研究開発に見た遠回りの結論にあきれる -水素エンジンと点火装置-


2022年7月21日木曜日

バイクのイラストで名声を博した摺本さんとの思い出

 

数十年ぶりに摺本さんとお会いしたとき。摺本さんの自宅前で
           鈴鹿8時間耐久レースを題材とした、イラスト。
  新しい8時間耐久のイラスト集を作ろうと、写真や資料集めをしていたが・・・
           日本国道最高地点2172mを前に。右端が摺本さん
           野沢温泉ツーリングの帰りに立ち寄った、志賀高原のカヤノ平駐車場にて。バイクはBMWGS80。ガソリンタンクが異常に大きく30リッター以上。でも整備性は非常によく、メインスタンドを駆けると、フロントホイールが浮き上がる。そのため、サスペンション整備はやりやすい

鈴鹿8時間耐久レースの話題が沸騰してくると、思い出すのは「バイクのイラストで名声を博した」摺本好作さんのこと。もちろんただの知り合いではなく、仕事上から鈴鹿での付き合い、一緒に行った野沢温泉ツーリングなど、数えればきりがない。

摺本さんの8時間耐久バイクイラストは、レースの現場で摺本さんが感じたまま、持参したカメラのシャッターを数千回押したものの中から、気持ちがこもったものを選び、そこから取材に出かけた8時間耐久の現場を思い出し、そのエネルギーと気持ちを込めてイラストにしたもの。

だからすごい。

その摺本さんは2018年の7月に膵臓がんでこの世を去りました。

2022年7月9日土曜日

日本国内で若者はクルマ離れが続く。それは何故?

 

若者のクルマ離れが続くので、そこから徴収できるはずの関係する税金が減少する。

そこで政府や関係機関は、クルマに関する税金を上げて、数字上のつじつまを合わせるが、果たしてそれは正解なのだろうか。

クルマを維持管理するには非常に高い税金を払う必要がある。とにかくそれはひどいもので、税金に税金をかけている(ガソリン税。軽油はまた違うのは何故だ)。

このようなおかしなことをやっている国は日本だけだと思う。だから、クルマが必要な地域(交通手段が関係)では、できるだけ値段が安く、維持費も安い軽自動車が売れる。そして、クルマに興味を持つ若者は、MT(マニュアル車)を買い求める。スポーティに走行できるだけではなく、価格もATより安いからだ。

更に、年式が古くなると乗用車は税金を高くする。トラック系はそのまま。そんな国は日本だけ。一部の国では、ある年式より古くなると税金が安くなる。更に使い続けると、税金は取らない。

日本では消費が美徳として育ってきた役人たち(議員を含め)、古いものを維持管理して人生を楽しむ、なんていう気持ちは出てこないようだ。

だから、旧車(クルマだけではなくバイクも)を維持管理するための部品が作られることもないし、例え造っていても、とてつもなく高価なものになっている。これでは若者が寄り付かなくて当然。

薄利多売の精神で行けば、クルマにかかわる税金を安くし、所有するクルマの数を増やし、旧車も維持管理できるようにすれば、その旧車に使用する部品も製作する必要があるので、当然周りにはお金が集まる。

そうすれば普通に税金が取れるわけで、クルマやバイクの数を減らすような政策をして、そこに関わる税金を上げて、とりあえず数字上のつじつまを合わせる必要はなく、オーナーは必要なものを買いやすくなり、結果として金回りが良くなれば、景気が回復し、年収の少ない若者も、マイカーを維持管理することが出来るわけで、経済効果は高まる。

自動車国のアメリカやイギリスでは、古い(第2次世界大戦以前)クルマやバイクの部品を趣味で製造する方が多くいるようで、それはそこに人が集まる。もちろん、その部品が出来るまで気長に、待つ必要はあるが、同時に情報交換が出来るようになるのは、これからの高齢者社会では重要であると思っている。

2022年6月16日木曜日

水素エンジンは今始まったことではない。トヨタ以前にマツダのほうが先んじていた

 

地球に優しい燃料として水素が話題となって、トヨタはその水素燃料で耐久レースに出場し、完走したことで話題を集めたため、水素自動車=トヨタと言う図式があたりまえのようになっているが、日本で水素を使ったクルマの実験や走行をやったメーカーはマツダで(それ以前にBMWが水素ガスで燃焼させる実車事件をやった。またその後、液体水素を使って燃焼させる実験もやったが、水素を液体で貯蔵することの難しさがあって中止)、燃料電池車としての開発が盛んに行われていた時代、その水素を如何に貯蔵するかは各メーカーのテーマで、今では高圧タンクを使用することで一件落着してしまったが、マツダの場合は『水素吸蔵合金』なる物を開発し、これに水素を溜めて使用することにした。

ただし、当時の水素吸蔵合金は、吸蔵させるのに高温高圧状態が必要で、実用性が乏しかったのだが、最近はこの条件も緩くなりかなり低い温度と圧力での吸蔵ができるようになったらしい。

さらに、同社のロータリーエンジンは、水素との相性がよく、バックファイアと言う、ピストンエンジンでは問題となる現象も起きず、非常にマイルドで、力強い走りが可能となった。

実際に水素ロータリーの試作車を運転させてもらったときには、静かでスムーズな走りに感心した。直ぐにでも実用か出来そうにも思うが、そのロータリーエンジンを、直接動力として使用するのではなく、レンジエクステンダーの発電機エンジンとして使用するような話をしていた、その後どうなったのだろうか。ニッサンのeパワーなどのシステムのほうが実現性は高く感じる。

一時期は、排気量の小さなRE開発を重点的に行っていたはずだが、その後どうなったのだろうか?

