研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2013年9月23日月曜日

NISSAN360について感じたこと

南カリフォルニアのアメリカ海兵隊航空基地跡、特設コースで開催された“NISSAN360”だが、ニッサンにおける数多くの事柄を説明・理解するには、2日間と言う時間が短すぎるばかりではなく、内容の項目が多いため、知識として頭に残すのが難しい状態であったのが残念だった。

滞在日数を長く取ればそれなりに十分消化できるとは思うが、それには予算がかかりすぎるだろう。

プレゼンテーションではニッサン・ブランド「ニッサン、インフィニティ、ダットサン」の紹介と、これからの方向性を説明するのだが、どれも時間の関係で短く内容は薄い。個別に質問すればいいのだろうが、時間がない。せいぜい僅かな昼食時だけだった。

また、試乗したいクルマも多くあり、ほんの数分と言う短さの中では(一般公道の試乗も可能なクルマもあったが・・・)、何かを感じるには難しいのが現実で、今振り返ると、試乗車の数を少なく選び、それを何回も乗る方法がよかったと反省している。

ただ、収穫も多くあった。それは、ニッサンにおけるクルマへの取り組む姿勢が理解できたこと。

過去から未来へと繋がる乗り物、貨物運搬までを考えた場合、世界規模で生き残っていくには、発展途上国での認知度が重要。それには、軽自動車からの波及モデルではなく、専用設計の現地製造が重要であるとのこと。これは確かにその通りで、ニーズに合い、それでいて少し上級の、手が届きそうなクルマの製造販売に力を注ぐと言うこと。

考えてみれば、我が日本でも、我々がバイクやクルマに興味を持ち、いつしか自分もオーナーになりたいと願ったとき、手がすぐに届く、直ぐに飽きてしまうようなバイクやクルマではなく、背伸びしても、少し高価なものを選んできた。それと同じと考えれば、ニッサンの戦略は正しいと言えよう。

もちろん近未来での開発も具現化しており、その代表例が自動走行だろう。EVのリーフをベースとしたモデルで、運転席には座らせてもらえなかったが、同乗走行で実力は確認できた。

これで完成ではなく、センサーなどがトラブルを起こしたときのフェールセイフについては、「どのようにしてドライバーに伝え、またどのような走らせ方をすればいいのか、これからの課題」、と話すのは開発責任者の松村さん。

更にEVの可能性をトコトン追求するニッサンは、EVレーシングカーNissan ZEOD RCで来年(2014年)のル・マンに挑戦し、「結果を出す」、と宣言しており、楽しみである。そのZEODレーシングカーのプロトタイプとして造られたのが、リーフをベースにした「リーフRC」。これにハンドルを握る機会が与えられたのは、非常に素晴らしい。
久しぶりにお会いした開発技術者の松村さん(右)。自動走行車両開発の責任者を務める。我々への説明が終わった後は、フランス・パリへの出張が決まっていた

2013年9月20日金曜日

南カリフォルニアで自動運転を体感する

8月19日からの1ヶ月に渡り、南カリフォルニアのエルトロ(アメリカ海兵隊航空基地跡地)に特設されれたのが“NISSAN360”
海兵隊航空基地跡を利用したテストコース。滑走路が走行場所となる。白い大きなテントがメイン会場

1年の準備期間を経て行われた、この日産グローバルイベント“NISSAN360”は、日産自動車の革新的技術、グローバル商品、ブランド戦略を披露する場であり、その会場にRJC会員の一部がお誘いを受けた、と言うわけである。

1ヶ月の間に参加したのは1000を超えるメディア、サプライヤー、自動車ディーラー、各業界のエキスパートと言う。その中に我々RJCのメンバーも加えていただけたことは、まことにうれしい限りである。

もちろん短時間だが試乗する機会もあり、目移りするほどの数から選ぶのは気ぜわしいが、体験した中から少しだけ紹介したいと思う。
自動運転の開始。運転席に座る技術者は、ハンドルから手を離したままだ 

