研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2017年5月22日月曜日

全てのバッテリー(乾電池も)に言えること


電層ごとに違う性能が問題を引き起こす

性能差がないように造りたいのは山々だが、人工的に造るものは、どうしても容量、電圧、内部抵抗に差が出来る。

この差があると、直列に繋いで電圧を高くする場合(EVやハイブリッド用として使うとなると当然こうなる)、電気的な負荷を与えた瞬間に、元気な電層から電圧の上がっていない電層に充電が始まる。

モーターを回すことが目的なのに、隣のバッテリーに充電したのでは、本来持っている性能が発揮できなくて当然。このようなことが起きるため、EVを造るあるメーカーでは、充電後に各バッテリーの電圧を計測し、他のものより高い場合には放電(パージ、ショート)させ、全体のバランスを取るという。

その方がバッテリーの能力を発揮できるというが、それにしてももったいない話である。

全てのバッテリー(普通の鉛バッテリーも乾電池も)で目的とすること、それは公差が出てしまうことを、いかに小さく、そして、それがないようにするかである。しかし、いくら研究・開発が進んでも、近い将来では、なしえない状態にあるという。

EVの走行距離アップで研究目標となっているのが、バッテリーセルの性能合わせで、それがなかなか達成できない。

人が人工的に作り出すものは、必ず100%同じにはならないのは、

バッテリーも同様で、それゆえ、EVに現在使用しているリチウムイオンバッテリーやチタン酸リチウム負極(SCiBは、ひとつのセルでの電圧を高める研究が進んでいる。

極端な話が、ひとつのセルだけで300Vや600Vのバッテリーが出来れば、公差なんて関係なくなるのだが・・・

数十年前にこんな話を聞いた。それはビデオカメラにニッカドバッテリーが使われていたころで、TV局でも同様に使用。

ただし、TV局に販売されるニッカドバッテリーは、公差が非常に小さなもので、製造メーカーは使用中の電圧に差が出ないものを寄せ集めた。つまり、完成したニッカドバッテリーをそのままTV局へ納入するのではなく、一度負荷をかける状態で使用し、その途中での電圧降下状態を計測。出来るだけ降下率の同じものをまとめるだけではなく、降下の少ないものを選んだ。

では巷に出ていたニッカドバッテリーは、というと、これらはプロ仕様の中で端にも棒にも引っかからないジャンク品、といっても過言ではない内容のものだった。当然モーターラジコンなどでもプロ仕様を手に入れた人が勝ってしまうのは明白。「そーかー。それでオレはあいつに勝てなかったのか~」なんていう昔を思い出す人も要るだろう。

このようにして優れたものだけを集めてTV局へ持ち込まれたわけだが、使用時間が来ると処分される。

あるテレビ局の関係者は、その状態の処分ニッカドバッテリーを分解し、自分が使用するビデオに合うように組み直し、使用する。その結果、なんと指定バッテリーを購入したときより数倍長持ちした、というのである。

これ、当然で納得

2017年5月17日水曜日

ホンダNC700Xのコーナーを曲がるときに癖は、タイヤの変更によってある程度解決できるようだ


NC700Xを最初に試乗したとき、フロントタイヤがパンクしているのではないか、と感じさせるほどの巻き込みが発生していた。これは、特性という範疇を超えた欠点であるという捕らえ方をした。その結論を導き出す背景には、これまでこんなにひどい巻き込み現象が発生するバイクに乗ったことがないからである。

とにかくその癖は恐ろしく強いもので、街中でも速度に関係なく巻き込み(強い切れ込み)が発生する。というわけで疲労の発生がひどい。

しかも、全ての角(交差点も)、コーナーを走り抜けるとき、ライディングスタイルをツーリングで楽なリーンウイズではなく、レース場でやる、ハングオフ(半尻落しで、内側の膝を開き、更にハンドルを突っ張らず、肩からコーナーに入っていくような感じ)での走行は、年寄りばかりではなく若者だって楽しくないばかりか、疲労も蓄積する。