小型REの試作エンジンを見せておらったが、ローターが鉄で以前のRE同様。さらに、ソーターハウジングも、内側にはこれまでのRE同様、鉄のタガを鋳込み、そこに硬質クロームメッキを施し、メッキ後に逆電流を流し、多硬質状態として、潤滑オイルを確保すると言う、これも旧態依然。つまり、単に排気量を小さくしただけで、技術的発展は見られない。

ローターを軽いアルミ合金とするだけではなく、ハウジングの内面に対する加工も、これまで多くの2ストロークエンジンが採用してきた、ニカジェルメッキ(ニッケル・シリコン・カーバイト)などを使用すれば、耐摩耗性が向上するだけではなく、耐焼き付き性も格段に向上するので、排気ガス中に含まれる環境汚染も低減できる。

また、数十年前には、武蔵工大、日野自動車、岩谷産業がシステムを共同開発し、ディーゼルエンジンをベースに(点火の関係でスパークプラグを取り付けている)、液体水素での実験走行に成功している。

但し、液体水素は極低温での貯蔵が条件であるため、燃焼が可能となる水素ガス状態とするのに手間がかかるという説明を聞いた。ガスバーナーで水素が通るパイプを加熱し、ガス化を促進する必要があり、水素ディーゼルとしての実験は成功したが、いざ実用化するにはまだハードルが高いらしい。

何回も言うが、液体水素は非常に安全で、これを燃焼させようとすると、いくら着火させようとしても、簡単には液体からの水素が蒸発して、酸素(空気)と混ざる時間がないうちに、水素は軽いのですごいスピードで上昇してしまい、その間にとどまらないため、着火には至らないらしい。

例え、無理やり着火させたとしても、着火している火の熱カロリーは、液体水素を素早くガス状態にするには無理という。液体水素を容器に入れ、ガスバーナーで加熱したところに着火させても、チョロチョロと穏やかに燃焼するだけ、と言う話だ。

2022年6月10日金曜日

エレベーターの中にある鏡は・・・

 

エレベーターの中にある鏡は、車椅子に乗っている方が、エレベーターから出るときのバックミラーとしての役割を持たせるためであるが、とりあえず健常者である私は、私の後ろから、そのドアの開いているエレベーターに乗りたい方がいるのではないか、そうであったら、自分だけが乗り込んで直ぐにドアを閉めるのではなく、後ろから乗り込んでくる人のために、開くボタンだけではなく、操作ボタンのそばにいない場合には、閉まりかけたドアが閉まらないように手で押さえたりする。

また、車椅子ばかりではなく、乳母車でも同様に利用価値はあるので、みんなで気にしながらエレベーターは使いたい。

2022年5月9日月曜日

旧車バイクのモトクロス・チキチキVMX猛レース




 

旧車をいじる、再生すると言うブームが広がっているが、そんな中、数年前より行われているのが、旧車バイクのモトクロス。

主催するのは奈良の㈱ホーリーエクイップ(℡0742-63-2258)。このレース、ライダーやマシンを含めて、かなり面白く、昔の友人などに会う機会でもあり、まるで同窓会の気分に浸れるので、ここ数年お邪魔することにしている。

エントリーできるマシンはトレールバイクに限らず、ファミリーバイク意外なら何でもいいと言う規則で、750cc4気筒のスポーツバイクエンジンを搭載した改造バイクまでOK。当然オフロードでの速さはないが、自分で改造したバイクを、思いっきり走らせられる醍醐味は格別だろう。

 

なお、このチキチキVMX猛レースの前日には、モトクロス場近くのホテルで『ホンダ・エルシノア発売50周年記念の集い』が開催され、このイベントの人集め(つまり関係者)に携わったこともあり、出席した。

ホンダ・エルシノアは、ホンダ初の市販2ストロークモトクロッサーで、レーサーとしてのプロトタイプが走行したのは、1971年の山口県厚保サーキットでおこなわれた全日本モトクロス。

実はこのときのプロトタイプマシンを走らせた方との付き合いは、10年後にやってくるとは思っていなかった。その方は、今でもモトクロスの楽しさを知ってもらおうと、休耕地などを借り受け、楽しく走れるモトクロスコースを運営し、貢献している。

 

では、第21回チキチキVMX猛レースに参加していた一部のマシンを紹介してみたいと思う。写真だけなので、ご覧になった方は消化不良になるかもしれませんが、それはお許しいただきたい。

































2022年5月5日木曜日

ホンダが再びEVに力を入れ始めたが、以前のような失敗を・・・

 

ホンダが数十年前にアメリカ向けに販売したEV(EVプラス)は、やってはいけない制御が見えていた。

日本での試乗会が行われて、そこに参加したことで、その問題制御は私が見つけ、開発者に報告したのでアメリカに上陸する前に対策を打てたから良かったが、今回は、私が鋭い目で評価する機会が無いので、いささか心配である。

2022年4月27日水曜日

マイナンバーカードには有効期限が有るのだが・・・

 

政府機関が日本国民を管理???したいためのカードと思われるマイナンバーカードだが、「あれ???」と思った瞬間がある。それは、日本国民に一律10万円を給付する、と言う決まりが出来て、「マイナンバーカードを市役所などの関係機関に持参すれば、直ぐに給付の手続きが出来ます」と言う情報が出た。そこで、一刻も給付金が欲しく、マイナンバーカードを持っている方々が、それを持参して給付の手続きを行おうとすると『これは使えません。再発行の手続きをしてください』と言う報道がTVなどで放映された。そして、その手続きを行うため、受付には長い行列が・・・