最初は自動運転車両への同乗で、ベース車はEVのリーフ。仕様は制御装置の関係で一般道自動走行用と駐車自動システム搭載モデルの2台。


レーザースキャナー、アラウンド・ビュー・モニターカメラを搭載。プロトタイプであるから、一部のセンサーなどは露出しているが、機能としては変りないことであるし、自動運転を体験することに支障はない。

運転席には、万が一のことを想定して開発エンジニアが乗り込むが、ステアリングには手を添えない。

道路としている部分まで(白線が引いてある。白線を認知して走行ラインを決める)は、さすがに自動運転が出来ないので、そこまでの走行は手動で、これまでと同じ(カーナビとリンクさせればガレージからの自動運転も可能となる)。

自動運転に入ると、前方に普通のクルマが現れる。そのクルマと距離を保ちながら(車両間の距離は速度に合わせて自動で決まるが、変更も可能)カルガモ走行。

カーブも普通に曲がるし、対向車が来ても、それを認識しつつスムーズに走る。

もちろん、道路上にある標識はしっかりと内容を認識し、その指示通りに行動する。また、混走する他車の速度にあわせて、自車の速度も高めたり下げたりするが、制限速度を遥かに超えるような場合には、何処まで他車の速度に追従させるか、テーマでもある。
クルマの間から飛び出しがあったときなど、素早く回避する行動をとるが、それが避けられないと言う判断をした場合(左側などに余裕がないなど)は、フルブレーキングで、事故を最小限にとどめる 

クルマの間から人物などが飛び出した場合には、急ハンドルでそれを避ける。ただし、避けきれないことが判明した場合には、フルブレーキングで、衝突した場合の事故を最小限にとどめるのだそうだ。

自動駐車のシステムも、素晴らしい。駐車スペースがなく満車では一時停止するが、カメラに写る駐車スペースから動き出すクルマを見つけると、そのクルマが動き出すと同時に、自動運転のリーフもその開いたスペースに向かって、リヤから駐車を開始する。

もちろん、ドライバーが乗っていなくても、その自動駐車は可能で、クルマから降り、駐車命令を下せばそれでOK。乗車の時には、降車した位置を認識しているので、その場所まで自動で戻る。
自動駐車システムは便利だが、ドライバーが乗車していない場合の事故を想定しないと、クルマが何処に停まっているのかわからなくなる 

もちろんこれで完璧ではない、センサーやシステムがトラブルを起こしたときのフェールセイフが必要で、またそれをどのような形でドライバーに知らせるか重要なテーマである。更に、自動駐車システムでは、駐車中に他車からの衝突などでセンサーが破壊された場合、自動運転がストップすることはもちろんでも、「さて、我が愛車は何処に?」となりかねない。
自動運転車両のリーフと記念写真 

このような自動運転システムは、日本の各自動車メーカーでも挑戦しており、10年ほど前だが、スバルの自動運転車両に同乗したことがある。

同社のテストコースにある狭いワインディングを、搭載車のレガシィは、タイヤをきしませるほどの速度で駆け抜けた。

もちろん、飛び出す事故にも対応しており、そのような場所ではフルブレーキングする。でもその障害物を避けるハンドル操作は出来なかった。

このシステムは、測量用の(誤差10mm以下)GPSシステムを採用したもので、指定した地図上に従って行動する。問題は、いくら測量用とは言っても、常に安定した電波が出ている保証がないことだ。


2013年9月12日木曜日

日産が開発するレーシングEV Nissan ZEOD RCが公式にサーキット走行

来年(2014年)のル・マン24時間耐久レースに、特別枠で参加することを目標に開発が進むEVレーサー、それがNissan ZEOD RCだ。

その公式テスト走行が、10月18~20日に開催される世界選手権・富士レース期間中の3日間行われる。このときのドライバーはミハエル・クルム選手、「当日が楽しみ」と語っている。

これは、アメリカ・カリフォルニアで行われた、グローバル・メディアイベント“NISSAN360”で公表された。
写真は、カリフォルニアで行われたグローバル・メディア・イベント“NISSAN360”会場で撮影した
なおZEOD RCとはZero Emission On Demand Racing Carを略したもの

