研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2013年8月3日土曜日

第43回東京モーターショーの前売り券発売開始

今年のモーターショーも東京ビッグサイトで行われる。その前売り入場券がネットでのオンラインチケット販売を、8月1日より開始した。
http://www.tokyo-motorshow.com

今回初めて導入するのは、プレビューナイトと呼ばれるもので、特別招待日(11月22日)の午後5時3分から午後8時まで入場できる、と言うチケットで、入場者数は1万人に限定。

そのプレビューナイトの入場券料金は3000円だ。

主催者側はユッタリと東京モーターショーを楽しんで・・・と言っているが、2時間30分で全部を見て歩くことは無理と思うのだ。
また、帰りのシャトルバスなども考えてくれているのだろうか。

なお、鉄道会社、旅行会社、コンビニなどでの前売り入場券発売は10月25日からだ。

2013年8月1日木曜日

バイクを使った町興しが頓挫したのかと思っていたら、第二ステージへ進んでいた

バイクの魅力ある力と、趣味を同じにする仲間はなんとなく群れを作りたがるのだが、暴走するわけでもなく、そこに集まり、バイク談義や開発者の話などに加わる面白さは、文字では書けない魅力がある。

そのバイクを間接的に使って町興しをやっていた、埼玉の小鹿野町であるが、町長が代わってからと言うのも、行政のバックアップがないことから、なんとなく沈下の方向へ進んでいた。でも実は、バイクツーリングライダー協賛店なるものを作り、そこを訪れたライダーに対して少しのサービスをする、と言う決まりがあった。これが評判となり、協賛店は売り上げを伸ばし始めている。当然数多くのお店が協賛店を名乗り始めた。

つまり、行政からのバックアップがなくなっても、小鹿野町を訪れるバイクライダーを歓迎するムードは、これまで以上に強くなって、何かをやれる土俵が出来つつあった。
ここが小鹿野町のバイカーズ・カフェMGGだ。バイク専用の駐車場や無料のロッカーも準備されている。我々も草津・軽井沢の帰りに一服、コーヒーブレイクで立ち寄ることがある 
そこへ、頼みの綱として引っ張り出されたのが、これまでも小鹿野町をバイクランドにしたい、と活動していた「鵜飼さん」である。

行政が力を貸してくれないのなら、自分たちの力でやれる最大限のことをやろうじゃないか、と始まったのが「モトグリーンG、訳してMGG」である。

MOTO GREEN-G1970年代がコンセプトのバイカーズ・カフェ。
首都圏から100km圏内にありながら鉄道の駅もない山間の町、
そこが、バイクで町おこしの小鹿野です。
ここに来ればバイクを楽しむ仲間がいる。
昔を知っているGG(爺)もいる。
モトグリーンGのHPトップページには、上記のような言葉が並んでいる。“プフッ”と噴出してしまうような・・・
巨大ホットドッグ。コーヒーかコーラが付いて、フォーラム参加費は1600円だから、十分元は取れる 
このバイカーズ・カフェでは、不定期でバイクに係わることをテーマにしたフォーラムをやっている。今回これに参加してみた。ハングオンハンバーガーか巨大ホットドッグのどちらかが選べ、飲み物まで付いて、参加費は1600円。

テーマは鈴鹿8時間耐久レースに関することで、当日はその鈴鹿でまさに8時間耐久レースが行われていた。レースの途中経過は、現地からのメールで分かる仕組み。
左から神谷さん、菱木さん、男鹿の町をバイクで町興しに陣頭指揮を取る、司会の鵜飼さん 
登壇者は本田技研に在籍していた神谷 忠さんと、その弟子で本田に3回も入社?した菱木哲哉さん。菱木さんはアメリカでの生活が長く、自称マイクと言っているが、これは、世界チャンピオンライダーのマイク・ヘイルウッドに憧れて付けたもの。私は、昔からの知り合いと言うこともあり“てっちゃん”と呼んでしまう。

神谷さんと菱木さんの話の内容は、細かいので割愛するが、11時から14時までと言う予定は大幅に伸びて、15時まで引っ張られた。それだけ聞きたいこと、知りたいことが満載していたと言う話だ。