そこで、750にモデルチェンジされたNC750Xに採用されていた、ピレリのスコーピオントレイルというタイヤにチェンジ。値段が高価なのとどのような評価になるか心配だったから、フロントだけを購入して交換。

 
純正装着のBSから手前のピレリスコーピオントレイルに交換して、走行性に違いを感じていたが、その磨耗の激しいこと、それに磨耗することでハンドルの感触に大きな変化が出てきた
 

確かにコーナーでの巻き込み現象は低減していて、ニブリング現象も弱くなったので、すり抜けでヒヤリとすることは少なく、ツーリングでの疲労もこれまでよりはるかに少ない。

しかし、タイヤ交換して4000キロぐらい走行するころから、なんとなくフロントが粘っこく反応する。もちろん、純正装着タイヤのBSとは違う感触で、タイトな上りのコーナー(地下駐車場からでるような場合)でも特に気になる表情は見せないのだが、どことなくハンドルが粘っこい割りに落ち着かない。

また、タイヤのトレッドを監視していると、磨耗が早いようで8000キロでスリップサインが出てきてしまった。スコーピオントレイルを装着してから、磨耗が激しいという書き込みは見ていたが、まさかこれほどとは思わなかった。ま、これも経験だから仕方がないか・・・


スリップサインが出てしまったピレリ。そこで、車検ついでに早々と購入していたミシュランにチェンジ。ハンドルの感触ばかりではなく、非常に素直な感じを受ける。コレがどこまで続くかは数ヶ月先でないとわからないが・・・
 そのようなことも計算していたので、次に装着するタイヤはミシュランのパイロッドロード2。当時はロード3なども発売されていたが、値段が高いので、ロード2を選んだ。何がどう違うのかは知らないが、ある方の話だと「ロード2のほうが走行性がいい」というのである。確かにその方のバイクにはロード2が装着されていた。

そして、ピレリのスコーピオントレイルからミシュランのパイロットロード2に交換すると、その違いがハッキリと現れた。

何が違うのかというと、ハンドルが軽いのである。徐行状態での粘っこさはなく、スムーズそのもの。それはスコーピオントレイルを履いたときに感じたものとは完全に違って、タイヤが細くなったような感触なのだ。

交換してから街乗りしかやっていないので、総合評価は出来ないが、そのうちツーリングに出かけるので、直ぐにわかるだろう。

コーナリング性能が著しく劣ることはないだろう。また、サーキット走行となれば、当然ライディングスタイルは違うので、判断基準も変わるから、それは何ともいえない。

でも、何でこれほど顕著なハンドリングの違いがでるのだろうか。タイヤのパターンではなく構造が問題なのだろう。それを示すかのように、最近のNC750には、またBSブランドのタイヤが純正装着されている。ということは、恐らくホンダ側からBSに対して、タイヤ構造の見直し要求が出て、それに合わせて製造しなおしたとも言えそうだ。

タイヤの開発製造で一番コストのかかる部分はトレッドパターンに関するもので、構造(断面)ではないからだ。

2017年5月8日月曜日

BMWバイクの素晴らしいハンドリングを改めて再発見した2017年JAIAバイク試乗会


今年で3回目となる輸入バイクの試乗会に参加した。JAIA(日本自動車輸入組合)はクルマもバイクも同じ組織で、これまで開催されなかったことがおかしかったのだが、3年前(正式には4年前のアンケートが後押しした)から、会場は同じ大磯プリンスホテル駐車場。

試乗会場は大磯プリンスホテルの駐車場をベースにしたもので、ここから一般道へ
 

JAIAに加入していないバイクは残念ながら参加していないので、モーターサイクルショーで見る珍しいバイクの試乗はない。また、試乗リストに挙がっていても最新モデルであると用意が遅れてしまい、キャンセルされることがあるのは残念。