2013年9月1日日曜日

気になる、ブレーキとアクセルの踏み間違い

最近、ふと感じたこと、それは交通事故を起こしたドライバーが言う「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」、の証言は、事実からの言い逃れに使われる可能性があるのではないのかと言うこと。

この言葉を使うと、違反行為による事故ではなく、とっさの行動の中での間違いによるもので、よそ見運転、携帯電話(通信履歴が残らない、ボタン操作中)使用中、などが事実でも、そのことは消し飛んで、自動車運転過失致死傷罪の適用が正しく行われていない可能性もあるのではないかという話。

もちろん実際にブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は起きているが、そうならないようにするには、健常者なら、遊んでいる反対側の足もしっかりと使えば、踏み間違いは起きない。でも、その行為に反対する方々もいる。何故だろう・・・・・・?

2013年8月14日水曜日

プリウスもバッテリー上がりで走行不能になる?

トヨタのハイブリッドカー・プリウスでも、バッテリー上がりで、始動できないことが有る。

正しくは、HVモーター駆動用のバッテリーではなく、補機類管理、そして作動用の12Vバッテリーが上がると言う話で、それによりシステムがダウンするから、始動・走行不能に陥るのである。

そのバッテリーは、完全密閉式でリヤのトランク内に装着してあり、エンジンルームではない。

また、走行用とエンジン始動用のバッテリーは、同じ。つまり、エンジンはハイブリッド用のモーターで始動する。

しかし、12Vのバッテリーも搭載しているわけで、そのバッテリーが上がると、つまり、システムがダウンすることになり、いくら走行用のニッケル水素バッテリー(或いはリチウムイオンバッテリー)に十分な容量が残っていても、クルマの頭脳がシャットダウンしている限り、走行不能となる。

ただし、これは非常に簡単な手当てで回復する。システム用のバッテリーを救援用の12Vバッテリーで、システムが回復するまで一時的に電圧を上げてやればいいだけ。その後、オーナーズマニュアルにあるような操作が必要となる。

システムが回復し走行が可能となると、始動ボタンの操作をすることで、駆動用のバッテリーからシステム用バッテリーへ充電が行われるので、自然に元に戻る。
エンジンルームにあるヒューズボックスの蓋を開けると、一番奥に赤いカバーがあり、それを開くことで救援用の端子が現れる。もちろんトランクに有るバッテリーへ直接繋いでもかまわない

救援に使うバッテリーは、始動に使うわけではないので、大きな電流は必要ない。極端な話、通信機用の完全密閉式バッテリー12V10Ah(秋葉原あたりで購入できる安物で良い)に、接続用のコードを用意しておけば、それで十分。

ACC状態で、ラジオやオーディオを長時間聞いていると、いきなりシャットダウンする。そこから自力で脱出するには、小さなバッテリーをどこかに積んでおけば役に立つが・・・

或いは、バイクや近くのクルマから電気を借りることも考えて、ブースターケーブルだけではなく、救援端子に噛み込み出来るワニ口クリップなどを用意しておくことも必要だろう。

また、自分のクルマではないので実験はしていないが、システム用のバッテリーは鉛バッテリーなので、このようにバッテリーが一時的に上がっても、暫らく放置すればかなり回復してくる。回復すれば元に戻れるが、たぶんバッテリーの端子を外すなどして、記憶の除去をしてやらないと、ダメなのかもしれない。

どなたかやってみてください。

なお、完全に上がってしまった場合(正常なバッテリーであると電圧降下を見て警告を出したり、自然にシャットダウンする)は、いくら満充電状態のバッテリーを接続しても、搭載バッテリーの容量を回復させたり、電圧を上げたりすることはできないので、充電作用が必要となる。つまり、救援車のエンジン始動で、充電の作業を行わなければならない。
オーナーズマニュアルには救援バッテリーの接続と回復の仕方が掲載されている。これを参考にして、自身で予備バッテリーを搭載しておくと言うことも考えたい

2013年8月3日土曜日

第43回東京モーターショーの前売り券発売開始

今年のモーターショーも東京ビッグサイトで行われる。その前売り入場券がネットでのオンラインチケット販売を、8月1日より開始した。
http://www.tokyo-motorshow.com

