研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2017年11月9日木曜日

2ストロークではエンジンブレーキが効きにくいというのは本当か?


2ストロークエンジンはエンジンブレーキが効かない、という話を聞いたことがあると思うが、これは、これまで言われてきたポンピングロスと関係しているからだろう。

実際にポンピングロスとは、ポンプ作用(つまりその仕事)が起きることで、その仕事が何にも貢献しない場合にロスになることを総称したものと判断する。それなのに吸気系に発生するバキュームのことをポンピングロスと表現するのはおかしい。

バキュームが発生するということは、減圧されるということで、これを元に戻す力がピストンに作用すれば、回転力となりエネルギーとなる。つまり、下死点にあるピストンが、そこに作用するバキューム圧で上死点方向へ引き戻されることになれば、これは回転エネルギーということだと思うが?

それらを踏まえて4ストロークエンジンで考えると、吸気系に発生する減圧作用(バキューム圧)はその見返りとしてエネルギーを少なくする働きをすることになるのだが・・・

話は4ストロークのエンジンブレーキではなく、2ストロークのエンジンブレーキについてである。2ストロークはエンジンは掃気を目的にする1次クランク室があり(クランク室とは限らないが)、燃焼室には一般的(一般的にと書いたのには訳があるが、話がややこしくなるので説明しない)に排気も吸気もバルブはない。これを見ると排気作用は確実に正しく行われないことが想像できる。

では、エンジンブレーキを必要とする場合、アクセルを戻しホイール側からクランクを強制的に回され、1次クランク室の容積はピストンが下がって上がって、下がる途中でクランク室の高まる圧力により掃気作用は起きるが、そのときの高まる圧力は掃気ポートから燃焼室に噴出すので、その見返りはないが、ピストンが上昇して、掃気ポート、排気ポートが閉じ、その後の有効圧は、上死点を過ぎると反発が作用して、回転力を生む。

明確な排出作用がない。つまり仕事をしない、だからエンジンブレーキが効きにくい、ということになる。

吸気が行われにくい(確かに吸気系に発生するバキューム圧は小さい)からだ、という話もあるが、それは違うということについて簡単な実験をしてみればわかる。どんな実験かというと、エンジンブレーキ状態からイグニッションキーをOFF(或いはキルスイッチを使う)、そこからアクセルを大きく開いてみる。このようにすれば吸気が不足しているからだ、ということはなくなり、十分に吸い込む条件は整った。

吸気量が確保できれば、ポンプ作用が最大となりエンジンブレーキが強くなる・・・しかし、そのようなことはない。吸気音は大きくなるがエンジンブレーキ効果は一向に高まらない。

そこで、シリンダーヘッドに圧縮抜きバルブを取り付ける。もちろんそのような形で製造されたエンジンでないと機械加工が必要となり簡単ではないが、数十年前の2ストローク250cc単気筒エンジンでは、そのようなバルブを取り付けできるネジの加工がされていた。素晴らしいデザインのヤマハDT1などでもそのネジ穴(プラグと同じネジ)が加工されていたのだ。

スペイン製OSSAのトライアルバイクに取り付けているデ・コンプバルブ。当初は改造したヤマハDT1に使用していたもの。1974年にイギリスのSSDTへ出場したとき持参し、取り付けて走行した。セクション内で使うことはなったが、長距離移動のコース上で、降坂が多いときには有効に使用した
 
デ・コンプバルブと称するその装置は、当時バイク用品店でも普通に販売されていた。デ・コンプだから、当然圧縮を抜くバルブであるが、本来の使い方は2ストロークエンジンの場合エンジン停止を目的にしたものではない。

後付用品とした販売されていたデ・コンプバルブは、レースにおける2ストロークのエンジンブレーキを最大限に発揮させることが目的で、日本での利用よりアメリカでの要求が大半を占めた。

2ストロークマシンに取り付けたこの装置を作動させることで起きるエンジンブレーキのすごさは特別で、それは4ストロークエンジンのそれよりはるかに強力。オフロードの走行時にそのバルブを使用すると、リヤタイヤがロック気味。今考えるとそれは、非常に細かな作動をするABSのようである。つまり、効率よくエンジンブレーキが効いたということだ。