第1回目は天候の関係で参加を取りやめたが、2回目(つまり昨年)からは参加している。

用意されているバイクの中で、どうしても話題のあるものに乗りたいライダーが集中して、これは抽選となるため、全てのバイクに乗れないのが残念。それでも、確認したいバイクには乗ることが出来た。

さて確認したいバイクとは、BMWである。昨年もBMWのF800GSにチョイと試乗したが、その自然なハンドリングに度肝を抜かれた。何とも非常に自然なハンドリングなのである。ライダーが行きたい方向を向くと自然に方向を変える。そして、ハンドル(フロントタイヤ)が引き込まれるような感触は微塵もない。

これにはびっくり仰天である。このような感触の日本車(バイク)にはお目にかかったことがない。最徐行しようが加速しようが、その状態を変えることはないのである。峠のワインディングはもちろん市街地、渋滞時などの微妙にバランスが要求されるところでも、普通にライディングしていれば何も起きない。

ホンダ研究所を定年退職したウルサ型の足回り担当の方も、このF800GSを自分のバイクとして購入。そのハンドリングの素晴らしさには、かぶとを脱いでおり「自分達がこれぞと思って開発したバイクでさえ足元にも及ばない」「N**なんかくそ喰らえだ」と暴言を吐くほどである。

試乗したS1000XR。1000cc4気筒モデルであるから当然重さがある・・・というのは間違いで、いざシートにまたがりギヤを1速に入れゆっくりと走り出せば、「何だコレ」なのである。おかしいから「何だ」ではなく、非常に素直で癖のないハンドリングだからである。コレまで経験した日本の大型バイクにはない特性には脱帽である
 

ツインのF800GSばかりではなく、他の水平対抗や並列4気筒のモデルはどうなのか、興味を持てるのでS1000XR(並列4気筒)アドベンチャースポーツというキャッチフレーズの付いたこのモデルでその素性を確認すると、今現在自分で乗っているモデルのだらしなさをマザマザと見せ付けられた。

見よこのしっかりとしたフロントフォーク。サスペンション回りでもBMWは、特別な配慮をもって設計していることがわかる
 

F800GS同様のハンドリングで、1速ギヤのアイドリング走行でも、ごく普通に何の問題もなく、腰や足でのバランスを必要とせず、バイク任せの走行が可能。というより、それがあたりまえの状態をなのである。

このモデルではあまり電子制御は取り入れていない。隠れたところにテクノロジーがある
 

日本のバイクメーカーのモデル全てを乗っていないので、断言は出来ないが、現在のモデルでこのようなハンドリングの日本製バイクは存在するのだろうか?

2017年4月27日木曜日

AT仕様のクルマの暴走事故があるが、AT車のブレーキペダルが幅広で大きい理由は何?


自動ブレーキのシステムを搭載したクルマが発売されているので、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は少なくなるだろうが、完全になくなるわけではない。障害物を認識しなかったり、認識するのが遅れれば事故は起きる。更に、このシステムが絶対に故障しないわけでもなく、いつ故障するかわからない。

となると頼みは運転手。運転手が間違いの操作をしなければ、ブレーキとアクセルを踏み違うことでの事故は発生しない。

そこで、AT車を運転するときに遊んでいる左足(健常者での話)を有効に使うという発想が生まれる。使えるものは何でも使えばいいのだから。

クルマの暴走事故は今に始まったことではない。2ペダル(AT車)のクルマでは、健常者であると右足でアクセルとブレーキを踏むように、半ば強制的に習慣付けられ、日本の自動車教習制度をつかさどる警察庁の指導(規則)では、ブレーキペダルは右足で踏む、ということになっているらしい。実技教習指導中に左足でブレーキペダルを踏むと、教官から怒鳴られる、という話も聞く。

それでいいのか???