今回初めて導入するのは、プレビューナイトと呼ばれるもので、特別招待日(11月22日)の午後5時3分から午後8時まで入場できる、と言うチケットで、入場者数は1万人に限定。

そのプレビューナイトの入場券料金は3000円だ。

主催者側はユッタリと東京モーターショーを楽しんで・・・と言っているが、2時間30分で全部を見て歩くことは無理と思うのだ。
また、帰りのシャトルバスなども考えてくれているのだろうか。

なお、鉄道会社、旅行会社、コンビニなどでの前売り入場券発売は10月25日からだ。

2013年8月1日木曜日

バイクを使った町興しが頓挫したのかと思っていたら、第二ステージへ進んでいた

バイクの魅力ある力と、趣味を同じにする仲間はなんとなく群れを作りたがるのだが、暴走するわけでもなく、そこに集まり、バイク談義や開発者の話などに加わる面白さは、文字では書けない魅力がある。

そのバイクを間接的に使って町興しをやっていた、埼玉の小鹿野町であるが、町長が代わってからと言うのも、行政のバックアップがないことから、なんとなく沈下の方向へ進んでいた。でも実は、バイクツーリングライダー協賛店なるものを作り、そこを訪れたライダーに対して少しのサービスをする、と言う決まりがあった。これが評判となり、協賛店は売り上げを伸ばし始めている。当然数多くのお店が協賛店を名乗り始めた。

つまり、行政からのバックアップがなくなっても、小鹿野町を訪れるバイクライダーを歓迎するムードは、これまで以上に強くなって、何かをやれる土俵が出来つつあった。
ここが小鹿野町のバイカーズ・カフェMGGだ。バイク専用の駐車場や無料のロッカーも準備されている。我々も草津・軽井沢の帰りに一服、コーヒーブレイクで立ち寄ることがある 
そこへ、頼みの綱として引っ張り出されたのが、これまでも小鹿野町をバイクランドにしたい、と活動していた「鵜飼さん」である。

行政が力を貸してくれないのなら、自分たちの力でやれる最大限のことをやろうじゃないか、と始まったのが「モトグリーンG、訳してMGG」である。

MOTO GREEN-G1970年代がコンセプトのバイカーズ・カフェ。
首都圏から100km圏内にありながら鉄道の駅もない山間の町、
そこが、バイクで町おこしの小鹿野です。
ここに来ればバイクを楽しむ仲間がいる。
昔を知っているGG(爺)もいる。
モトグリーンGのHPトップページには、上記のような言葉が並んでいる。“プフッ”と噴出してしまうような・・・
巨大ホットドッグ。コーヒーかコーラが付いて、フォーラム参加費は1600円だから、十分元は取れる 
このバイカーズ・カフェでは、不定期でバイクに係わることをテーマにしたフォーラムをやっている。今回これに参加してみた。ハングオンハンバーガーか巨大ホットドッグのどちらかが選べ、飲み物まで付いて、参加費は1600円。

テーマは鈴鹿8時間耐久レースに関することで、当日はその鈴鹿でまさに8時間耐久レースが行われていた。レースの途中経過は、現地からのメールで分かる仕組み。
左から神谷さん、菱木さん、男鹿の町をバイクで町興しに陣頭指揮を取る、司会の鵜飼さん 
登壇者は本田技研に在籍していた神谷 忠さんと、その弟子で本田に3回も入社?した菱木哲哉さん。菱木さんはアメリカでの生活が長く、自称マイクと言っているが、これは、世界チャンピオンライダーのマイク・ヘイルウッドに憧れて付けたもの。私は、昔からの知り合いと言うこともあり“てっちゃん”と呼んでしまう。

神谷さんと菱木さんの話の内容は、細かいので割愛するが、11時から14時までと言う予定は大幅に伸びて、15時まで引っ張られた。それだけ聞きたいこと、知りたいことが満載していたと言う話だ。

次は、いったいどのような内容で、誰が登壇者になるのだろうか。とても楽しみである。