 そのときには何のことかハッキリしなかったが、暫くして、マイナンバーカードには有効期限のあるらしいと言うことが分かった。

 有効期限は5年間で、その期限を決めた情報も出てきたが、なんと「マイナンバーカード」に刷り込まれている顔が歳とともに変わるからだと言う。それはそうだが、マイナンバーそのものは変わらないわけだから、一度の発行で一生使えるものでいいと思う。

 それではイヤダ、と言う方に対しては、希望による更新を行い、新しい顔写真の印刷されたマイナンバーカードを入手すれば、納得できるのではないかな。

 問題は、マイナンバーカードの有効期限(5年間)が、承知されていないことで、現在マイナンバーカードを持っている方々に、『有効期限があることを知っていますか』と、問いただしてみると、え~と言いながら、やおら財布からカードを取り出し『ほんとだ、俺のは令和5年の・・・』と書いてある。ということで、ほとんどの方々は、有効期限のあることを認識していない。

 これ、切れているときに保険証代わりにとか、コンビニで住民票を取り出すときに使えるのかな。使えないとしたら、やはり、持っている意味はない。

 と言うわけで、私はマイナンバーカードは持っていません。健康保険証代わりに使えます、と言っても、マイナンバーカードを読み取ることが出来る端末が、病院になければ役に立たないし、身分証明にも使える、と言う話も、これまでの健康保険証で、どちらにも問題なく使える。

また、確定申告でもネット環境が整っていれば、プリントした決算書や保険の払込証などを送ったり、確定申告の会場に持参しなくてもいい、というのだが、PCとネット環境、マイナンバーカードがあっても、それを読み取れるカードリーダーが必要で、そのことについては何の説明もない。

 

裏で見えない力がうごめいているのか???

さてどうする・・・・

2022年3月28日月曜日

オートバイのドライブチェーンに給油するのは果たして正しいか?

 

この答えは、使用するチェーンとどのような場所を走るかで決まってくるが、基本的には必要以外のことをやるとチェーンの劣化やスプロケットの磨耗が進行するだけで、意味がない。

やってはいけないチェーンのメンテナンスだが、まず筆頭は必要以上に給油しないこと。オイルが回りに飛び散るだけで、チェーンのたるみ(主にピンとローラーが磨耗)はものすごく進行してしまう。

チェーンの種類によっては給油しないほうがいい。それは最近使用が多いシールチェーンである。

シールチェーンは磨耗し易いピン周りにオーリングを挿入して、特殊なグリースを封入。異物の侵入を防止する構造。

このシールチェーンは、チェーン自体の幅が広いのでそれと分かる。値段も高いが耐久性も高いので、排気量が250ccあたりからオンロード、オフロードモデルへ標準として採用されている。

このシールチェーンは、基本的に給油する必要がない。また、汚れた場合でも高圧洗浄などを行うと、その汚れがシールを通してピン内部に入り、チェーンの寿命を著しく短くしてしまう。

では、チェーンが汚れた場合はどうするか。それは水道水程度の圧力で、柔らかいブラシなどを使って水洗い。乾燥したら、オイルスプレーを少量塗布する。CRC5-56などの石油系は、ゴムのオーリングを硬化させるので使わないほうがいい。

バイクチェーン専用のグリーススプレーを軽く吹きかけるだけで十分。必要以上にやるとごみや砂利を寄せ付けるだけで、いいことはひとつもない。

経験から言うと、ローラー部分を目視したときに、僅かに錆色が見える程度で、少量のオイルスプレーを拭くだけで、700ccのバイクを1万キロ近く走行してもチェーン調整はする必要がなかった。

その昔、鈴鹿8時間耐久レースでは、ピットインのたびにチェーン調整が必要な状態があり、ピット時間が長くなるばかりではなく、張り過ぎて発熱からチェーンの切断、などというトラブルに発展するチームが出たほど。

暫くして、シールチェーンが採用されると、8時間耐久レースの最中にチェーン調整をするチームはなくなった。シールを付けることでフリクションは高くなるが、その分耐久性は高くなり、トラブルが防止されるようになった。でも・・・

シールがないチェーンは、モトクロスなどで使用されるが、この場合には、高圧洗浄機を使っての洗浄がつき物で、当然ピン周りにはチェーンに付着した汚れが強制的に押し込まれるので、定期的な交換が必要となる。

2022年3月9日水曜日

モーターのケーシングやクルマのミッションケースなどは、温度管理をしっかりとやって、軸間距離の安定性を図ることが耐久性を考えると重要

クルマの耐久レースではミッションオイルにオイルクーラーを付け、オイルを冷却をしても、ミッションケースを冷却するには能力が不足するので、ミッションケースにウォータージャケットを作るか、ミッションケースをカーボンファイバー或いは鋳鉄などの、熱に強く膨張しない素材で製作する必要がある。

電動モーターで耐久レースに出場する場合、モーターやリダクションケースにも、ウォータージャケットを取り付けて、水冷方式を導入する。これが重要であると考える。但し、ケーシングを鉄で鋳造した場合には、熱安定性が高いので、トラブルは起きない。

そこに使う潤滑油を冷却するオイルクーラーを取り付ける、と言うのが一般的な考えだが、それではケースの熱歪や、高温となるに従って問題となるアルミの熱運動を止めることは出来ないので、ケース剛性が低下し、ミッションやモーターは破損する。

それが分かってからのル・マン24時間耐久レースで使用するミッションケースはカーボンファイバー製が採用されるようになったので、ミッショントラブルによるリタイヤはなくなった。