では、なぜAT車のブレーキペダルは幅が広く(全てのクルマではないが)大きいのだろうか。

これつまり、健常者であればどちらの足を使ってもブレーキペダルを確実に操作できるように、ということが目的ではないのだろうか。今から50年以上前の日本車でもそのような設計であったし、ましてやAT車大国のアメリカでは、これより以前からブレーキペダルは幅広で大きかった。

その意味合いを語れる設計者はすでのお亡くなりだろうから、そこに至った真実は知ることはできない。でも、現在のクルマでさえ、このような作りになっているということは、考え方(つまり左足も自由に使うということ)をそのままコピーした、ということが言えやしないか。

左足でブレーキペダルの操作をすると、いいこと尽くめなのである。

いつも書いているが、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故はなくなる。踏み間違いをしないからである。それは、左足で足の裏に触るペダルはブレーキであり、右足ではアクセルである、というごく普通の構造が当然そうさせる。

左足でのブレーキ操作は訓練というようなことではなく、単に慣れでしかない。道路を走っていて、不安に思ったら、ブレーキペダルの上に足を添えて、いつでも踏めるように構えていれば、いざというときに間髪をいれず、ブレーキ操作が出来る。

そして、人間とはすごいもので、このように構えているときの緊急ブレーキは、とても冷静にブレーキ操作が出来たことを数多く経験している。

こんな経験もした。それは試乗会での出来事。道路の一時停止場所。それがまた左右が見にくい。右はまだしも左はかなりはみ出さないと確認不可能。

そのままいつまでもそこにいるわけにも行かないので、左足はブレーキペダルを操作しながら、右足はアクセルを僅かに踏む。左を再度確認しながらのことだが、それがなかなか難しい。素早く通過しようとアクセルを踏んだ瞬間、左からクルマが。すると、頭の中で「待て、クルマが来るぞ」的な指令が起き、アクセルペダルはそのままに、左足は強くブレーキペダルを踏む(操作する)状態になった。

このとき、自分自身でもなぜそのような行動になったのか判断できなかったが、考えてみれば左足も右足も(健常者なら)自由勝手に動くのは普通。例えばMT車の操作は、自然に右足と左足は必要とする操作に対する動きとなる。それは、何の意識なしでのことだから、AT車での左足と右足が、それぞれ勝手な方向で、そのときのベストな動きになっても不思議ではない???のかもしれない。

アクセルペダルを踏んでいる右足でブレーキペダルも踏まないと、アクセルが戻っていないから、制動能力に劣るのでダメ、という方がお出でになるが、それをカバーするために、最近のATでは、ブレーキオーバーライド(ブレーキペダル優先制御)なるシステムが組み込まれているので、その心配はない。

自動車の構造・規格などを管轄する国土交通省では「AT車の場合、左足でブレーキペダルを踏む人もいるので、例えアクセルペダルを踏んでいても、ブレーキペダルを踏んだ瞬間にアクセルを戻すシステムをつけるように」という指針を出している。電子制御となったアクセル制御では、この装置を搭載するのは簡単なことである。

また、ブレーキ性能のほうがエンジン性能より高いので、多少アクセルペダルが踏み込まれた状態でも、制動能力が大きく低下することはない。

マニュアルミッションでの制動力や操作でも、特別制動距離が伸びるという話は聞いたことがない。急ブレーキ時にクラッチを切って・・・という行為は無理。でも、ブレーキは十分に利く。ABSが装備される前には、クラッチを切らない急ブレーキのほうが、タイヤのロックを防げて、制動能力が高くなるということを述べていた人物もいた。

バイクのギヤ付では、左右の足はそのギヤ操作に合わせてかなりややこしい(乗りこなしていればそれを感じることはないのだが)。左右の足としたのは、その昔ではギヤのシフトペダルは右のものや左のもの、さらにロータリー変速(シフトペダルを踏み続けているとN1234N或いはN4321N)となるシフトパターン。更に、ハーフシフトの位置にN(ニュートラル)があり、そこから1段踏み下げて1、ペダルの下側につま先をいれ、かき上げるとハーフシフトのNを通り越して2になる。変速のたびに3、4、5、6でストップとなり、元へ戻す場合には、シフトペダル(チェンジペダル)を1段ずつ踏み下げる。最高6段変速で、これはレースのレギュレーションからなんとなく変速段数が決まったと思う。