次は、いったいどのような内容で、誰が登壇者になるのだろうか。とても楽しみである。


2013年7月15日月曜日

仮締めをやるとトラブルの元!!!“ヒューマンエラーを起こさないために”

クルマに限らず何かを分解、取り外しを行った瞬間から、ヒューマンエラーの可能性が、少しずつ増える。しかも、慣れれば慣れるほど見過ごしによるやり忘れが多くなるのだが、それを常に意識の中に入れて、作業を進めることでそのヒューマンエラーを防ぐことができる。

クルマで例えると、一番多いのがネジの閉め忘れである。「とりあえず落ちないように締めておいて、終了間際に本締めすればいいや」と言うやつが一番危ない。

エンジンのオーバーホールなどでは、作業の反復を常に心がけることで、確実に閉め忘れは防げる。しかし、これが意外と面倒で、ついつい部品の取り付けに集中してしまうが、そこを何とか乗り越えて、反復をするようにしたい。

また、やってしまう仮締めのトラブルとして一番多いのが、ホイールナットの締め忘れだ。

特にリジッドラックで固定した状態から、ブレーキパッドの交換などをやり、その後ホイールを取り付けるときには、当然ホイールの回転をロックできない状態なので、どうやっても仮締め状態になる。

リジッドラックから降ろしたときに、改めて締めるのは極普通だが、それを忘れることが起きる。

オートメカニック編集部にいるときに、読者のクルマいじりをサポートすると言う企画があり、それはブレーキパッドの交換だったのだが、「ホイールナットの締め付けを忘れないように、何か考えておいたほうがいいよ」、と言うアドバイスを聞かず「大丈夫です、いつもしっかりとやっていますから」・・・

さて、ブレーキパッドの交換も終わり、ホイールの取り付けも済み、リジッドラックからクルマを降ろし、「では、どうもありがとうございました」と読者は帰ろうとするが、「ほんとに全部終わったのかな~、俺だと終わっていないのだが」と言うと、さすがの読者も気が付いた「あ~ホイールナット・・・」

仮締めで走らせることにならなかったので、トラブルには発展しなかったが、同様なことはプロの世界でもかなりやっている。ひどい場合には、試乗の最中にホイールが外れ、高価なスポーツカーを台無しにするようなことも。

で、このようなことが起きないようにするにはどうするか。

ホイールキャップの付いているものでは、最後まで外したままにすれば、それとなく思い出す(でも複数で作業すると、気を利かせてホイールキャップを散りつけてしまう場合も)。では、ホイールキャップのない場合はどうするかだが、これも簡単な話。

ナットの仮締めになることは仕方がないので、仮締めかどうかを見ただけで思い出す作法を使う。
このように締め付けナットを床に放り出しておけば「何だこれ?」で、本締めしていないことに気が付く。つまり、思い出す簡単なきっかけを作っておけばいいのである。このような方法で、これまで仮締めによるトラブルを、かなり防いできた実績はある

それは、2箇所ほど取り付けずに、ナットを床に放り出しておくことである。これで、リジッドラックやリフトから降りした場合の最後になって、クルマの周りをうろうろすると、「何だこのナットは」で思い出す。

ばかばかしいアイディアであるが、見ると違和感がある状態にすることで、閉め忘れや組みつけ忘れはなくなる。

2013年7月7日日曜日

毎日が休日のシニア、日曜日の過ごし方

会社を定年退職し、何もやることがなくて、奥方から邪魔扱いされている御仁は多いだろう。しかし、その有り余る時間を有効に使っている方はいる。

例えば、これまでやりたかったのだが、家庭の事情によりやれなかったこと。でも定年退職を機にそのやれなかったことを実行した方がいる。

ここに取り上げたのは、両親を見送って、しばらく経ったある日、「以前から夢だったクラシックバイクでのレースをやりたいのだが」と女房殿に相談したら「やってもいいわよ、骨は拾ってあげるから」と、簡単にOKの許可が出た。{奥方が素晴らしいのだろうが}

それが、クラシックバイクでロードレースを楽しむ横瀬文明さん(66歳)だ。

バイクは、1964年製のホンダCB72(250cc)である。このバイクについて、詳しく知っている方は、かなりのバイクツーである。かく言う私も、このCB72/77(305cc)、92(125cc)に対しては造詣が深い。