バイクのエンジンではスズキが採用している油冷方式があるが、オイルと水では熱境界層を切る能力が違うので、最初に油冷を発売したときの説明では、シリンダーヘッドに対しての冷却を目標に、燃焼室真上のヘッド(カムシャフトが入っているエリア)に対して、時速200キロ以上の高速でオイルを吹き付けて、熱境界層を切るようにしたと言う。

確かにそれはある程度の目的が達成されたようで、ヘッドカバーを開けてみると、オイルが当たって熱を奪っていた部分は、少し黒く変色していた。でもその部分は直径20mmほどで、有効に熱境界層が切れていないことが見て取れた。

そこで考えたのは、熱境界層を切る面積を多くする構造。

液体が溜まっているところへ、更に上から注ぎ込むと、どのようにそこにある液体の形が変化するか試験してみるが、ほんの一部だけに流速の高まる部分は見られるものの、少し離れるとその勢いはなくなり、熱境界層を切る能力が低下していることが分かる。

でもその年の鈴鹿8時間耐久にそのマシン(GSXーR750改)を出場させ、見事に完走させた。本来は入賞ポジションにいたが、ヘッドライト点灯時刻になっても、発電機の調子が悪く、オフィシャルからの指示に従うことが出来ず、ピットインを繰り返すたびに新しいバッテリーと交換すると言う行為で、入賞を逃した。

油冷エンジンとするには、エンジンが発生する熱を効率よくオイルに受け渡すことが重要で、適当にオイル予吹き付けるようなことをやっても、十分な冷却効果は得られない。

どのような形状が有効かの実験みたいなことをしたことがある。平らな部分に上からホースで水を当ててみると、当たっているところの水は元気に動いているが、少し離れるとのんびりして、活発ではない。ということは、下からの熱も積極的に受け付けていないと言うことになる。常に速さを保った状態でないと、効率は下がる。

その結果、出来るだけ速度を保って、冷却したい部分の広い面積に、冷却オイルを吹き付けていく必要のあることが分かった。

その噴出しノズル形状や、ノズルを二重パイプ構造とするアイディア。さらにそのパイプを少し傾けて、冷却に使うオイルが当たる部分の面積を広げる、と言う設計も効果があると思う。 

2022年2月18日金曜日

赤と黄の点滅信号が有る交差点の信号の有効性に疑問

 

見通しの悪い交差点は、一時停止の看板があって、例えそれに従い一時停止後に、ゆっくりと交差点に入って、左右の確認をしようとしたとたん、横から来るクルマと衝突する、なんていう場合がある。

そこで、警察は普通の信号機を取り付ければいいのに、赤と黄の点滅信号を付けたのだが、結果としては事故の減少にはなっていない。

信号を取り付けると言うことは、それに絶対従う必要があり、従わなければ事故は起きる。

点滅信号の場合、どちらかが黄色で、反対側は赤なのだが、黄色は一時停止して安全確認後にその交差点内に入ると言うルール。でもその点滅式交差点を走るクルマを見ていると、いいとこ徐行、大半がそのまま普通に走り抜ける。

赤信号の点滅側も、どういうものか徐行がせいぜい。場合によっては少し速度を落としただけで、次の瞬間アクセルを踏み込んでいる。

先日も事故寸前の状況を目の前で見た。それは、私が自転車で走っているときのこと、前方に宅配便らしきトラック。そのトラックは黄色の点滅信号に従って徐行したのだが、その直前(赤信号側)を乗用車がスピードを落とさず走り抜けた。

よかった。私が宅配便トラックの前にいたら、走り抜けた乗用車が激突していたかもしれない・・・

テレビで放映されていた出会い頭に衝突が多い交差点(幹線道路が渋滞するので迂回路として使われる)では、普通の信号を取り付ければいいのに、赤と黄色の点滅信号とした。その理由は、普通の信号機とすると、停止しなければならないことがあり、せっかくの迂回路としての価値がなくなるからだ、という地域の有力者からの意見で、点滅式になったと言う。

信号取り付けに関わる、何か別の力が働いているかのようだ。人身事故こそ少ないが、周りのお宅は塀が破損したり、玄関が壊れたり、溜まったもんじゃない。

で、その交差点での衝突事故はどうなったかと言うと、一向に変わらないと言う話。なので、両方向点滅の信号は役に立たない。

 

2022年1月25日火曜日

雪遊びで手袋がビショビショになっても、そのまま使い続けると、いつの間にか冷たさがなくなる

 

子供が小さい頃、雪が降ってくれば、当然彼らは、雪まみれで遊びまわる。その結果、使っている手袋はビショビショになる。

このままでは凍傷になるかも、と言うぐらいの時間でそのビショビショ手袋(このときには毛糸だったと思う)をはめたまま遊んでいるので「手袋そのままでは冷たいから、絞ってあげようか」と言うと、彼らは「冷たくないから大丈夫」と言う返事。

ヤバイ、これは凍傷になったのか、と心配したが、そうではないらしい。

わけが分からないまま、自分でも同様な行動を起こす羽目になった。使った手袋は軍手。当然最初のうちは、雪が解けても手袋の中まで染みてこないので、冷たくはないが、数十分使ううちに指先が冷たくなってきた。

でも、雪かきはもう少しで終わりそうだから、そのまま冷たさをこらえて軍手をしたまま。

ところがどうだろう。そのうち冷たさはなくなり、快適に雪かきが出来る。さっきまでの指先が痛くなるほどの感じはどこへ行ったのか。もちろん軍手はビショビショ。下に向けると解けた雪は水となって滴り落ちる。