現在発売されているスポーツバイクでは、このシフトパターンが標準。更にアメリカでのMVSS規格において、このシフトパターンであること、という規則まで存在する。そしてシフトペダルは左で右がブレーキペダルである。

現在ではこのような規則に則って右がブレーキ左がギヤチェンジと決まっているが、その昔には、各メーカーの主義主張で勝手に決めていた。また、そのバイクがどのような目的を持つかでも、ブレーキペダルとギヤチェンジペダルの左右はある。

その例がアメリカのハーレーで、フラットトラック(日本ではダートトラックという呼び方をする)を目的にしたモデルでは、1周1マイルレース用のベースモデルとなると、ギヤチェンジが必要となるため、左足をステップから外した状態で、金属のスリッパを取り付けたブーツで、バランスを取りながら、その足をスライドさせるためギヤチェンジは当然右側に装備された。

ついでの話だが、AT車で左足でのブレーキ操作が完璧に出来るようになると、渋滞時では両足でのブレーキ操作も出来てしまう。特に停止時では、ブレーキペダルを踏む、という行為ではなく、ブレーキペダルに両足を乗せる、ということでクルマを停止させて置けるので、疲れも少ない。

また、ある集まりで、左足でのブレーキ操作について議論していたら、ある若者が「そうすると、MT車に乗ったとき、うまく操作が出来ず、暴走や事故になるので、賛成できない」という、感覚的な意見を述べてきた。

そして、周りにいた私と同年代の方々も、「そうだね」的な相槌を打ったので。「誰がそんなことを述べているのか聞きたい。どちらの仕様のクルマに乗っても、まごつくことはない。現に私は自家用車としてMT仕様であるし、試乗会ではほとんどAT.とっかえひっかえ乗り換えても問題を感じたことはないし、MTであれば、トー&ヒルの操作をすることだってある」と話したら、不満げな顔をしていた。

レーシングドライバーはどのような意見を持つのであろうか。人づてに聞いた話では、「サーキットではともかく、一般道では危険となるので、左足でのブレーキ操作は推奨しない」という話がある。

サーキットは、どこでブレーキを開始するのが早く走れるかという練習をするから、冷静に計算した上で普通に左足でブレーキペダルを踏めるのだろうが、こと一般道となると、ブレーキを踏む、その必要性は、サーキットに比べ物にならないくらい多く、更にいつその必要性が生まれるかということも熟知していないと、完璧なブレーキ操作が出来ない。

つまり、サーキットばかりで左足を使ってブレーキ操作しているドライバーは、一般道ではいざとなったときには左足でのブレーキ操作に支障をきたすのだろう。そのような経験から出た言葉なので、正しいとは判断できない。

逆に、ある自動車メーカーのレーシングドライバーは、走行実験の担当者に対して「左足でのブレーキ操作をマスターしたほうがいい、早く走れることはともかく、それより重要な安全そしてスムーズな運転を導き出せるから」という話をするそうだ。

問題は、自動車ジャーナリストとして活躍するのなら、人から聞いた、偏った話を鵜呑みにするのではなく、自分で当事者に聞くなり、実証実験してその結果を自分のものにするべきだと思う。

2017年3月27日月曜日

クルマやバイクと関係ないけど、医薬分業におけるトラブルを、時の政権は考えに入れたのだろうか?