これだけ強烈になると、その作動中の音もすさまじく、耳が痛くなるほどだった。もちろんバルブの構造が間違っているとエンジンが早期に磨耗するので、ワンウエイバルブを組み込むことは重要。呼吸作用が出来ないようにするのである。

では、なぜこのように強烈なエンジンブレーキが生まれたのだろうか。

それは、ポンプ作用が強烈に発生したためだ。しかも4ストロークに比べて2倍となる。つまり、燃焼室(シリンダーヘッド)に圧縮工程のガス(空気)が抜けるよう手動によるバルブをつければ、クランクが回転するたびにシリンダー内から排出作用が起きる。つまりポンプ作用となる。これによって強烈な負荷が生まれ、それはエンジンブレーキとなる。

また別な見解として、4ストロークのエンジンブレーキ発生を、吸気系に発生するバキュームによるロスであると考えるなら、これもエンジンブレーキ状態からキルスイッチを使い燃焼を停止させてアクセルを開いてみると判断が付く。バキューム発生によるロスが作用していたのなら、そのロスはなくなるわけだからエンジンブレーキは効かなくなるはずだが、走行に変化がないか逆にエンジンブレーキが少し強くなる。

それは当然のことで、アクセルを開いていない状態でのエンジンブレーキでは、吸気による空気が十分にシリンダー内へ入り込んでいなかったため(吸われていなかった)で、それがアクセルを開けたことで解決し、圧縮圧力が高くなった結果、排気バルブが開いたときの空気の排出量が増え、つまりポンプ作用が効率よく働き、エンジンブレーキとなって跳ね返ってきたからである。

であるから、2ストロークはエンジンブレーキが効かないという考え方は間違いで、その構造をよく理解し、別の部品をシリンダーヘッドに取り付けることにより、4ストロークよりも強烈にエンジンブレーキは作用するのである。

2ストロークは今でこそ時代錯誤のエンジンとなり、構造が簡単で長持ち(新しいエンジンオイルが常に供給されるから)、しかも軽量で言うことはないのだが、排ガスの問題が解決できず消えてしまったエンジンなのだといっても仕方がない。少々残念である。

2ストロークは耐久性がない、ということは間違いで、4ストロークより寿命は長い、と考える。その理由は、先にも書いたが常に新しいエンジンオイルが供給されるからだ。では、なぜ昔の2ストロークは耐久性がなく、負荷をかけすぎると焼き付等を起こしてしまったのだろうか。それは、エンジンの設計製作が間違っていたからだ。

2017年10月15日日曜日

第37回ホンダ・エコマイレッジチャレンジ 相変わらずブレーキの性能が思わしくなく・・・


今回の最高燃費は2791.897km/lを記録した、富士エコラン・チーム白糸

昨年は頼まれ仕事とエコマイレッジチャレンジが重なって、ツインリンクもてぎの会場へ出向くことが出来なかったのだが、今年はその頼まれもなく、エコマイレッジチャレンジ車検でのトラブルを、興味本位で取材して回った。

車検で不合格となったマシンを整備するエリアは、いつも以上に混雑していた
 
その中で「やっぱり・・・」ということが、非常に多い。それはブレーキ性能の確保が出来ていないマシンの多さである。

中学生クラスへの参加者が増えた(28台)のはいいが、そのマシンは完成度が低い(全てではないが)。特にブレーキなどの足回り。指導者となる先生方の経験と知識の問題なのだが、また、それを指導してくれる人物も組織もない。もちろんブレーキ性能が確保できていないのは中学生クラスだけではない。

今回はそのような場面でも、口を挟まなかった。なので、ブレーキ性能不足でも何とか走らせてもらったチームは多いようだが、そのことによるトラブルが発生しなければ・・・と考えてしまう。

ブレーキ性能やドライブチェーンの外れは、ほんの少しの経験と知識(といえるほどのものではない)で解決できる。特にドライブチェーンの外れについては、エンジンもしくは最終減速機構とホイールのスプロケット間の剛性が問題。そのテストと確認は最終減速のチェーンを強く押してみればわかる。