こんなに滴るのでは・・・そこで軍手を脱いで雑巾絞りがごとく軍手の水を搾り出し、再度その軍手も手にはめてみると、その冷たさときたら、耐えられないほど。

ビショビショの軍手に溜まっていた水は、もちろん雪が溶けたものだが、その軍手に溜まっている最中に、体温で温められ、保温材となっていたようだ。

結論 雪遊びをするときには、手袋(毛糸、軍手)がビショビショになっても、そのまま最後まで使用すること。そうすれば冷たい思いをし続けることはない。

2022年1月21日金曜日

F1からホンダが撤退すると言うことになって、昔、マクラーレンと組んだときの話が出ているので、それについて一言

 

ホンダとマクラーレンが不仲になった理由は、確か以前にもレポートしたと思うのだが、当時のマクラーレンの最高責任者のロン・デニスと、ホンダ側の担当者との意見が合わず『喧嘩別れした』。その直接の原因は、「このボディ形状だとクラッシュテストに合格できない」というホンダ側の意見と、「これで大丈夫」、と言うマクラーレン側の意見の違い。

ホンダは、エンジン開発だけを行うのだが、クラッシュテストに合格しなければ、当然ストレスマウントされるエンジンにもその影響が出る。

何が問題視されたかと言うと、ドライバーが乗車する部分の開口部の大きさ。ホンダ側はマクラーレンが設計する開口部の大きさではクラッシュテストの合格しない、と言う判断だし、マクラーレンは、これ以上小さくしたらアクシデントを起こしたときにドライバーはすぐの脱出できない。というもので、意見が合わなければ、F1マシンとしての許可が下りない。

『大丈夫』『いやダメだ』と言う口げんかの応酬で、ついには喧嘩別れした、と言う話。

これは、当時の担当者から直接聞いたもので、噂ではない。

その後、再びマクラーレンとホンダは手を組むことになった(喧嘩別れした当時の状況を知らなかったのか?)。当時のホンダの担当者は定年退職していたが、マクラーレンは、相変わらずロン・デニスが最高責任者。

人間の感情などと言うものは、そう簡単になくなるものではない。いくら話をする相手がそのメーカーにいなくなったとしても、喧嘩別れしたときの『このやろ~』感情は、ホンダ側にぶつけることになる。

あるとき、その喧嘩別れした担当者とお会いする機会があったので「マクラーレンのロン・デニスのところへ出かけて、あの時はごめんね、とか・・・話をしたほうがいいのでは」と言ったのだが、「俺はもう関係ないからイヤダ」と言う返事。

そして、マクラーレン側は、シャシーのデーターをホンダ側に正確に伝えず、レースで走るたびに不具合爆発。結果、マクラーレン経営側は、ロン・デニスを最高責任者から引き摺り下ろして、その後はマシンの改良が進んだ。と言う結論だ。

2021年12月29日水曜日

EVと使用するバッテリーの自宅充電は・・・

 

EVを走らせるときに絶対必要なことは、バッテリーの残量。そのバッテリーは自宅でも充電が出来るようだが、それには条件がある。その条件とは、200Vを使用するので、その配線を電気会社にやってもらう必要がある。100V充電が可能のクルマもあるが、時間が掛かりスマートではない。

では、一般家庭で200Vが来ているお宅はどこかと言うと、それは、ほとんどの農家。農家では、作業上どうしても動力線(3相200V)が必要で、これを利用すれば、充電システムを取り付けることは簡単。

海外ではどのような状態なのか、知っている範囲で説明すると、アメリカは117V(何で中途半端なボルトなのかは知らない)。イギリス(欧州全体かどうかは知らない)となると、家庭用電源が全て200Vだから、これは効率が高い。

さて日本は、200V仕様とするには、温水器用に深夜電力や『お得なナイト8や10』を利用していたらそこで使っている、3線単相(分電盤のブレーカーに配線されているコードを差し替えるだけでその部分から200Vを取り出せることで済むが・・・)の配線を利用するか、あるいはべつに200Vを引いてもらう必要がある。

ただし、電気引き込み配線工事料金は、電気メーター(スマートメーター)手前までの料金は、電力会社負担となるが、それ以降の配線工事は自己負担となる。

3相単線からEV用のバッテリー充電回路を取り出すにしても、専用の電気工事が必要になるばかりではなく、契約電気量の変更も必要になる。

つまりかなりややこしく、走り出すまでに手間とお金が掛かる。

この問題にも、補助金が出れば、EV利用への加速が付くと思うのだが、政府はどう考えるのだろうか。

また、数年前にイタリヤ旅行をしたとき、路上駐車場所にEV専用スペースがあり、なおかつ充電設備も備わっていた。もちろんEVに限って駐車料も充電料金も無料であった。

日本でもここまで政府や自治体が、積極的にEV優先政策を打ち出さないと、なかなか国民に浸透しないだろうと思う。

2021年11月25日木曜日

来年(2022年)の鈴鹿8耐スケジュールが決まったぞ

 

先ほど、モビリティランドからメールが入った。

鈴鹿夏の祭典ともいえる、あの8時間耐久レース開催が開催されるのだ。以下は発表内容。

2022 FIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレースは、
他のレースシリーズカレンダーを考慮し、
2022
84()7()に開催することが決定しましたので、
ご案内いたします。


■開催日程:
8
4() 選手受付/公式車両検査
8
5() フリー走行/公式予選/夜間フリー走行
8
6() フリー走行/トップ10トライアル
8
7() ウォームアップ走行/決勝レース(8時間)
スケジュールは変更になる場合がございます

2021年11月18日木曜日

またブレーキとアクセルの踏み違いによる交通事故が起きた どうする!!!