医薬分業の方が患者にとっては得になる、という話でなんとなく始まってしまったように思う改革だが、果たして得になったのかというと、損得の前にトラブルは起きてしまわないのか、ということに行き着く。

何を言っているのかと言うと、そのトラブルに2度も巻き込まれ、大きな問題に発展する前に気付いた人間でなければ、生の発言は出来ないだろうという思いからブログに掲載することにした。

少し前のこと、自分の主治医としているクリニックから処方箋を受け取り、いつもの処方箋薬局へ。ここでのトラブル最初は、副作用が強いので、薬の内容を医者と相談して変更していることに端を発している。当然薬局で出される薬は、これまでのものと変わっていなければならないのに、これまでと同じ薬を処方してきた。

ここで、その薬に関心のないお年寄り(こちらも年寄りだが、まだぼけていない)だったら、そのまま受け取って、これまで同様に服用し、副作用はなくならない。しかし、薬の内容が変わっていなければならないのに、そうではないことに直感的に気が付いた。

その原因は、処方箋薬局で発行する「お薬手帳」にある、という結論。この「お薬手帳」が何のためにあるのか知らないが(患者がどんな薬を処方されているのか、自身でも把握できるように?)、新しい処方箋を見て薬を出したのではなく、お薬手帳に書かれている(処方箋薬局が発行する)ものを処方したのである。

それに気が付いたので、チョイと嫌味をぶつける「この間違いはあってはならないものだから、どこかに報告するべきかな・・・」

もちろん薬剤師は平身低頭の平謝り。

次にトラブルと遭遇したのは、薬の数に関すること。一種類の薬だけ、夕食後に2錠飲むことになっている。他の薬は1錠。

窓口で、薬の名前だけ間違っていなかったので、そのまま自宅に持って帰ったが、数日して、「そういえば・・・」その問題の薬の包みが縦半分に切断され、数を他の薬と同じにする行為がなされていた。本来なら、2錠が並んだ5段の10錠パックだから、これを縦に切り奇数とする行為はおかしい。

土曜日の夕方に気が付いたので、月曜日にその処方箋薬局へ出かけ、販売の数字と在庫の数字があわない薬はないか?という、当回しの質問を投げかけると「・・・・・・」。やはりそのようなことは有ったようで、直ぐに不足している数を持ってきた。

これで2回目の間違い。病院で処方していればこのようなトラブルは起きない。さてどうする???

2017年3月9日木曜日

これ、何の意味がある? 70歳を過ぎると運転免許更新前に受けなくてはならない高齢者講習


運転免許の更新期間で満了日における年齢が70歳以上になる人は、高齢者講習を受けなければならない、という法律が出来ている。

こんな手紙が送られてきた。高齢者講習だという。恐らくあまり意味がないだろうな~という、半信半疑の気持ちで教習所に出かけると、案の定だった。5600円がもったいない
 
それに引っかかるので、しぶしぶ5600円を持って、予約していた自動車教習所へ出かけた。自動車教習所へはこれまで行ったことがなかった。大型特殊や大型バイク、普通、牽引などの免許は、全て試験場への飛び込み一発で取得していたからである。

ところが教習所の雰囲気はというと、それはまるで裁判における被告が判決を待つような、実に湿っぽいもの。教習生はお客さんのはずだから、もっと堂々として、「来てやっているんだぞ、」という感じでいいはずだが、それがまるで逆。一説には教官ににらまれるとその時間の終了印がもらえないから、という話も・・・

これじゃ、クルマもバイクも楽しい未来を思い浮かべることは出来まい。自動車教習所は、このようなくらい雰囲気を一掃するような進行と経営の有り方を考えなければならない。例えば、有る程度運転が出来るようになったら、教習所のコースで、大きな事故にならないように管理しながら、好き勝手に走らせるなど。運転の楽しさを身をもって感じさせる。或いは、クルマの挙動から、操れなくなるときはどのようなことが起きているのか、などを実体験させるのは、非常に重要なことであると感じた。

で、高齢者講習だが、講習ではなく、座学では適正試験(落第はないから試験ではないが)というより、判断力の低下を身をもって体験し、安全運転につなげたい、という趣旨であるように思う。つまり、教習所に行って、お金を払えば、どのような状態になっても、講習終了証明は発行されるから、その成績はどうでもいい。