いくらチェーンの張りを強くしても、エンジンからの駆動力を受ければ、チェーンにかかる引っ張り力で、エンジンが後ろに傾き、下側に大きなたるみが発生、マシンが揺れた瞬間に外れてしまう。これを少しでも小さく、つまり剛性が上がるエンジンとホイール周りの取り付けを行えばすむこと。対策としては、エンジンが後ろに傾かないよう、ツッパリを入れることで解決する場合も有る。

競技会の現場に来てからの対策で済む場合もあるが、それより製作の途中で判断できる単純なことである。

ブレーキ性能に関しては、ほとんどのチームがリムを両側から挟む(普通の自転車と同じ)方式を取っており、構造的には問題がないように見えるが、キャリパーの角度(ホイール中心に向いていることが重要)が間違っていると、ブレーキシューが食い込み方向に作用せず摩擦力が上がらない。

それでも性能不足が出ることの原因は、新しいブレーキシューを取り付けて万全を期したことが間違い。新品のブレーキシュートしたところで、当たりが出ていなければ摩擦面積が少なく思うような制動が得られない。

当日、いくらブレーキクリーナーで清掃しようが、サンドペーパーで磨こうが、性動力は回復しない。

簡単な方法は、エンジンを始動し、タイヤを回しながらブレーキレバーを引き、ゴム臭くなるまで過酷な制動テストを繰り返すこと。これは、ブレーキによる発熱でシューのゴムを溶かし、それがリムに付着することで、制動能力を確保しようというもの。

また、いざとなったときの最終手段として、平ベルトワックス、野球のバットスリップ止めなどに使う、マツヤニをリムに塗りつける方式も有る。耐久性は低いがとにかく一発の使用には強い。

受付を済ませ車検に並ぶマシンとエントラント。さて無事合格するのだろうか
 
それとよく見かけるのが、ブレーキレバーを短く切っている場面。軽量化? 何の意味がある。そんなことよりも、しっかりとブレーキワイヤーを強く引くことが一番重要。そうなれば、短いレーバーでは無理で、自転車用を使うとしても、安物ではなく、剛性の有るマウンテンバイク用などのチョイスは考えるべきだ。

2017年10月3日火曜日

隠れて取締りしている警察官を指導


時々出かける郵便局。その途中の交差点角の奥に、ひっそりと警察官がバイクに跨って取締りをしている。そこを自転車で通る回数はひと月に1~2回。でもその警察官と出くわす回数は、いつもなのである。

一方通行の交差点であるが、自転車で通過するときには、どちらから来ても一時停止が義務図けられている(当然のことだが)。一時停止の看板も設置されている。

そこを自転車で通過するとき、一時停止する人は非常に少なく、私が止まって左右を確認している横を、減速もせずに飛ばして走り去る。この状況は、警察官がいても何も変わらず、警察官も指導はしていない。

それを何回も見ていて、ついに「一言」となったのである。

バイクに跨り周りをきょろきょろ見回している警察官のそばに行き、「何のために貴方はここにいるのですか?」という質問をした。すると相手は戸惑って直ぐに返事が出来ない。そこで更に突っ込み「隠れての指導や取締りは、事故を未然に防ぐことは出来ない。事故の目撃者にはなれるけれども。それでいいのですか?」という質問をしつつ、それに加えて「もし、その事故の被害者或いは加害者があなたの家族だったらどう思いますか」「そして、あなたがこの交差点で、どこからでも見える位置にいて、存在を示していないのは事故防止という観点からすると、おかしくないですか」。

ここまで詰め寄っていると、先方の警察官も言い訳をしてくる。「自分がここにいることで、例えこの場所で一時停止しなくても、視線に入ることで、あそこには警察官がいる、という意識を持ってもらえれば、事故防止となる」というのであるが、果たしてそうなのか。

あれこれ警察官と話をしている横を、高校生と思われる方、買い物帰りの奥様。幼稚園に送り迎えするアシストママちゃり。何事もなかったかのように速度を落とさず走り抜けた。

交差する道路のほうに警察官がいるので、それに気付くドライバーは、正確に一時停止ライン手前で止まり、その後ゆっくりと走り出して、交差点に顔を突っ込んだところで再度止まる、という行為を行っているので、ここで自転車を跳ね飛ばすことはないのだが・・・