 

自動車のブレーキとアクセルで、2ペダル(つまりAT)の場合、一般的には右足ひとつでの操作が当然というが、それがそもそもの間違いで、健常者なら使っていない左足での操作を、ブレーキ専用として使えば、踏み間違いなんて起きようが無いので、これを普通にすればいいと思うのだが。

自動車教習所での教習でも、TAブレーキは左足、と言う運転教習をすれば、問題解決なのだが、教習所を管轄する警視庁は「ブレーキペダルは右足で踏まなければ行けない」、と言うことを強制しているので、まずこれを改めさせる必要がある。

『どちらの足でブレーキペダルを踏んでもいい』

事故後の運転者から事情を聞くと「ブレーキとアクセルを踏み間違いました」と言う言葉が発せられる。(素直にそれを認めない人物もいたが)

だったら、そうならない運転をすればいいのだが、そのためには特別な装置は要らない(自動ブレーキ付だからと言って100%確実ではない)。運転者がブレーキとアクセルを時々によって使い分けすればいいだけのこと。

地下駐車場(当然坂になる)から出て行くときに暴走の発生する要件を考えると、エンジンが冷えているときに起きているアイドルアップも関係しているのではないか、と言う話。

エンジンを始動させ、アイドル回転が高ければアクセルペダルを踏まなくても緩い坂なら登ってしまう。更に、アイドル回転フィードバック制御と言うプログラムも組み込まれて、エンジンに負荷がかかった場合には、指定されたアイドル回転に戻すよう(数100回転)作用するので、その負荷とのバランスが無くなる所までエンジン動力は高くなる。しかし、それはエンジンがある程度暖められれば、暖気後のアイドル回転に落ち着くのだが、そのときに坂を上りきっていなかったら、アクセルを踏む行為が必要となるわけだが、次に来る、坂を上りきったときに発生する、急加速(坂を上るようにアクセルを踏んでいるので、その坂による負荷がなくなれば急加速になる)が事故の引き金になるのではないかと考える。

地下駐車場から一般道に出るところの道路形状を考えてみると、雨水が入り込まないよう、歩道側との境はかなり盛り上がっている。この歩道を横切る必要があるので、当然一旦停止し安全を確認するが、一旦停止したときの道路状況はどうなのだろうか。

右足でアクセルをしこたま踏んで地下駐車場から出てきたわけだから、一旦停止状態とするためにブレーキペダルを踏みつけるが、再スタートでは、ブレーキペダルから足を離したとたん後戻りが発生する。

ここでビックリしてアクセルを思いっきり踏み込むと、それは急加速に結びつく。

急加速にビックリして、ブレーキペダルを踏んでくれれば問題ないが、それまで行ってきた行為が、勘違いを引き起こす可能性があるようだ。そして、アクセル全開で急発進し、歩行者や道路を走るクルマ、或いは向かいの建物に突っ込むことになる。

では、左足でのブレーキ操作を行う場合にどのようなことになるかと言うと、微速前進が出来るよう、坂を上っている最中にもアクセルペダルを踏みながら、ブレーキペダルの上に左足が乗っているため、必要によってその左足に力を加えればいいだけ。

地下駐車場から出たときの一旦停止でも、ブレーキペダルは踏まれた状態なので、いくらアクセルを踏んでも急加速くでの発進はない。左足でブレーキを使うと言う行為は、予想をしての行為となるので、パニックにはならない。これが重要。

例えば、道路(一般道ばかりではなく高速道路も)を走行中に、前方で何かおかしなものを見つけたり、おかしな行為を予想されるときには、左足をブレーキペダルに載せ、いつでもブレーキが使える状態とすれば、いきなりその必要が起きても、冷静に対処できる。

でも、左足での操作を考えないで(出来ない)そのまま走り、いきなりブレーキが必要となると、冷静にブレーキを使うことが出来ない。ビックリでパニックになってしまい、ハンドル操作にも影響が出る。これが暴走の要因にもなる、と思っている。

2021年11月11日木曜日

選挙の期日前投票を行う理由が、選管の決められた項目に当てはまらないと許可しない、というのはおかしい

 

期日前投票(以前は不在者投票だった)の、当日投票所に行けない理由の該当するところにチェックマークを付けるようになっているが、それに該当しない場合はどうするのだろうか。投票所の雰囲気が嫌いだから行きたくない、と言う項目は無い。


期日前の投票になる理由は、特になし、と言うことではダメ。実際に、数年前、期日前投票に行ったとき、期日前する理由は、チェックする項目に当てはまらなかったので、余白部分に「期日前投票をする特別は理由は無い」と書いて、受付に出したら「これではダメです、該当するところにチェックマークを付けてください」という。「適当に、嘘でもいいのか」と聞くと、「嘘でもいいとは言いませんが、それでもいいです」と着たもんだ。

嘘をついてまで期日前投票をする気は無いので、その場で用紙を破き、そのごみを関係者に渡して帰ってきた。

何故、お役所が決めた項目を、確実に守らなければいけないのだろうか。期日前に投票に行く理由は、どうでもいいのではないだろうか。投票することが一番重要であり、理由をハッキリさせることはどうでもいいのではないだろうか。『投票させてやっている』、と言う感覚の元に決めるとこのようなことになるのではないだろうか。お上の指示に従え、それで無ければ・・・

若者の投票率が悪い、と言う結果にも『当日投票所に行くのは、会場の分行くが悪く、後ろから監視されている感じがあって、なんだか面倒』と言う気持ちが強いように感じる。これは若者だけではない。

期日前投票と言う言葉が出来る前は、不在者投票というものがあって、それには市役所などに出かける必要があった。

仕事の関係で、初めての不在者投票に出かけたのだが、そこでの投票用紙の扱いがあまりにも考え方が違うので、すったもんだを30分ほどやって、投票用紙を破り捨て、帰宅した。

何が起きていたのかと言うと、記入した投票用紙を封筒に入れ、封をしたところにサインをしろ、と言うのだが、誰が投票したかわかるように、しっかりと名前を書くことが用供された。更に、その封筒を別の封筒に入れ、それも封をしたところに楷書で名前を書け、と言う指示。???