横瀬さんは、もともとホンダサービス拠点のメカニックであり、バイクをいじることは朝飯前。特別な加工以外、全て自身の手で日夜いじり倒す。

横瀬さんが自ら改造を施した1964年式のCB72レーシング。非常に綺麗にまとめられている。自分で改造するわけだから、出来栄えには性格が現れるのだ。当時は若者の憧れのバイクであった。

クラシックバイクと言えども、ノーマル状態ではなく、確実にレーシングバイクとして改造が施されている。そして、時にはセッティングとトレーニングを兼ねて、レース場を訪れる。

この方が横瀬さん。当然メカニックなんていない。全て自分で管理する。それがまた楽しみであるし、充実した一日を送ることができる。友人達もレース観戦がてら応援に駆けつける。奥様は、そこに集まる友人たちの昼食まで心配する。なんともうらやましい限りである

もちろんレースばかりではなく、大型バイク(ホンダGL1800)でのツーリングもやるのだから、暇をもてあますなんていうことはない。

リタイヤしてから、周りに影響されて、趣味らしきものに足を突っ込んでも、長続きしない、と言うのが持論である。何故か、それは、若いうちなら湧き出す欲望、興味に対するエネルギーが、歳を取ると衰退し、惰性で行動するようになってくるからだ。こうなれば、当然「やってみるか」で始めた趣味は長続きしないのだ。

親しい友人たちが集まり、同じ趣味での行動を、リーダー格の方が積極的に仲間を振り回せば長続きするんだが。なかなかそのような組織には発展しない。

なので、生涯どっぷりと漬かっていられる趣味を、若いことから持つことは必要。会社人間で、会社の仲間ばかりと付き合っていると、そこから放り出されたときに行き場がない。その行き場となってくれるのが趣味で集まる人達だ。


2013年6月26日水曜日

ホンダN-BOXのブレーキオーバーライドとアイドルストップの関係に結論が出た

 結論から先に言うと、開発者の緊急脱出・事故回避に対する想定が甘く、数字的な性能優先が先走った。これを見直さない限り、ブレーキオーバーライド(ブレーキ優先制御)状態で停止するようなこととなった場合、リスクを背負い込むと考えられるので、くれぐれも注意して、ブレーキオーバーライドとならないように、ブレーキペダルを踏んだまま、アクセルを数回踏み替え、ブレーキオーバーライド制御をキャンセルさせることが必要になる。

でも、言うのは簡単だが、実際には半分パニックのなかで、冷静な判断により、どのような行動がベストなのか見極めるのは無理だ、と断言しておこう。

ただし、これはアイドルストップしないターボ仕様では関係ないこと。もちろんN-ONEも同様である。

このブログをアップすることになった経緯は、昨年(2012年)11月19日のブログで、N-BOX(アイドルストップ付)のブレーキオーバーライドとアイドルストップの関係がおかしいことを表記したら、1ヶ月ほどしてホンダ広報から一通の文書が届いた。実際には、RJCカーオブザイヤーの最終確認テストデー(ツインリンクもてぎ)で、そこにいた開発者二人(どの部分の開発だったか不明)に同乗してもらい、ブレーキオーバーライドとアイドルストップの関係がおかしいことを、再現し確認してもらってもいたのだ。そのときのブログはこれ
http://aonikike.blogspot.jp/2012/11/blog-post_19.html

届いた文書の内容は、公表すると書いた本人の名誉に関わりそうなので、あえて発表しないが、基本的には、私、青池の感覚がおかしい、と言うことのようだった。

これを黙って見逃すわけには行かないので、ある人(元ホンダOBのお偉いさん)を通じて、その文書を担当に突きつけてもらい、「青池が文句を言っている、そのことに対する返事を・・・」とやってもらった。

その結果が半年以上経った6月末に届いたのである。

それによると、「お説のように、ブレ-キオーバーライド状態で停止すると、エンジンはアイドルストップしてしまいますが(12月の文書ではアイドルストップはしないといっていたが、少しは自社の制御を理解してきたのか)、ブレーキペダルから足を離し、再始動で0.3秒かかっても、1秒後には他社製品より速度が出ていますから、問題ありません」と言うのだ。