もっとどこからも見えるところにいてください。それでも一時停止せずに通過する方がいたら、遠慮なく笛を吹いてください。スマホや携帯電話を操作しながら走る自転車は、遠慮なく取り締まり、切符を切ってください。ということをお願いした。

そして、気が付いたことがあり、ここからはオセッキョ。なにが?と思うだろうが、それは、バイクを乗るときの警察官の服装。暑いからといって半そでの制服。転倒、接触での怪我を考えれば、最低でも長袖。我々がバイクを乗るときには、膝、腰、肘、肩、背中などにプロテクターを入れた防御スタイル。NC700でのツーリングでは、背中にエアバッグまで背負うという厳重なもの。


なぜ貴方たちは、半そでで走るのですか?転倒などのアクシデントは想定しないのですか? すると、「規則で決まっていないので、当日都合の良い服装を選んでいるから」という話である。

確かに、ヘルメット装着、それに半ズボンでも法律違反ではない。それだから、自分達も所内にある適当なスタイルを選ぶらしい。でも国民の見本となるような行動と服装は、警察官として当然あるべきこと。そのことをしっかりと頭に叩き込んで欲しい、と述べておいた。さて、次にあったときには・・・

2017年9月24日日曜日

バイク用通信機セルラーラインのジェットヘルメット専用マイクはどうなんだ!!!


バイク用のインターフォン、セルラーラインにジェットヘルメット専用のマイクがあり、それを入手したので装着と使い勝手、マイクの性能などについて書いてみることにした。

()トーヨー産業(東京都港区芝2-27-8マスマンビル7F。TEL03-6303-0030)が輸入するバイク用のインターフォン・セルラーライン。イタリア製で高性能が売り物だが、最高クラスだと少々値段の張るのが難点。それでも根強い人気が有り、ベテランライダーのツーリンググループでは使用している方は多い。一番高性能のものであると混雑した道路でも500~600m以上。見通しがいいところでは1000m以上離れていても電波は届く。

ブルートゥース電波を使っているので、それに対応している携帯電話、特にスマートフォンであると何の設定をしなくても自動的に接続する。FMラジオを選択することも可能だ。

本題に移ろう。ジェットヘルメット用のマイクはセルラーラインを購入すると、セットとして同梱されている。フルフェイス用もあり、それぞれのヘルメットで使い分けするのだが、ジェットヘルメット用のものは、マイクの固定方法がないため、フレキシブルパイプの中にコードを通し、自由に曲げ伸ばしできることを応用したもの。
Bというタグのついたほうがセットで入っているジェットヘルメット用とするマイク。フレキシブルパイプを使って曲げ伸ばし可能だが・・・下がプロサウンド用マイクという名称が付き、ジェットヘルメット(専用ではないと思う)でもスタイリッシュに使用できる新しいもの。両面テープ付きのマジックテープが同梱される
 

しかし、スタイルの点からすると完璧とは言いがたい。そこで発売されているのが、ジェットヘルメット用としてのマイクで、フレキシブルパイプを使わず、樹脂の板を曲げ、その先にマイクを取り付けた構造。

とりあえず昭栄のジェットヘルメット用ということだが、取り付けられればどのメーカー、どのタイプであってもかまわない。マイクは指向性が高く高性能であるため、使い勝手は良い。

プロサウンド用マイク(3200円)という名称で販売されており、フレキシブルパイプを使用したものではなく、カーブした樹脂プレートの先端にマイクが付いたもの。これをどのようにしてヘルメットに取り付けるかというと、とても簡単。

取り付けは、同梱されているマジックテープを使わなくても、軽量でステーが薄くまとまりがいいため、帽体とスポンジの間に挟みこむだけでいい
 
同梱されているマジックテープなど使用しなくても、内装スポンジとヘルメット帽体の間に押し込むだけ。軽量であるためこれで十分。ずれることもなく、また自由に好きな位置へマイクを持ってこれる。取り付けが心配なら同梱している、両面テープ付きのマジックテープを利用すればすむ。

取り付けたのは、友人関係に昭栄のベーシックなジェットヘルメットを持っている人間がいなかったので、取り付けが出来そうなシューベルトC3(ドイツ製で数年前までBMW指定になっていたもの)を使う。シールドと帽体部分が一体になった感じのもの。フルフェイスに見えるが、ジェットの変形と捕らえられる。