教習所内の走行では、教官が助手席に乗り、そのほかのシートに講習生3人が乗る。教官の指示通りに走らせるのだが、皆さんそれなりにスムーズ。でもハンドル操作はやはり遅い。なので、S字状の場所では、ほとんどクリープ状態での走行がある。あ、言うのを忘れたが、講習車に選んだのはAT(普段はMTに乗っているが)。あえてATとしたのはそれなりに意味があったのだが・・・

他のクルマの方の中には、かなり危ない運転もあったようで、先行する講習車を追い越すことも出てきた。

私の番になったとき。当然左足でのブレーキ操作となるが、教官は気付いていない。本当は気付いて欲しかったのだが、センターコンソールが大きく立ち上がっていて、助手席から運転席の足元を監視することが出来ないからである。

他の方がゆっくりとでなければ走れなかったS字コーナーも、アクセル踏み気味で、タイヤこそ鳴らさなかったが、スピーディに走行。最後の直線では、「アクセル全開にします」と宣言した瞬間からキックダウンで、全開加速。前方には遅いクルマが走っていたので、右コーナーをタイヤをきしませながら「追い抜いていいですか」と教官に問いかけたら「追い抜きはダメです」との一言。そして、そのときには教官の足がブレーキペダルを踏みにかかっていたことがわかった。ブレーキスイッチの「カチッ」という音が聞こえたからである。

このようなことをやって、参考になったことはひとつもなかった。通り一遍等の講習だからであると思う。

もっと実務に即した例えばドライビングポジションの取り方がいかに重要か。腕を伸ばして運転すると、雨天時に起きてしまうハイドロプレーニングから、大きな事故になる。ではそれを防止するには、ハンドルを握る位置が10時10分ではなく、9時15分ほどで、肘が80~90度ぐらいに曲がる位置にシート座面位置と背もたれの角度を調整すると、未然に防ぐことが可能となる、それはなぜか、というような経験者から来る体験談などを踏まえたアドバイスが有ってしかるべきだと感じた。

教習所にお金を払うことが絶対的用件であるということは、なんだか後ろにいやなことを思い起こさせるような、実に不愉快な気持ちになって帰宅した。

講習というからには、適正能力判定ではなく、しっかりとしたカリキュラムを組んで、実態の即した「講習」であって欲しい。

2017年2月26日日曜日

豪華な感触で走りも穏やかな新型ワゴンR やりすぎを感じるのだが・・・


スズキのワゴンRがモデルチェンジされて、スマートハイブリッドを積極的に活用するシステムが搭載されたモデルもある。それによる性能向上は燃費や加速性能ばかりではなく、ドライバーに気持ちのゆとりを生むことにも結びついていると感じる。

マイルドハイブリッド仕様のFZ。これが一番かもしれないが、軽自動車としては少々お高い

ターボ仕様のスティングレーT。全体的にトルクを太らせる設定で、過給が高まって走りを高める感じではない
 
これまでのSエネチャージでは、アイドリングストップからの再始動と僅かなアシストにとどまっていたが、新型では、ISGを大型化して、回生ブレーキで貯蓄するリチウムイオンバッテリーの容量を大きくした結果、再始動用のモーターだけではなく、アクセルペダルを戻し、減速して13km/h以下になりアイドリングストップが作動すると、ブレーキペダルを踏んでいない微速状態では、10秒間のEVクリープ走行が可能となって、走行性能を向上。更にこのシステムでは、最長30秒間のアシストが得られ、スタート加速では時速100キロまで作動する。

ISG(モーター機能付発電機)を大型化し、それに合わせてリチウムイオンバッテリーの容量も大きくして、マイルドハイブリッドを実現した
 
もちろん停止から徐行するようなときには、ブレーキペダルから足を離した瞬間からEVクリープ状態となり、エンジン騒音がないことにより、住宅地の一時停止状態から、周りの音を聞き分けて、危険な状態に踏み込まない状態を作り出せる。