何だそれ、誰が誰に投票したのか分かるのではないか、と言う質問に対して『いちいち、封筒の封に書いてある名前を確認しませんから、大丈夫です』と言う返事。

あっそうですか、といって素直に楷書での名前を書くほど経験が無いわけではないので、「だれが開封するのですか。私の名前を知らない県外の方ですか」と聞くと「いや市内に住む選管から委託された方です」というので、それでは偶然と言う確率論では解析できない状態の話をして(私が経験したとんでもなく3つもの偶然が重なった)、担当の方を納得させようとしたが「決まりごとですから。それに投票を待っている方が並んでいますので」と言うので、『分かりました』と言ってから、投票用紙を破り捨て、その担当者にごみを渡した。投票箱の管理をしていた方が、微笑んでいたが、あれは何か・・・

それから数年後に、再び不在者投票へ出かけたときには、投票用紙を封筒に入れ、封をするが、そこにはサインをする(楷書の名前ではなく自分だけが読めるあくまでもサイン)方法に替っていた。これなら納得できるので、その指示に従い投票した。

2021年10月11日月曜日

経済学者の意見を聞いて、それを政治に反映させてはいけないらしい

 

大学時代には、一般教養として経済学があった。その授業は結構面白くて、教授の話は十分に参考となった。

何故、経済学者の話を聞いてそれに従った政策をしてはいけないのかというと、『経済学者は、自分の研究結果や考えを反映させ、理想(つまり理想論)を追求しようとする』ので、うまく行けば、「それは私が述べていたことを反映させたから」、と自分中心に物事を運ぶらしい。

そして、うまく行かなかったときには、『自分は気持ちを述べただけ』と言う勝手な結論を出すからだ、というのだ。そういう教授も経済学者なので、「私の授業は、君たちの知識にしないでくれ』というのである。

そのことを裏付けるものとして、学年末の試験では「カンニングという行動は成立しない」「大学から出ない限り図書館に行って調べようが、同級生に聞こうが、他の教授に聞こうが一切かまわない、という」。そのため、答案用紙を配ったら、監督の先生は、その教室から出て行った。

試験問題(正しく言うと試験ではない)は3つあって、どれを選んでもかまわない。そこで、簡単な用語説明を選んだ。3問の用語があり、それを説明するのだが、参考書になれば、と言う気持ちで持参した、「現代用語の基礎知識」なる、厚さが5cmある重たい参考書を試験会場に持ち込んだ成果はあって、数人の仲間とその参考書の内容を要約し、答案用紙を提出。当然100点である。

というような訳で、経済学者の話を信じてはいけないらしい。

2021年10月6日水曜日

初代のホンダNSXが評判となっているようだが、私に言わせれば『完全に駄馬』それは・・・

 

なんで1997年に発売されたNSXが評判になっているかが分からない。最近のモデルチェンジ車は、試乗していないので評価しない。

なぜ初代NSXが駄馬であるかと言う理由は、とにかく直進性が悪かったからである。もちろん安定性も悪い。

最初の試乗会では栃木のオーバル・テストコースだったが、ここをアクセル全開で走らせると、とにかく面白くない。しっかりとハンドルを持っていないと進行方向が定まらない。同日用意されていたポルシェは、さすがにポルシェで100マイルを超えると、その安定性とサウンドには感激した。

なぜ直進性が悪いのか、当時の我々のテスト走行は、直進性が悪い原因をドライバーが作り出してはいないだろうか、と言う考えのもと200km/h近くでもハンドルから両手を離しての運転をしていた。こうすれば、路面の凹凸状況からドライバーが揺すられても、ハンドルを左右に動かさないわけで、そのクルマの基本性能が露出するからだ。

試乗後には足回り設計者と喧嘩状態のやり取りまでやって、先方はその安定性の悪さを認めたが、それは何が原因かは説明してくれなかった。説明しなかったのではなく、原因追及が出来ていなかったのではないのか、と後に結論を出した。

姉妹誌の編集部でこのNSXを購入し、高速道路を使って日本各地の読者の所へNSXを持参し、意見を集めたのだが、取材が終わったとたん、走行5000キロと言う数字にもかかわらず、前後のタイヤは山が無くなり、走れた状態ではなかった。

このタイヤが異常磨耗する原因は直進安定性を出すために、ホイールアライメントのトーインを強く設定したことによるのだ。トーインを強くすればタイヤはスリコギ状態となって異常磨耗する。直進安定性を良くするためにトーインを多くつけても問題は解決しない。その原因はサスペンション機構に対する基本が違っていると判断した。

で、面白いのは輸出用と国内用では、組み立てライン上でのトーが違う。国内用は、サイドスリップ量が±5mm(1m進む時のテスター上での移動数値)という規則のトーなのだが、NSXの国内用ラインではトーイン5mm近くを選択している。しかし、輸出用はトーアウト。『組み立てラインの取材を後に行ったとき、現場に書いてあった』。但し、アウト何ミリだったか忘れた。また、その組み立てラインにいた方に「フロントのトーは、アウトのほうがNSXは良いのですか」と聞いてみると、「アウトのほうがいいです」と即答してくれた。