コレで完璧、マイクの位置がずれたりしないし、好きな位置に持ってこれる。性能は申し分ないようだ
 
これまでは、標準で同梱されていたジェットヘルメット用を使用していたが、いくらフレキシブルパイプといっても、取り付け部分がしっかりと出来ないため、走行中にズレルことが多かったという。それが解決され、更にマイクの特性がこれまでとは違うので、非常に使い勝手が良くなったということである。

 

2017年9月1日金曜日

写真を撮るとき、ファインダーを覗きながら両目を開けている必要性は何なのだろうか


ファインダーのないデジカメなら両目で液晶画面を見、どこに被写体を持ってこようか、どこにピントが合っているのかなど、気にしながらシャッターを押すだろうが(でも画面に映る被写体に視点が集中)、ファインダーがあるタイプで、ファインダーをのぞきながらシャッターを押す場合、片目をつぶってファインダーを覗くのは「写真を知らない、度素人がやること」という風潮があり、テレビのCFでも、此見よがしにファインダーを覗きながら両目を開けてシャッターを押すことを当然のように出している?????

こうやると、素晴らしい写真が取れるの?

そんなことは不可能と思う。というのも、人間は両目に写るものをそれぞれ別なものとして判断することは、いくら訓練しても出来ないからだ。動物では出来るものがある。カメレオンなどがそうだろう。

大切なのは、被写体(人、動物ばかりではなく風景も入る場合がある)の表情。それを的確に判断できなければ良い写真は撮れない。そして、そのためには健常者なら両目で被写体を観察する必要がある。なので、ファインダーを覗きながらでも、両目を開けて・・・なのだろうが、ファインダーを覗いて見えるものと、その反対側の目で見る状況は違う。

左右それぞれの目が、自由にピントが合い、視野も左右それぞれ自由に調整できるとすれば、ファインダーを覗きながら、その反対側の目も開いて、被写体を観察することは出来るが、無理だろう。

ファインダーで覗くほうは望遠状態。対するその反対の目は固定。これを左右両方しっかりと判断し理解して、その視界にある映像を分析しながら、どのタイミングが良いか、どちらがいいか決め、カメラを必要な方向へ変更するなど、到底無理な話。もちろん、望遠レンズを使い、クルマやバイクの走り(レースとは限らない)をアップで撮影する場合には、片目でファインダーを覗く。でも、全体の雰囲気や、全員の素晴らしい表情を狙うとなると、ファインダーで除いていたのでは無理という判断なのだ。

そこで、素晴らしい表情の写真を撮るときには、ファインダー(液晶でも同じ)を覗きながら、カメラのシャッターを半押ししてピントを固定。その状態からファインダーを覗くのをやめ、両目でしっかりと被写体の表情を観察し、これぞと思う瞬間にシャッターを切る。こうすればとても感じの良い写真が取れると判断して、それを実行している。

その経験をしたのは、十数年前のことだが、プロのカメラマンによる集合写真撮影で、そのプロは「こちらに目線をください」とか「もう少しうれしそうな表情をください」などと言って、シャッターを数十枚切っていた。

こちらは抑えの写真を撮っておこうと、片目を閉じてファインダーで構図を決め、シャッター半押しでピントを固定。ファインダーから覗くのを止め、そこにいる方々の表情の良くなる瞬間を狙う。集合している方々はカメラマンの言うことを聞いて、それに合わせているが、全員の表情が一致することはほとんどなく、一致してもシャッターチャンスはファインダーを覗いている限り無理。それはいくら両目で見ていても、被写体となる方々の表情の全てを観察することが不可能だからである。

ところが、こちらは両目の肉眼で観察しているので、そこに集合している方々の表情をしっかりと判断できる。つまり、一瞬の表情を見逃すことがない。なので、後日カメラマンから回ってきた写真と比べると、誰が見ても、抑えで撮った私のほうが良い。

集合写真ばかりではなく、一人の場合にも同様にしてシャッターチャンスを掴むと、この上なく素晴らしい、感情のこもった写真が撮れる。写真撮影を生業としている方でも、一人の写真を撮るときに、その方の素晴らしいしぐさや、表情がしっかりとわかるように、ファインダーを覗きながらシャッターを半押ししてピントを合わせたら、ファインダーから覗くのを止め、両目で確実に被写体を捉え、その表情を見極めながらシャッターを切ることで素晴らしい写真を撮影している。それは相手が人間ではなくペットでも同様だ。