マイルドハイブリッドによる性能向上は計り知れないものがあるが、残念なのはEVクリープ走行中もクランクつまりエンジンを無理やり回転させること。給排気のバルブ作動を停止するシステムは採用されていないから、ポンピングロスの分だけ運転性能が下がる点。このことを改良するには、ISGをクランクシャフトプーリーで回すのではなく、ミッションのインプットシャフトを直接回さなければならないため、非常にややこしくなるで難しいだろう。

試乗時間が長くなり、新型ワゴンRに慣れてくると、停止寸前にインバーターの発信音のような音に気が付く。そのときにはメーター内に緑の「EV」表示が点灯することに気が付いた。そして、このEV走行の時には、車外にEVが走っていることを警告する、小さな音と共通している。

これまでの軽自動車のイメージを根底からひっくり返したインパネ回り。ダッシュボードの位置も低くした結果、運転席からの死角を最低限に抑えたばかりではなく、広々感も演出した
 
アクセルレスポンスで気になったのは、交差点を左に曲がり穏やかに加速しようとアクセルを軽く踏んだ瞬間に、いきなり加速力が大きく立ち上がること。アクセルペダルを強く踏んだわけではないので、これは恐らくハンドルを切ることで必要とされる電気負荷に対してエンジン回転を維持、つまり発電能力を高める制御が働いて、エンジン回転が高くなるとも考えられる。もちろん条件次第で起きることから、それまで十分に回生ブレーキ発電によりバッテリーに電機が溜まっていればこのような症状は起きないのかもしれない。

事実、その後ではこのような症状は発生しなかった。エンジン回転数フィードバックは採用しているだろうから、その制御に気を配れば解決しそうでもある。

それと、機械的な部分としては、アクセルペダルの位置が少々高いのは気になる。左足で当然のようにブレーキ操作をする人間にとって、ペダルの上に足を乗せて、いつでも踏める状態を作り出すことは普通に行うわけで、そのときに足首を強く上に曲げておくのはつらい。先代モデルではこのようなことはなかったと記憶するが。

この後席乗員が座るフットスペース。非常に広く、長時間のドライブでも、足置き場に困ることはない
 
室内スペースに関してはプラットフォームを一新し、アルトなどと同じものを採用した結果、乗員の乗る部分には大きなゆとりが生まれた。身長180cm近いドライバーが素早いハンドル操作の出来るポジションを取っても、後席の乗員は足を組んで、まだまだ余裕の有る状態は、コンパクトクラスのクルマよりも広い。

旧モデルと室内寸法の違いを表したもの。その数字からも納得できるだろう
 
これは、プラットフォームの変更によりホイールベースが35mm大きくなったことなどを有効に利用し、室内長が285mm増えたことによる影響である。そのゆとりは格別な空間を生み出し、これまでの軽自動車とは一線を画すものとなっている。

ターボ付きのスティングレーにも試乗した。ターボの感触としては、高速道路の追い越し車線を走らないのであるなら、それほど必要性は感じなかった。自然吸気仕様でも十分な動力性能を発揮してくれるからだ。ターボ仕様でも加速力が際立つような作りではなく、実用性を重視している。

また、過給圧制限のウエイストゲートバルブはバレーノやスイフトのように、普段は解放されて排気ガスの流れを阻害せず・・・という方式ではなく、これまでの同じで、設定圧になったらバルブが作動して、それ以上に過給圧を高めない方式。

どうせなら、スイフトなどと同じ方式にして、過給が必要なとき意外はフン詰まりを避けるようにすると、もう少し軽やかになり、自然吸気エンジンとの差が出るように思う。
 
ミッションは副変速機(変速比を変更)付きCVT仕様だけだが、ここはぜひ最近スズキで積極的に活用し始めたAGSの登場を願いたい。もちろんCVTのような滑らかな変速を要求するのなら無理な話だが、マニュアルミッションから発展した、効率の高い変速機として考えた場合、コストや街中での実走行燃費などを考慮すると、絶対に有利であると判断するからである。更に半クラッチの操作が完璧でない方でも、クラッチの磨耗に気を使う必要がなくなるなど、メリットは多い。