正直、この話を聞いたとき、思わず「何だそれ」と言ってしまった。1秒後の世界ではなく、それより前の状況がどうなのか、と言うことだからである。

アイドルストップさせ、そこから再始動を0.3秒でやっても、その瞬間から動き出すわけではない(この動き出すと言うことが重要で、事故回避につながる)。トルクコンバーターが回転し、そこから動力が伝達され、そして始めて動き出す。

アイドルストップさせていなければ、トルクコンバーターは作動中であり、ブレーキペダルから足を離せば、直ぐに動き出す。

この僅かな、0.3~0.5秒の時間があれば、数十センチ、いや数メーター前進することで、車両の側面衝突から回避できる可能性はあると判断する。

更に、「常にアイドルストップさせることで、JC08走行モード燃費は向上することから、停止したら、アイドルストップさせる」、と言う考え方が重視された結果であると言う。

燃費と事故回避、どちらを優先させなければいけないのか、考える必要はないと思うが。

2013年6月21日金曜日

充電式ドライバーなどに使うバッテリーを、手軽に入手できるものと交換する

 充電式ドリル・ドライバーやインパクトレンチでの問題は、バッテリーが劣化したときのバッテリー購入コストである。なんとバッテリーパックを定価で購入すると、同じ性能(公称だから確かではないが)の安物が、スペアバッテリーと充電器付のフルセットで購入できてしまう、と言うとんでもない状況が起きる。

メーカーが安売りすればいいと思うのだが、リビルドをやってくれるメーカーであっても、その価格はバッテリー定価の半分ぐらい。当然5000円以上かかる。これじゃ~やってられない。

そこで、同じようなバッテリーを購入して入れ替えてしまう、と言う工作をするが、品切れだったりすることもあり、思うように進まない。
充電式ドリル・ドライバーなどに使用されるバッテリーは、少し前(時間的に今劣化が起きる)のバッテリーはニッカドが主流で、N-1300SCRやKR2000SCなどが多い。これが入手できれば、後はバッテリーパックの分解にチャレンジし、バッテリー間を接続するためのステンレス半田ができれば済むのだが、そう簡単な話ではない。

まず、どのようにバッテリーがレイアウトされているか、そして、その配線はどこを通ってどのバッテリーに接続されているか、しっかりと写真でも撮って記録するか、論理を理解して組みつけに備えることが重要。

また、異状な温度上昇を検出するセンサーも付いているので、それの位置はともかく、バッテリーにしっかりと貼り付けることを計算する。

で、ここからが本題。これらのニッカドバッテリーが手に入らなかったらどうするか。

ハタと気が付いた。同じような長さの単四バッテリーで、ニッカドではなくニッケル水素が使えないかということ。
ニッカドと寸法比較すると、工夫次第で組み込むことが可能と分かる。容量はこれまでのものより多くなる計算だが、3本を並列に繋ぐため、個々の性能差があって計算どおり行かないが、これまでより少なくなることはないはず

単四に限らずニッケル水素バッテリーは、100円ショップで販売されている。これを利用する。

寸法を測ってみると、ニッカドのN-1300SCR(KR2000SCも)ほぼ長さは単四と同じで、ニッカドが42mmほど、単四は44mmだが、プラス側の出っ張りを除けば42mmの寸法だから、ハンダ付けの位置を出っ張りの側面にすれば長さの問題は解決。

肝心の容量だが、KR2000SCで2000mAh、N-1300SCRはかなりの急速充電に耐えるとは言っても1300mAhだから、これらを上回る容量は欲しい。

100円ショップのダイソーブランド単四ニッケル水素の容量は750mAhであるから、これを3本束ねて使用すればこれまで以上の容量となる。計算上は2250mAhだが、それぞれのバッテリーの性能差(公差)があるので、この数字にはならないが、十分な性能は確保できる。

