と理解できた。

フットレストのバンク角センサーが路面と当たった跡。その写真を撮影するため針金で固定した。少し錆が見えるのは日にちが経過しているからだ
 
コーナーを攻めて、ハングオフスタイルを取るようなことをやっていれば(多少はそのようなライディングスタイルとなるのは普通)、フットレストが路面と当たるようなことは起きるだろうが、そのような走り方をしているつもりはない。

一般道でのこの経験は数十年振りである。サーキットならこのようなことが起きることを想定して走行するが、一般道の峠では???つまり、それほど安定性の高いタイヤであると言う証拠なのだろう。このようにタイヤ性能の全てに優れるミシュランをなぜ採用しなかったのか、有る筋から調べてみると「ピレリのほうが安かったから」と言う何とも納得できない答えが見つかった。

NC750Xでも最近のモデルは、BSを標準装備している。ということはNCそのものがタイヤを選ばない設計に(このことは普通の話である)変更されたのか、それともタイヤの構造をミシュランのようにしたのか???

2018年3月2日金曜日

これまで一番大変だったことといえば、バラバラにされたホンダのCVCCキャブ組み立て


何のことはない、ずぶの素人が全てのボルトとナット、ジェットなど適当に分解して、「どうしましょう?」。何がどこに取り付いていたのかわからなくなったのですが、何とかなりますか?と言ってきた。

それは、新人の編集部員として入社した若者。試用期間も終わり自分で企画編集を行わなければならない立場に成長!!!したころだった。当時の編集長がホンダから長期取材用として、新型シティ(トールボーイの)を通勤の足に使用していたクルマ。このシティを使って、何か取材したいという発想なのだろうが、いじくり回すならサービスマニュアルなどを入手ししっかりと熟読して、構造を理解し、その後に手を付けるのは当然だと思うが、どういうものか、その新人君は、いきなりキャブを取り外し、ネジというネジを闇雲に取り外し、その写真を撮影した。

でもその彼が、編集部に入ってくるときの触込みは「CB750のエンジンを分解したことがある」というものだったから、当然キャブの知識は持っているものと思っていた。もちろんシティのエンジンが、当時排気ガス規制をパスさせたCVCCで、そのキャブは構造と作動がややこしいということは理解していた???

私のところに、助けて欲しいという依頼があったとき「君は、CB750のエンジンを分解したり、整備したりができる、と上司から来ていたが、どうなの?」と言うと「いやあれは、CB750のエンジンを分解整備してみたい、と言う話をしたもので、自分ができると言う話はしていない」という。

「だろうな」、CVCCキャブの分解を見て、妙に納得してしまった。そのバラバラキャブを、本日中に組み立てなければ、編集長は自宅への足がない。

だからといって、今すぐにサービスマニュアルを入手することは不可能(後で考えてみると、会社から30分ぐらいのところにホンダのSF・サービスファクトリーがあったのだが)なので、これまでの経験を脳味噌からフルに引き出して、構造を理解することから始め、どこにどのエアジェットが取り付けられ、穴の違う燃料ジェットはどこに取り付けられるのか、と言う判断を、空気の通り道、ガソリンの通り道などから結論を出した。

スロットルバルブも3個あり、それらもバラバラ。ただし、このスルットルバルブは、取り付くところが決まるので、それほど手間はかからない。もちろん直ぐに結論が出るわけではない。あれやこれや考えをめぐらせながらのことであるから、2時間近くかかってしまった。

そして更に問題が出た。それは、フロート室のガソリン油面を決める、フロートバルブの高さ調整である。シティ以外のクルマであると、フロート室の横にガソリン油面を点検できる窓が取り付いているらしいが、それがない。シティのガソリン油面の確認には、専用のガラスシリンダーをフロートドレンプラグに装備し、エンジンを始動させながら、油面の高さ調整ネジを回すのだが、その専用ガラスシリンダーはない。

ここで先へ進めないのは悔しいので、キャブのフロート標準高さを求める手段として、バイクでやられている方法を取った。それは、フロートが取り付いている状態でアッパーをひっくり返し、フロートのベロ(フロートニードルを押す部分)がフロートニードルに当たる寸前ところで、そのフロートがアッパーボディと水平になる位置だ。

数回同じことをやって確認し、納得してから取り付けてエンジン始動。とりあえずうまくいった。後の微調整は、広報車の整備を行うSFに持ち込んで完成である。あ~つかれた~

2018年2月19日月曜日

だいぶ前の話だが、東名高速で起きた事故。前方から飛んできたクルマ、なぜ飛んだのか?


いろいろなテレビ局で、なぜ乗用車が飛び上がって、屋根をバス側に向けながら正面衝突したのか、ということの検証や解説をやっているが、私なりの判断を述べる事にする。

乗用車が走行車線を走りながら、よそ見運転して、気が付いたときに左側のガードレールに軽く接触したとすると、一般の方なら当然パニックとなり、アクセルは戻すがハンドルを大きく右に切るだろう。軽いエンジンブレーキとなり、フロントタイヤのグリップは確保され(FF車である)急激に右へ向きが変わる。すると、次には向きが変わりすぎたので左へ大きくハンドルを切る。

こうすると、クルマには横向きの大きな力がおき、横滑りが発生する。その状態で、右側の縁石の衝突すれば、クルマは裏返しのベクトルが強くなるので、普通なら横転ですむところを、その先にあるガードレールの上部に当たることで、更に上向きの力が大きく発生し、宙高く舞い上がる。

事故現場の道路は緩やかな右カーブで、走り易いようにカント(バンク)が付いている。そのことにより、衝突したクルマの右側には、高さ70cmほどの段差があり、それをカバーするため法面(のりめん)を作る羽目になったことが問題視されているが、警察の発表によると「法面を走った形跡がない」ということだから、縁石で跳ね上げられ、更にガードレールで突き上げられた可能性が高いと見る。

クルマが、どのくらいの速度で、どのくらいの段差があると、そこに乗り上げた場合、どのような挙動を生むか、という検証をしていた局もあるが、使用したクルマがまずい。排気量の大きなFR(フロントエンジン・リヤドライブ)だからだ。

事故を起こしたクルマはFF(フロントエンジン・フロントドライブ)で、当然、駆動輪の違い。前後重量バランスの違いから来る挙動は大きく違う。

どうせ実験をするのなら、事故当時と同じような条件を作り、再現したほうが説得力があるのだが、やりやすい方法でまとめると、結論が大きく違ってくることが多い。その結論を正しい判断だと捕らえる方はいるだろうから、事実と違う情報が独り歩きする。これはいいことではない。