いろいろなことで直進性を求めて手を加えたが、どれも解決策にはならなかった。残念ながら開発者が求めた性能にはならないだろう、と言う結論はしばらく経って、他の自動車メーカーを別の企画で取材したことで、原因を見つけた。

なんで1997年に発売されたNSXが評判になっているかが分からない。最近のモデルチェンジ車は、試乗していないので評価しない。

なぜ初代NSXが駄馬であるかと言う理由は、とにかく直進性が悪かったからである。もちろん安定性も悪い。

最初の試乗会では栃木のオーバル・テストコースだったが、ここをアクセル全開で走らせると、とにかく面白くない。しっかりとハンドルを持っていないと進行方向が定まらない。同日用意されていたポルシェは、さすがにポルシェで100マイルを超えると、その安定性とサウンドには感激した。

なぜ直進性が悪いのか、当時の我々のテスト走行は、直進性が悪い原因をドライバーが作り出してはいないだろうか、と言う考えのもと200km/h近くでもハンドルから両手を離しての運転をしていた。こうすれば、路面の凹凸状況からドライバーが揺すられても、ハンドルを左右に動かさないわけで、そのクルマの基本性能が露出するからだ。

試乗後には足回り設計者と喧嘩状態のやり取りまでやって、先方はその安定性の悪さを認めたが、それは何が原因かは説明してくれなかった。説明しなかったのではなく、原因追及が出来ていなかったのではないのか、と後に結論を出した。

姉妹誌の編集部でこのNSXを購入し、高速道路を使って日本各地の読者の所へNSXを持参し、意見を集めたのだが、取材が終わったとたん、走行5000キロと言う数字にもかかわらず、前後のタイヤは山が無くなり、走れた状態ではなかった。

このタイヤが異常磨耗する原因は直進安定性を出すために、ホイールアライメントのトーインを強く設定したことによるのだ。トーインを強くすればタイヤはスリコギ状態となって異常磨耗する。直進安定性を良くするためにトーインを多くつけても問題は解決しない。その原因はサスペンション機構に対する基本が違っていると判断した。

で、面白いのは輸出用と国内用では、組み立てライン上でのトーが違う。国内用は、サイドスリップ量が±5mm(1m進む時のテスター上での移動数値)という規則のトーなのだが、NSXの国内用ラインではトーイン5mm近くを選択している。しかし、輸出用はトーアウト。『組み立てラインの取材を後に行ったとき、現場に書いてあった』。但し、アウト何ミリだったか忘れた。また、その組み立てラインにいた方に「フロントのトーは、アウトのほうがNSXは良いのですか」と聞いてみると、「アウトのほうがいいです」と即答してくれた。

いろいろなことで直進性を求めて手を加えたが、どれも解決策にはならなかった。残念ながら開発者が求めた性能にはならないだろう、と言う結論はしばらく経って、他の自動車メーカーを別の企画で取材したことで、原因を見つけた。

それは、このNSXのフロントサスペンション構造に有る。サスペンションに求めたものは、『上下に作動してもトーの変化が起きない構造であること』。これを達成するため普通のクルマと違って、大きな太いゴムブッシュが使われている。捻りだけではなく曲げ方向にも対応する構造だった。


これを目標としたこのこと自体はいいのだが、そのゴムは試作で一品生産するときには問題なくても、量産すると硬さのばらつきは±20%になる(ある自動車メーカーではそれを±10%まで小さくしたと言う。サプライヤーとの共同で苦労しながら開発したらしいが)。

試作段階でのテスト走行では問題なくても、試作でできたゴムの硬さは、それが量産には結びつかない。そうなると、当然設計値どおりにサスペンションは動かないから、動くことで悪さが露出する。

プロトタイプから、その直進性の悪さは露出していたので、最後の手段としてホイールベースまで長くして、フロント荷重を高くしたが、解決できず。『ホイールベースの長くした理由は、追突安全確保』と言う言い訳まで聞かされた。

こんなクルマでも、素晴らしいと言うのだろうかな・・・

その後に出したタイプRでは、車重を70kg軽減したので、初期モデルより多少は直進性が良くなったらしいが、基本的な構造はそのままだから、本来の走行性を求めるのは無理ということ。

これが初代NSXのフロントサスペンション。かなり変わった構造であることがわかる

それは、このNSXのフロントサスペンション構造に有る。サスペンションに求めたものは、『上下に作動してもトーの変化が起きない構造であること』。これを達成するため普通のクルマと違って、大きな太いゴムブッシュが使われている。捻りだけではなく曲げ方向にも対応する構造だった。

これを目標としたこのこと自体はいいのだが、そのゴムは試作で一品生産するときには問題なくても、量産すると硬さのばらつきは±20%になる(ある自動車メーカーではそれを±10%まで小さくしたと言う。サプライヤーとの共同で苦労しながら開発したらしいが)。

試作段階でのテスト走行では問題なくても、試作でできたゴムの硬さは、それが量産には結びつかない。そうなると、当然設計値どおりにサスペンションは動かないから、動くことで悪さが露出する。

プロトタイプから、その直進性の悪さは露出していたので、最後の手段としてホイールベースまで長くして、フロント荷重を高くしたが、解決できず。『ホイールベースの長くした理由は、追突安全確保』と言う言い訳まで聞かされた。

こんなクルマでも、素晴らしいと言うのだろうかな・・・

その後に出したタイプRでは、車重を70kg軽減したので、初期モデルより多少は直進性が良くなったらしいが、基本的な構造はそのままだから、本来の走行性を求めるのは無理ということ。