3本束ねて(写真は単四のアルカリだが、ニッケル水素とサイズは同じ)の直径はニッカドより1mm小さいので、ケースの収納は可能だ

さて、3本を束ねたときの直径はどうであるか計測すると、KR200SCなどでは22.5mmで、単四を3本束ねるとその直径は21mm。十分収納可能だ。

ニッケル水素バッテリーやニッカドバッテリーの外装はステンレスなので、それに対応したハンダでないと、瞬時に接続できないのため、専用ハンダは購入する。ニッケル水素に限らず、ハンダ付けで高温となるとバッテリーが劣化するのだ

適当なコード(バッテリーの配置があるので必要最低限の長さが重要)で各バッテリーを接続したら、ショートしないように絶縁体などを使って処理し、バッテリーケースの中に押し込み、無理やりでもいいから蓋を閉めて、場合によってはビニールテープで固定すれば終了。
バッテリーをケースに押し込むときには、必 ず絶縁板などを挟むことは重要
これは、電動ラチェットレンチに使われていたニッカドを、ダイソーブランドの単四ニッケル水素9本で蘇らせたもの。性能はこれまで以上で、とりあえずの問題は何もない

後は充電して、正常に動作するか確認するだけ。なお、充電中の温度と、バッテリー間でのショートには十分以上に注意して、自己責任で改造して欲しい。


2013年6月2日日曜日

試乗会で見つけたとんでもないクルマたち その③

とりあえず今回で終了予定のとんでもないクルマたち。最後となるのは、世界的なメーカーであるT社の有名なコンパクトカーV。

そのVが新しいコンセプトの元に発売されたときの試乗会。1000cc4気筒のエンジンは、ボアピッチなどが同じベースエンジンがあるため、型式からそれとなく分かってしまうと言う状態で、手抜きとは言わないが、「新型エンジンと言うなら、その新型らしさを取材しよう」と言う目的で、案内のあった試乗会場へ出向き、AT仕様を試乗して、戻ってきたときに、そのおかしな行動が目に入った。

当時はまだパワーステアリングの動力にエンジンからベルトで油圧ポンプを作動させ、その油圧によりステアリング操作をアシストすると言うもので、ごく当たり前のシステムだったが、その当たり前のシステムに問題のあることを見つけてしまった。

何が問題かと言うと、Dレンジに入れ、ブレーキペダルから足を離し、ステアリングを切るとエンジン回転が異常に上昇する。

このように、エンジン回転を上げるのは、エアコンなどの負荷が加わったときにも同様なことになるのだが、油圧パワステにおいても、負荷が加わるわけで、エンジン回転が低下しすぎないよう、アイドルコントロールバルブが作動し、回転数を保つようなことは当然行っている。

それが、この新型コンセプトモデルVでは強すぎるようで、クリープ走行しながら、ステアリングを左右に素早く切ることを繰り返すと、そのつどエンジンは回転数を上げ、速度が増していく。

令間時始動の直後ではアイドルアップをさせる必要があるので、回転数は高く保たれて当然だが、試乗会では、常に完全暖機状態であるのは当然のこと。

このことを、エンジン開発者に告げると「いや何かの操作ミスです、そのようなことは絶対にありません」と言うので、「では同じクルマで確認してください」と試乗を促し、20分以上その場で行ったり  来たりを繰り返し、試乗車から降りてきたときには、汗びっしょり。

「おっしゃるとおり、アイドル回転数が高くなりすぎて、暴走に近い状態が生じています」「コントロールプログラムのミスですから、書き換えれば直ります」

で、肝心な「エンジンについての取材をしたいのですが」、と言う申し出に対し「いや、今日は勘弁してください」と別室に逃げ込んでしまった。

気分は完全にブルー

私に指摘されたことが真実であったため、かなりのショックを受けたのだろう。

システム的に理解のできる人間で、いろいろな運転方法も自由にやれる試乗者なら、見つけられる事柄なのだが、これも、左足でのブレーキ操作が自由に使えないと、数十分乗っただけでは発見できないだろう。

そういえば、メーカーは違うが、あるクルマの試乗会で、左足でのブレーキ操作をもっとやりやすくして欲しい、と言う要望に対して、「左足でブレーキペダルを踏んでいると、マニュアルミッション車には乗れないでしょう」、と言ってきたので「でも、サーキット走行ではトゥ&ヒル使うんですがね~」と言ったら、その後何も言わず、話を聞くだけだった