そのように判断すると、セルフタイマーで撮影した写真の、気持ちの入っていない、そして味気なく情けない表情となってしまうのは、なんとなく納得できる。

立体的に被写体の状況を判断するには、両目で見る必要がある(目の不自由な人には申し訳ないが)。だからといって、片方は望遠、その反対は広角、という使い分けの中で、被写体の状況がわかることはない。無理だ。だからピントを合わせたら、そこでカメラをしっかりと固定し、気持ちが入ったときにシャッターを切ればいいのだ。

ま、どうでも良いが・・・この考え方を押し付けるつもりはない。でも、試しにやってみてはどうだろうか。デジカメなら直ぐその場で検証できるのだから。
 
以下の写真は、ファインダーを覗きながらシャッターを切ったものではない。モトクロスのスタート写真では、被写体が動き始めているので、少しピントがずれ始めている。縦位置で撮影したほうは、被写体が動いていないので、「いいなー」と感じる角度、高さで撮影したもの


 

2017年7月28日金曜日

自動車の車検時に行う光軸検査で、問題が出るようになり、検査ラインで時間のかかることが多くなった。何が悪いのだ


その原因は、複数のLEDヘッドライトを搭載するクルマが多くなり、そして、複数のLEDを採用したものであると、ハイビームではどこが中心であるかの判断がヘッドライトテスター(自動のコンピューター制御)では出来ないことから、なんとなくそれとわかるロービームなら、水平ラインから左に上がる場所を基準点とすればいいだろうと言うわけで、最近の車検ラインではロービームの光軸で判断するようになった。

ハイビームでのテストが出来るクルマのヘッドライトレンズをよく見ると、小さなでっぱりのようなものがレンズの中にある。これは、ライトのバルブと一直線上にあり、ここを基準としてハイビームの光軸を検査するようになっているのだ。その昔では、レンズカットなるものがあり(光の明るさが減衰してしまうが)、それによりバルブの中心とレンズは一体であることから光軸は求め易かった。

レンズカットの有るヘッドライトは、光軸調整でリフレクターとレンズは一体となっており、ヘッドライト全部を動かしての調整だが、最近流行のレンズカットがないものでは、ヘッドライトをハイビーム点灯させたとき、どこを目標に光軸を測定すればいいのか不明となるため、透明で小さな出っ張りをレンズ内部に作り、それとバルブからでる光を捉え、これを基準にハイビームの光軸を検査していた。

ところが、ハイビーム重視でヘッドライトを造っているわけだから、それを、いきなりロービームとなれば、基準となるヘッドライトのレンズマークはない。はて???

これが、問題を引き起こしている。全てのクルマがロービームで高軸(ハイビームでの重要性を求めるが・・・)が決まればいいが、そうはいかない。

ロービームでのテストに変わったことは知っているので、車検の前に近くのテスター屋さんで、ロービーム光軸調整を行ったのだが、ヘッドライト検査で不合格。

その不合格がでるまで、何回も検査し、更にハイビームでの検査にも切り替え、それも何回も行う。結果としては、ヘッドライト検査の時間は10分近くかかって、不合格判定。

再度テスター屋さんに出かけ、状況を話してロービームだけではなくハイビームでの光軸調整も行って、再検(検査ラインに入るところに何をテストするのか選ぶボタンがある)を行ったが、ロービームでは左側はOKであるが右側はダメ。

こうなると最初と同じで、ハイビームにして検査をやり直す。ここで、何とか合格。いや~検査で時間のかかること。どうりで隣の検査ラインも先に進まない訳だ。

これからどうすれば、この問題は解決するかであるが、いっそのこと複数のLEDを使用したものでない場合には、最初からハイビームでの検査でお願いすればいいのだ!!!バイクはハイビームなんだから。

2017年7月13日木曜日

以前にも同じようなことを書いたが、日本の道路交通法の「人は右・クルマは左」ということは、自転車を使う方が咄嗟のときに迷ってしまうのではないか、という話


道路交通法には、人は右・クルマは左という法規がある。クルマとは全ての車両を意味するから、当然自転車もその中に入る。

ところが、この法規が歩行者のほとんど、自転車の一部で守られていない。それは、道路の両側にある歩道を歩いてみればわかる、というより体験する。もちろん歩道の幅が広ければ気になるような状態にはならないのだが。

歩道の幅が1mぐらいのところでは自転車を乗り入れることは少なく、例え乗り入れていてもその方は気を使って走らせるので、それはそれで納得できるが、その場合、対向してくる歩行者のどちら側で擦れ違えばいいのか。自転車は左側を走る、ということが法律で決められているからと、歩行者の左側を走ってしまう。これ間違い・・・

では、歩行者はというと、本来は右側通行なのに左側を歩く方がほとんど。それを否締めたら、とてもいやな経験をしたので、それ以後、こちらから右側をしっかりと歩いて、先方から来た方も右側(つまり左側歩行)を歩いて、避ける気配がないときには、右下を向いてその方を無視するような行動を取ると、直前まで来たときにその方は避ける行動を取る。

自宅近くの駅前交差点では、右側にそこへのショートカットがある関係で、歩道の右側に歩行者が待つ。ここまではいいのだが、その後はひどい。右側に待つ方がほとんどだから、そのまま右側を渡り右側を歩くのかと思いきや、いきなりクロスして左側を団体行動的に歩く。

そういう私も、漠然と歩いているといつの間にか左側。ということは、人間の本性は左側を歩くことが正しいのかもしれない。これらのことが、自転車を走らせるときにも、精神的な影響として表に出てしまうのではないだろうか。そうなると、「人は左・クルマも左」、という法律にしたほうが瞬間の判断を間違わないで済むし、それによる事故も少なくなると思う。

更に自転車の走行レーンをしっかりと道路上にマークし、そこを走ってもらうことで事故の抑制を図る、という趣旨で最近はいたるところに、理解しにくい(決まったマークではないし、色も統一されていないので)マークが有るらしいのだが、果たしてそれは確実に守れる状況にあるのか、ということに行き着く。

そのマークしているところは、大型も走り、かつそれらのクルマは普通に自転車走行レーン上に駐停車する。そのときには、自転車が歩道上に回避できる(このような構造は見たことはないが)道路設計となっていれば問題は起きないが、そのような設計ではないとなると、交通量の多い中央側に飛び出して、これを避けることになる。

周りを常に注意してクルマを走らせる運転手は、自転車・その前方にクルマが止まっていれば、当然自分の走る側に出てくるな、という予想をして、何事もなかったかのようにアクセルを戻し、ブレーキペダルの上に足を乗せ、いつでも回避行動が起こせる状態を作るのだが、そうでない場合には事故が起きる。

日本の道路行政は、時代遅れになっていることは世界中が認めるところ。認めていないのは、東大卒のお役人?だけかもしれない。

海外旅行の経験は多くても、ツアーコンダクターが手配した運転手付でのクルマで移動したのでは何もわからない。現地でレンタカーを借りて、いろいろな道路を走ってみれば、如何に日本の道路行政がいい加減で、手前勝手に規制されているということに気が付くはず。ただし、いい加減な運転をすると、気が付かないかもしれないが・・・事故になるというリスクをしっかりと認識していれば、その事故を起こさない、或いは事故に結びつくような行動は何か、などにも行き着く。

でも、このような規制、規則を作る方は実際にそのような道路を自転車や自動車、バイクで何回も走ったことのない方で、机上論で決めているような感じがしている。例えばこのような話がある、会社勤めをしていたとき、大学院生たちが卒論のテーマとして、「日本の道路についての研究を・・・」で話を聞きたいと会社を尋ねてきた。

一通りの話が終わってから、その方たち(3人だったと思う)に、海外旅行の経験は?と聞くと「行ったとこはあります」という答え。それは、ツアーコンダクター同行ですか、という問いかけをすると、全員がツアコン同行で、個人旅行ではないという。

普通に外国を経験するのなら、ツアコン同行でもいいが、日本と違う環境をしっかりと経験するには、やはり個人旅行だから、ぜひ在学中に個人旅行を経験してください。それによる内容は今後とてもためになると思います、と締めくくった。